NO.NAME

シロ紅葉

first day 2

 十二月下旬の冬の朝。二度寝して遅刻ギリギリの状況にもかかわらず文句一つなく待ってくれていた人物がいる。姫川茜。私と同じ中学に通っており、小学校からの親友。おとなびた雰囲気が印象的な女の子で、理想の女性ってかんじの人だ。
「ほんっとーにごめんね」
「ううん、そんなに待ってなかったから平気だよ」
 家を飛び出すなり開口一番、親友の茜ちゃんに謝ります。
「でも、彩葉ちゃんが寝坊だなんて珍しいね。夜遅くまで起きてたの?」
「いやー実は二度寝しちゃってさー。一時間だけ寝るつもりが寝すぎちゃったみたい」
「それでも彩葉ちゃんにしては珍しいね」
 そうなんです。私は普段二度寝や寝坊はめったにしないのです。けど、今日は朝の日差しのせいで二度寝してしまったのです。
 でも、その前に悪夢を見たような。それも最悪な部類の夢を。だけどその夢を今でも鮮明に覚えている。夢はすぐに忘れるはずなのに、あまりにも衝撃が強すぎたからなかなか頭から離れないだけなのだろうか?
「……ちゃん」誰かが呼んでいるような気がする。
「彩葉ちゃん!」
「へ、何?」
「どうしたの?急に黙り込んじゃって。朝、何かあった?」
 心配そうに声をかけてくれる茜ちゃんに対し、「何もなかったよ」と明るく返しました。
 私はそれ以上夢のことは考えず、茜ちゃんと他愛のない話をしながら寒い冬の中、学校へと向かいました

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