お狐さま、働かない。

きー子

五十話/結成×崩落

「……事情は理解いたしました。クラリス司祭殿」

 公教会ティノーブル支部、聖堂騎士団宿舎。
 一日の訓練が終わった頃合いを狙い、クラリスは聖騎士長の元を訪れていた。

「いかがでしょう、レイリィ聖騎士長。あなたにも立場があるということは、こちらとしても理解しております。ですが、その上で……どうか、ご協力を願えませんか」

 聖騎士長レイリィ・アルメシア。
 クラリスは彼女に目を付けた。〈封印の迷宮〉調査部隊の最後の一人として。

 本来ならば彼女本人でなく、聖堂騎士団麾下からの派遣を求めるのが筋だろう。しかしながら今回に限っては事情が異なる――魔王が復活しかねないなどという情報は、可能な限り伏せておく必要があった。

 正直に言えば難しい提案だろう。
 自分でも口にした通り、レイリィには聖騎士長という立場がある。麾下の聖堂騎士団を率い、万事に備えるという必要不可欠な役目。それは他の誰かにおいそれと替われるようなものではないだろう。
 クラリスはそう考えていた――のだが。

「構わない。うけたまわろう」
「ですよね――って、え?」

 クラリスは思わず目を丸くする。
 蓋を開けてみればなんのことはない。レイリィはほとんど二つ返事でクラリスの要請を受け入れていた。

「……よ、良いのですか? こちらにご協力下さるならば当然一日仕事になりますし、聖騎士長としての仕事と兼任するのはまず不可能かと思われますが――」
「もちろん、承知している。聖堂騎士団の長は欠かざるべき存在だ。が、私が聖騎士長でなければならないという道理はありませんので」

 いつも銀兜に覆われているブロンドの髪を晒してレイリィは微笑する。その程度ならばなんのことはない、と言わんばかり。

「一時的に私の役目を副長に移譲して下されればそれで結構。枢機卿殿に話を通しておいてください。事がすんだあと、私の戻る席があれば良いのですが」
「……本当に構わないのですね?」
「私一人が欠けた程度で機能不全に陥るほどやわな鍛え方はしていない。指導者であるならばまだしも、私はただの現場指揮官に過ぎませんから」

 レイリィは笑みを浮かべてあっけらかんと言う。それは自虐的な言葉というよりも、自らが鍛え上げた組織――聖堂騎士団への自信というべきものがうかがえた。

「……承知いたしました。真にありがとうございます」
「いやなに。私としてもあなた方には恩を返さねばならないと思っていたところですから、渡りに船です」

 先日のキリエ・カルディナ救出に繋がった件を言っているのだろう。
 ユエラにしてみれば利用したに過ぎないのだろうが、聖堂騎士団としても単独で叛乱勢力に牙を剥くのが難しかったのもまた事実。
 クラリスがそっと頭を垂れるのに、レイリィはどれほどのことでもないと首を振る。

「むしろ懸念されるのは私自身の力量に尽きよう。果たして深層に通用するかどうか……」

 いささか不安げにレイリィはつぶやく。が、それは彼女に探索者としての経験が無いことを意味しない。
 聖堂騎士団に属するものは例外なく〈封印の迷宮〉に挑んだ経験がある。一種の通過儀礼として、聖堂騎士は地下二十層までを単身で踏破する必要があるのだ。
 そして、ほとんどのものはそれより深い階層に足を伸ばす。訓練された兵を〈封印の迷宮〉に送りこむのは公教会とて例外ではなかった。

「実力があり、そして信頼が置けるという点で、レイリィ聖騎士長に並ぶものは早々他におられないでしょう。……いるのだとしても、それを見出すのには時間が掛かり過ぎますから」

