NO.NAME

シロ紅葉

first day

 眩しい日差し部屋中に差す、私はその日差しに反応して、目を覚ます。
「……まぶし」
 なかなか覚めない目をこすりながら体を起こす。
 時計を見るとまだ六時。私が普段起きる時間は七時なので、二度寝が出来る時間です。 
「……寝るかー」
 布団をかぶり直し、もう一度眠ることにしました。この行為が後に悲劇を生むとは知らずに。

 二階へと続く階段を地響きが駆け巡ります。あまりのうるささに目を覚ます私。それと同時に部屋の扉が蹴り開けられます。
「起きんかー」
「きゃあー‼」
 朝から部屋の扉を蹴り開けて起こしにくるシチュエーション。まるでアニメのような起こし方をしに来たこの人は、私の母です。
「もう何時だと思ってるの?」
 少し焦ったかのように尋ねてくる母に対して、すかさず時計をみる私。
 時計の針は短針が七、長針がもうまもなく三十を差そうというところです。つまり時間は午前七時三十分。
「うわあ、もうこんな時間、どうして起こしてくれなかったのよ」
「起こしたわよ。一回起こしに行って起きなかったからこうしてもう一度起こしに来てあげたのよ」
「だからってドアを蹴り開けなくてもいいじゃん」
「ふふん、一回やってみたかったのよねー」
 なんて言いながら満面の笑顔を浮かべる母。
「次からは普通の起こし方でお願いします」
「あら、目が覚めるかと思ってやったのに」
 今度はしょんぼりとして言う母。朝から表情のバリエーションが豊富だなあと思いながら、今何をするべきなのか思い出す。
「遅刻だー!!」
「あ、そうそう遅刻しそうだったから起こしにきたんだった」
「着替えるから出てっよー」
「出ていくから押さないでよ」
 背中をぐいぐいと押して母を追い出しすぐに冬用の制服に着替えます。
「茜ちゃんももうすぐ来るから早くするのよ」
 母の声がドア越しに聞こえてきます。
「やば、急がなきゃ」
 午前七時四十分。いつもならこの時間に朝食も食べ終え、学校に行ける準備が出来ているのだけど、今日は寝坊したせいで今から朝食です。
 いただきますのかけ声と同時に、少し古い感じのインターホンがなります。
「茜ちゃんが来たわよ」
「すぐ行くからちょっと待っててもらって」
 朝食のトーストを牛乳で流し込むように食べ、急いで玄関に行きます。
「茜ちゃんに謝っとくのよ」
「分かってる。じゃ、行ってきます」
 母の行ってらっしゃいの声を背に、急いで外に飛び出しました。

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