引きこもり姫の恋愛事情~恋愛?そんなことより読書させてください!~
引きこもり虫と女王の襲撃
「おい止まれ!」
はい、止まります。後ろを歩いていた月海が背中に激突してきた。ごめんよ。
おはようございます。下駄箱の凛音です。コップのフチ子みたい。
「お前だな琴音を虐めてるっていう犯人は」
ことね……ことね〜。あ、女王様か。風柳フォローサンキュー。
そしてこれは小説で読んだことあるぞ。あらん疑いかけられてるし。
よし。ここはいっちょボケるか。
「何のことですか?」
「とぼけるな! 知ってるんだぞ。中学の頃は琴音を散々虐めて転校させた上に高校で再開した瞬間教室に連れ込んで数人がかりで殴ったとか。おかげで琴音はこんなにも泣いて」
「大丈夫ですよ先輩。私……全然怖くないですから」
あ、女王様昨日振りです。ところで男子数名に囲まれてるんですが誰ですか?
「ここの生徒会役員共だよ凛音」
へえ〜。にしても風柳よく知ってるね。あ、私が知らないだけ? さいですか。
「話をすり替えるな! さっさと琴音に謝って退学しろ。琴音は優しいからそれだけで許してくれているんだぞ!」
許すも何も無実だから。冤罪だぁ! わー!
「……行くよ凛音。こいつら関わると更に面倒」
「あ、うん。それじゃあさよなら」
「待てよ!」
バン! と押されて思いっきり地面にダイブ。わぁお膝が擦りむけてるぅ。
「はっ。良い様だな。さっさと謝らないのがいけないんだよ」
と言って取り巻きの一人が私の手を踏もうとしてきた。その足を違う足が蹴ったけどね。
「何やってんだてめえら」
「あ? 環?」
おや佐藤くん。お久しぶりです。元気してましたか? え? 一昨日会ったばっかり? いやぁハハハ冗談ですよハハハ……
「男が無抵抗な女子痛めつけて笑ってるなんて性根が腐ってんじゃねえのか?」
「な……っ! こいつは琴音をいじめて」
「どこにそんな証拠があんだよ。こんな自分可愛さに溺れてる奴の言葉だけに惑わされる生徒会長なんてこの学校終わったな。
立てるか? 根尾」
「ああどうも」
取り巻き達が叫んでるけど丁度佐藤くんの大きい体に隠れて何も見えません。あれ? なんか黒いオーラが向こうから。
「ああ気をつけた方が良いぞお前ら。こいつにも過激なファンがいるからな」
「……はい?」
「私達の根尾様に何傷作らせてんのよ!」
「さっさと消えろ勘違い男共!」
……フーアーゼイ?
「文化祭以来お前の男装姿にハートを射抜かれた奴らだ」
「ファンクラブだよ凛音」
「おい私知らんぞ」
「そりゃあさっさと帰って書庫で本読んでたし。あ、因みに私も入ってるよ」
「何故!?」
なんでってそりゃあ……的な目をすんじゃねえよ。
全く本人がいないところで勝手なことしてくれちゃって。気にしてないけどさ。
「それよりさっさと教室行くぞ。こいつらに構ってる暇なんて無いんだから」
「あ、うん」
ありがとねファンさん達。おかげで逃れられました。そしてさようなら。
「ひでえ」
「黙れ」
こう見えて私は受験生でございます。結構慌ててんだぜ。文学部なんてレベルの高い所が多いんだから。
因みに教室に着いても誰も私を罵って来ません。いやぁ凄いね受験パワー。
「そんなこと言ってないで早く席着こうよ」
「そだねー」
うん。どうしてこうなった。
「えー今日は神崎先生がお休みの為、体育は合同でやりたいと思います」
うん分かるよ先生。普通の国数とかは置いといて体育は一緒に出来ること多いもんね。でもね先生。
「あの電波女がまさか一緒だとは」
「月海、凄い言いよう」
相も変わらずクラスの男達に囲まれてチヤホヤされている女王の姿が。あら凄い。
転校早々に女子達から超ハブられてる。嫌いな人は多いんだね。
「それではバスケをやります。さっき言ったチームに分かれてください」
わーい月海と一緒だ。女王は……あ、初っ端から対戦しますよ。
「それでは試合始め!」
はあ〜あんまり得意じゃないんだよね運動。桃李兄さん直伝の影薄……あ、はい分かりましたから月海さん睨まないで。
月海って身長があれなのにバスケめっちゃ得意なんだよね。すばしっこい。で、女王は守られてばっかで動かないから足でまとい。
やったね、勝ってるよ。私も何もしてないけど。
「凛音動け! はい、パス!」
えーボール渡すなよ。あ、でもゴールに誰もいない。ラッキー。あ、ドリブルくらいは出来……カタカナ多いな。
「いけ凛音ー!」
わー……あれ?
ドン!
「う……っ!」
誰かにぶつかられた。ディフェンスにしてはなんか手厚いな。と、先生の笛の合図が聞こえた。
「何してるの!」
いや私も理解できな……ってあれ、先生が怒ってるのって女王じゃん。
「先生……先輩が私のことを突き放して」
「何を言っているの天龍寺さん。あなたが急にぶつかってきたんでしょ。さあ謝りなさい」
呆然としている私の横に月海が寄ってきた。
「大丈夫凛音。足」
「足……うっわ」
何これ凄い腫れてる。これ今の? どんだけ重心かければこんなになるの?