 明確に期限が切られているわけではないが、なんにせよ、時間がない。
 こんな時だからこそ、あの二人を登用できたら。しかしキリエ枢機卿はそれを認めないだろう。否、クラリス自身も認めかねた。あれほどのことをしでかした直後、捕らえた彼らの力を頼るような真似は――守るべき秩序を否定するような行いだ。
 それはクラリスが受け入れられるものでは断じてない。

「了解した。地下七十層から目標へ向かうのですね?」
「はい。……できれば地下八十層から向かいたいところなのですが」
「全く未知の領域から脚を踏み出すのは危険が大きすぎるでしょう。急ぐ気持ちは理解できますが、死んでは元も子もない。……特に、あなたはこのような任務で倒れられるべきではないでしょう、クラリス司祭殿」

 迷宮内部に設置された〈攻略拠点〉。その中で最も深層にあるものが地下八十層だ。七十五層以降についても、全くの未知ではないが極端に情報が少ない――やはり安易に踏み入るべきではないだろう。

 とすると、やはりクラリスが踏み入ったこともある地下七十層の〈攻略拠点〉から進んでいくのが妥当。そこから順調に攻略を進めていけるか、あるいは足踏みを強いられるかは部隊の相性次第だろう。

「あまり浮かない顔をしておられる。……クラリス司祭殿にも懸念がおありで?」
「……正直、上手く回るか不安です。私はずっと同じパーティで進んできましたし、それに――」

 フィセル・バーンスタイン。
 彼女とは犬猿の仲――というほどでもないが、決して相性が良いとは言えないだろう。穏和かつ秩序を志向するクラリスに対し、フィセルはかなり好戦的だ。武力を振るうことに屈託がない、とでも言うべきか。

 魔術師リーネ。彼女ともだいぶ相性が悪い。というか、端的に言って避けられていた。
 最近はだいぶマシになっていたが、それでも彼女がクラリスを苦手としている様子は否めない。嫌われるようなことをした覚えは全く無いのだが……仕方なしにクラリスもリーネから距離を置くようになっていた。

「……ええ、その、ちょっと。癖が強い人たちなものですから」

 なんだか頭と胃がしくしくと痛みを訴えてくるような。
 沈痛な面持ちになるクラリス。対するレイリィはふっと頬を緩めて笑みを見せる。

「ならば無理に押さえつけることもない。私としては、そう思う」
「……聖堂騎士団の長としては、中々、考えがたいような言葉ですね?」
「それは我々に課せられた役目のためだ。皆が、そして一人ひとりが公教会の剣でなくてはならない。公教会の槍でなくてはならない。……しかし、探索者はその限りでは無いでしょう」

 探索者のパーティは多くの場合、一人ひとりの役目が異なる。少人数で戦闘能力を完結させなければならないがための必然だ。
 クラリスはその言葉を慰みとして受け止め、頷く。便宜的な指揮官は自分になろうが、そう気負うこともない、と。

「そう、ですね。……では、準備が済み次第、必ず近いうちに連絡をいたしますので。その時はまたどうぞ、よろしくお願いします」
「こちらこそ。よろしく頼む」

 二人は近日中の再会を約束し、その場で別れた。

 ◆

 イブリス教団普遍主義派。
 それは迷宮街に拠点を構えるイブリス教徒の中でも最大の勢力を有している宗派であった。

 その教義は単純明快。原理主義派が魔王イブリスを絶対視する一神教的な世界観とするならば、普遍主義派はその反対。強大な魔物が数多くいることを前提として、その上で魔王イブリスを最上位に置く。言うなれば多神教的な世界観を有する宗派――それがイブリス教団普遍主義派であった。

 規模は他の宗派を全て合わせても敵わないほどの最大手。百年以上も前からティノーブル郊外に土地を有しており、そこにちょっとした防衛施設群を築いている。公には大規模な修道院という扱いだ。先ごろに壊滅した原理主義派の残党をも吸収し、彼らは虎視眈々と牙を研いでいた。

