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目の前に天使が現れたので日記を付けてみた

りょう

外伝 私と彼が出会った日 後編

 私は人間界への入り口の前に立った。これから先に待っている何かの期待と不安を抱えながら。

「ユリエル、行くのね」

「はい。ラファエルはこれからはどうするんですか?」

「私はまだしばらくは天界よ。何か先を越された気がして悔しい」

「先を越すだなんてそんな」

 わざわざ私を見送りに来てくれたラファエルと他愛のない会話をする。彼女とはこれからしばらくは話せなくなるって考えると、ほんの少しだけ寂しい。

「まあ、とにかく頑張ってきてね」

「うん、ありがとう」

「あと土産待っているわよ」

「覚えていたら買ってきますよ」

「絶対よ」

 それはラファエルも同じなのか、少しだけ彼女の声が涙声になる。そんな彼女を見て余計に寂しさを感じながらも、何とか堪えて入口へと足を踏み入れる。

「じゃあ行ってきます」

「行ってらっしゃい、ユリエル」


 人間界へと踏み入れると、目的地はすぐそこだった。どうやら迷わないように配慮をしておいてくれたらしい。私は感謝をしながら、家を見上げる。

「ここが私がしばらくお世話になる場所ですか……」

 本人の了承は得てないけど、幸せにすることができれば自然と受け入れてくれる……はず。

「頑張れ、私」

 私は一度気合いを入れ、彼の……浜田裕太様への元へと足を踏み入れた。

「私はあなたの退屈な人生を、楽しいものに変えるためにやって来た天使です」

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