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ロシアンルーレットで異世界へ行ったら頭脳派の魔法使いになっていた件【三部作】

日比野庵

17-150.親方、どうですかな

 
「ギム親方は、ドワーフ族の中でも指折りの職人でしてな。大陸中を探しても親方程の腕の持ち主はそうはおりません。親方は、仕立ての最終確認の為に来ておりましてな。ヒロ殿が来られるのを待っていたのです。ちょっと着ていただけますかな」

 カダッタはヒロとリムに立つよう促すと、後ろに回って白銀に輝く新品の鎖帷子をヒロとリムに着せてやる。リムに着せるときは片膝をついてしゃがみこまなければならなかったが。

 ――軽い!

 それがヒロの第一印象だった。次いでその着心地の良さに驚愕する。ヒロが着たミスリル製の鎖帷子は径の細いチェーンで総六方に編み込まれ、寸分の狂いなく並んでいる。腕を上げ、肩から回してみる。鎖帷子は腕の動きに合わせてしなやかに曲がり寄り添った。まるで厚手の絹服か何かを着ているようだ。腰も捻ってみる。チャリと微かにチェーン同士が擦れる音がしただけで、ミスリルの輪はその動きを邪魔することはなかった。

 リムを見ると、彼女はニコニコと微笑みながら、くるりと回ったり、軽くジャンプしたりしている。動きにくいとか重いとかいうことは全く心配なさそうだ。

「ほほう。いい感じですな。親方、どうですかな」

 カダッタに声を掛けられたギムはひょいと身を乗り出し、リムとヒロの帷子を鋭い眼差しで見やる。

「……」

 やがて、気難しそうな親方は懐から何かの毛で作ったと思われる、鞭のようなものを取り出すと、何も言わずにヒロの腰の辺りをトンと叩いた。それは先程腰を捻ったとき、僅かに音がした部分だった。

「ヒロ殿、一度脱いで貰えますかな」
 

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