「――――総主教。配下の報告によれば、公教会に表立った動きは見られないとのことです」

 施設群の中心に位置する大邸宅。小規模の砦にも匹敵するこの建物は、普遍主義派の重要人物のみが入ることを許された神聖な場所だった。
 その最上階――五階に位置する一部屋で、二人の男女が向かい合う。

 一人は三十歳前後と思しき長身の女。彼女は黒いローブとフードに覆われた華奢な長身を跪かせ、男に向かって頭を垂れている。

「そうかね。……うむ。ご苦労だった」

 もう一人は老いさらばえた男。身体は骨のように痩せ細り、にも関わらず頭部だけが奇妙に肥大している。総主教と呼ばれた彼は緩慢な動きで女に向き直り、枯れた声で彼女をねぎらった。

「……今こそ、我々の動くべき時が来た、というわけだ」

 まるでひび割れた喉から発せられたような声。だが、存外に男の語り口は明朗だった。

「……魔王イブリス卿の復活は我々の悲願に他ならぬ。よもや私の代にかの御方をお迎えすることになろうとは、またとない光栄というほかない……」

 老人はまるで祈りを捧げるように呟いたあと、杖を突いて女に一歩近づいた。
 その間、女はじっと頭を垂れたまま微動だにしない。端正な面立ちは頑ななまでに無表情。一つ結びの黒髪が白い肌を掠めるように揺れている。

「……リグよ。準備は、できておるかね」
「は。配下の者にはいつでも号令をかけられます。戦う力の無いものには随時、魔石の換金と物資の買い溜めを行わせておりますので、一週間は休みなく攻略を続けることが可能でしょう」

 女――戦士長リグは淡々と応じる。
 ティノーブルの近郊に根を張る以上、彼らも迷宮と無縁ではあり得ない。普遍主義派は過酷な訓練によって優秀な戦士を育て上げ、彼らを〈封印の迷宮〉に送りこんでいた。
 戦士長リグは言うなればイブリス教団普遍主義派の軍事顧問。戦闘面における最高指導者と言うべき重要人物である。

「……魔薬の貯蓄は、どうかね」
「上位百人の戦士に行き渡らせられるでしょう。何なれば、私が服用することも厭いませぬが」
「……いや、良い。君は今しばし教団のために、働いてもらわなければ、ならない。……彼らの命は、魔王イブリス様の礎となるのだ」

 総主教は目を炯々と異様に輝かせながら言う。
 魔薬。字の通り超高濃度の魔素を内包し、摂取すれば精神的昂揚や疲労感の消滅などを引き起こす薬物だ。もちろん、そんなことをして副作用が無いはずもない――多くの場合は内臓器官に重篤な障害を残すことになる。

〈魔術の器〉を有する魔術師でさえ、体内に魔素を吸収して無事なケースは極稀だ。多くの魔術師は大気中の魔素を操り、魔術を行使するためのエネルギーを引き出しているに過ぎない。

「――了解いたしました。では、開始時刻はいつに致します。総主教様が命令下されば、現時点からであろうとも迅速に行動を開始させていただきます」

 総主教は緩慢にうなずき、思いを巡らせる。

 思えば、永い雌伏の時だった。
 彼の一族は、魔王の存命時からすでに魔王の信奉者であったという。魔王が封印された後も魔王の信奉者であり、そして代替わりを経た後も彼らは魔王の信奉者であった。――魔王の信奉者であり続けた。

 それは男の代に至っても変わりなかった。彼は先代が築き上げたイブリス教団普遍主義派の土台を引き継ぎ、そして現在に至るまで維持し続けた。いつか魔王イブリスが蘇る日のために力を蓄え、次代に引き継ぐ手はずも整った。

 そこで男は知らされたのだ。〈封印の迷宮〉の奥底で巨大な魔力反応が新たに確認された、と。

 ――これが魔王イブリス卿でなければ何であろうか。否、魔王イブリス卿で無かろうが、あるいはその生まれ変わりにも相当しよう。間違いない、と男は確信した。
 この手で彼を迎えなければならない。今すぐにでもかの御方を呼び覚ましに行かなければならない。かの御方の目覚めを待ち望むものが数多にいるのだと、お伝えに向かわなければならない。

 彼は、総主教は確信を持って断言する。
 手の中の杖をほとんど叩きつけるようにして。

「……明日だ。明日より、〈封印の迷宮〉攻略を! 我らが魔王イブリス卿をお迎えするために!! かの迷宮より、封印を解き放ち」

 たまえ、と言いかけた瞬間、総主教の背後の壁が突然の轟音とともに弾け飛んだ。
 風に吹かれた木の葉のように瓦礫が飛ぶ。総主教は巨大なコンクリートの塊をまともに受け、脊椎を叩き折られ、死んだ。

 ◆

「――何者」

 リグは飛来する瓦礫を蹴り砕き、総主教の死体を避けて壁のほうを注視する。
 その数秒後、彼はちいさな足音とともに部屋へ降り立った。

「やあやあ、邪魔をするよ」

 彼は小柄な少年だった。小柄な少年にしか見えない姿だった。
 彼――〈賢者〉クレラントは瓦礫の山を蹴飛ばしながら平然とリグに歩み寄る。
 その顔にはへらへらと軽薄な笑みが貼り付けられたように浮かんでいた。

「貴様の仕業か?」
「うん。そうだよ」
「何者の差金か。公教会か? 答えよ」
「公教会? いやいや、全然関係ないよ。僕が僕自身の意志で勝手にやったのさ。そいつが邪魔だったんでね」

 と、クレラントは死体――総主教だったものを指し示す。
 そこには何の感慨もない。言葉通り、彼にとっては邪魔なゴミを捨てたくらいの意味しかない。

「何者であろうが、魔王イブリス卿の復活を阻むものには死あるのみ」
「おーっと、ちょっと待ったちょっと待った。君は僕に大変な誤解をしているぜ」

 クレラントは両手を突き出して落ち着きを促す。そこにリグへの敵意はない。つまり、総主教だけが邪魔だったということ。

「――どういうことか?」
「そのままの意味さ。僕は魔王イブリスの復活を邪魔する気なんて全くない。あるわけがない。むしろ逆さ。僕が魔王のヤツを叩き起こした張本人なんだぜ?」
「――――、」

 クレラントはあまりに平然と言う。時と場合によれば狂人と判断されてもおかしくはないだろう。
 だが、リグはぴくりとも表情を変えなかった。

「貴様は、何者だ」
「クレラント。……ああ、世間は〈賢者〉って呼んでるらしいねぇ?」

 リグはにわかに息を呑む。
 魔王を封印したとされる魔術師が、なぜ。三百年前に活躍した魔術師がどうして今も生きているのか。そんな疑問を抱いていることがありありと分かる様子であった。

「そうさ。僕が魔王を封印した張本人だ。だから、封印を弱める方法も知ってるってわけ。完全に解くには直接接触しないといけないとダメなんだけどね。誰がそんな面倒くさい仕様にしたんだか――まあ僕なんだけどさ。あの時は魔王に利用価値があるなんて思わなかったもんなー。一応は服従の刻印打っといたけどさ」
「――解せない」
「何が」
「なぜ、貴様がイブリス卿を復活させようとする?」
「なんだそんなことか。……うん、ちょっといい感じの使い魔が欲しくってねぇ。これでいいかい?」
「貴様――――」

 瞬間、リグはクレラントに向かって踏み込んだ。
 刹那、リグの影がクレラントの視界から掻き消える。

「おっ……」

 疾い。
 クレラントは咄嗟に掌をかざす。虚空に浮かび上がる透明の防壁がリグを阻み、彼女を近づけない。

「無駄だ」

 しかしリグは身をひねり、蹴り足を障壁に叩きこんだ。それだけで展開した防壁が掻き消える。
 ただの女の体術で、魔術による防壁が打ち消された。

「へぇ……」

 間違いない。リグの体術はすでに魔素を否応なく惹きつける域に達している。
 クレラントの無詠唱防壁はウルサスの一撃をゆうに受け止める。つまり、リグの一撃はそれを遥かに上回るということだ。
 フードの奥から暗い闇色の髪が覗く。リグは続けざまに足刀を抜き放ち、

「まあ、待ちなよ。僕を殺ったらまた封印が閉じるかもしれないぜ?」
「ッ――――」

 クレラントの一言でそれは止まる。
 脚絆に覆われたすらりと長い脚が、少年の首を刈ろうとしたまさに刹那のこと。

「僕が魔王イブリスを復活させようとするのは本気だよ。本気も本気さ。だから今日は君らに協力してほしくってね。挨拶しに来たんだ」
「――ならばなぜ彼を?」

 リグはゆっくりと足を降ろし、総主教の死体を指し示す。
 その顔に表情といえるものは一切うかがえない。

「いや、だから邪魔だったからさ。僕の他に上から指図するやつがいたら邪魔だろ?」

 リグは一瞬瞑目し、一歩下がる。
 そしてクレラントの前で跪いた。

「承知した。私は貴様に指示を仰ぐ」
「おっ、良いねえ。物分りがいいのは最高だよ」
「魔王イブリス卿の復活こそ悲願。なればこそ、首が替わる程度のことは問題ですらない。だが、私以外を納得させられないのならば貴様はそれまでだ」

 リグが淡々とそう言うのに、クレラントはへらへらと笑って頷く。

「そいつはぜんぜん心配しなくていいよ。こうすればいいだろ?」

 彼は自らの顔をそっと撫でる。瞬間、彼の相貌は総主教の老いさらばえた顔に様変わりした。
 さらに身体を叩けば骨格も変形する――傍目には総主教本人と全く見分けがつかなくなる。

「……うむ。では命令通りに頼むぞ、戦士長リグよ」
「――貴様に名前は伝えていないはずだが」
「ああ。僕は聞いていないね。でも、"総主教"は知っている」

 クレラントは顔だけを元に戻してニヤッと笑う。
 ――入れ替わりの呪法。殺した人間にしか成り代われないという誓約こそあるが、その精度は完璧だ。知識、記憶、経験などの全てを含めても。

 身体も含めて元に戻りながら、クレラントはなんでもないことのようにリグに告げた。

「そうそう。下が動き出した後は僕のお供をして欲しいんだよ、リグ。君なら僕の足手まといにはならないだろうからねぇ」
「それがイブリス卿のより早い復活に繋がるのならば。――貴様が直接向かうのか?」
「もちろん。僕は人に任せるのが苦手でねぇ。自分で確認しないと気が済まないんだ」

 魔王を復活させたい。魔王復活のために動いてくれる人員が欲しい。そして彼らの動向を統制しておきたい。以上がクレラントの行動原理である。
 魔王を復活させてどうするのか? 決まっている――ユエラ・テウメッサにぶつけるのだ。
 そうでなくとも彼女の配下を皆殺しにするくらいは容易いだろう。その間、クレラントは彼女との勝負に集中できる。

「クレラント」
「うん。なんだい?」
「貴様は、人間を信じていないのだな」
「もちろんだよ。信じるに足る理由があるかい? 君もどうせ似たり寄ったりだろう? 魔王の復活なんか望んでさ、それでどうしようってんだい?」

 クレラントはためらいなく笑って言う。
 リグは問いかけに応じず、無言できびすを返して部屋を出て行った。
 クレラントはその背を見送りながら、はたと気づいたように水色の髪を掻きむしる。

「……あー。掃除しなきゃねぇ」

 クレラントは部屋の惨状をぐるりと見渡し、そして深いため息をついた。

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