「先生私は何もしてません! 全部彼女が」
「何言ってんのあなた。先輩にぶつかったのあんたじゃない。ここにいた全員見てたからね」
「そんな……み、皆この人に操られてるのよ!」
様子を見ていなかった別コートの男子生徒達が女王様を庇おうとした。女子の睨みで一網打尽だったけど。怖いよね女って。
「……はあ。とにかく凛音、保健室に行こう。その足じゃ歩けないか。おぶってあげる」
「不安」
「あ?」
「俺が連れてく」
え? うわぁ! あ、佐藤くんか。お姫様抱っこって透さん以外にされないからびっくりした。
見られてますよ恥ずかしいですよ別に気にしては無いけど。
はい、止まります。後ろを歩いていた月海が背中に激突してきた。ごめんよ。
おはようございます。下駄箱の凛音です。コップのフチ子みたい。
「お前だな琴音を虐めてるっていう犯人は」
ことね……ことね〜。あ、女王様か。風柳フォローサンキュー。
そしてこれは小説で読んだことあるぞ。あらん疑いかけられてるし。
よし。ここはいっちょボケるか。
「何のことですか?」
「とぼけるな! 知ってるんだぞ。中学の頃は琴音を散々虐めて転校させた上に高校で再開した瞬間教室に連れ込んで数人がかりで殴ったとか。おかげで琴音はこんなにも泣いて」
「大丈夫ですよ先輩。私……全然怖くないですから」
あ、女王様昨日振りです。ところで男子数名に囲まれてるんですが誰ですか?
「ここの生徒会役員共だよ凛音」
へえ〜。にしても風柳よく知ってるね。あ、私が知らないだけ? さいですか。
「話をすり替えるな! さっさと琴音に謝って退学しろ。琴音は優しいからそれだけで許してくれているんだぞ!」
許すも何も無実だから。冤罪だぁ! わー!
「……行くよ凛音。こいつら関わると更に面倒」
「あ、うん。それじゃあさよなら」
「待てよ!」
バン! と押されて思いっきり地面にダイブ。わぁお膝が擦りむけてるぅ。
「はっ。良い様だな。さっさと謝らないのがいけないんだよ」
と言って取り巻きの一人が私の手を踏もうとしてきた。その足を違う足が蹴ったけどね。
「何やってんだてめえら」
「あ? 環?」
おや佐藤くん。お久しぶりです。元気してましたか? え? 一昨日会ったばっかり? いやぁハハハ冗談ですよハハハ……
「男が無抵抗な女子痛めつけて笑ってるなんて性根が腐ってんじゃねえのか?」
「な……っ! こいつは琴音をいじめて」
「どこにそんな証拠があんだよ。こんな自分可愛さに溺れてる奴の言葉だけに惑わされる生徒会長なんてこの学校終わったな。
立てるか? 根尾」
「ああどうも」
取り巻き達が叫んでるけど丁度佐藤くんの大きい体に隠れて何も見えません。あれ? なんか黒いオーラが向こうから。
「ああ気をつけた方が良いぞお前ら。こいつにも過激なファンがいるからな」
「……はい?」
「私達の根尾様に何傷作らせてんのよ!」
「さっさと消えろ勘違い男共!」
……フーアーゼイ?
「文化祭以来お前の男装姿にハートを射抜かれた奴らだ」
「ファンクラブだよ凛音」
「おい私知らんぞ」
「そりゃあさっさと帰って書庫で本読んでたし。あ、因みに私も入ってるよ」
「何故!?」
なんでってそりゃあ……的な目をすんじゃねえよ。
全く本人がいないところで勝手なことしてくれちゃって。気にしてないけどさ。
「それよりさっさと教室行くぞ。こいつらに構ってる暇なんて無いんだから」
「あ、うん」
ありがとねファンさん達。おかげで逃れられました。そしてさようなら。
「ひでえ」
「黙れ」
こう見えて私は受験生でございます。結構慌ててんだぜ。文学部なんてレベルの高い所が多いんだから。
因みに教室に着いても誰も私を罵って来ません。いやぁ凄いね受験パワー。
「そんなこと言ってないで早く席着こうよ」
「そだねー」
うん。どうしてこうなった。
「えー今日は神崎先生がお休みの為、体育は合同でやりたいと思います」
うん分かるよ先生。普通の国数とかは置いといて体育は一緒に出来ること多いもんね。でもね先生。
「あの電波女がまさか一緒だとは」
「月海、凄い言いよう」
相も変わらずクラスの男達に囲まれてチヤホヤされている女王の姿が。あら凄い。
転校早々に女子達から超ハブられてる。嫌いな人は多いんだね。
「それではバスケをやります。さっき言ったチームに分かれてください」
わーい月海と一緒だ。女王は……あ、初っ端から対戦しますよ。
「それでは試合始め!」
はあ〜あんまり得意じゃないんだよね運動。桃李兄さん直伝の影薄……あ、はい分かりましたから月海さん睨まないで。
月海って身長があれなのにバスケめっちゃ得意なんだよね。すばしっこい。で、女王は守られてばっかで動かないから足でまとい。
やったね、勝ってるよ。私も何もしてないけど。
「凛音動け! はい、パス!」
えーボール渡すなよ。あ、でもゴールに誰もいない。ラッキー。あ、ドリブルくらいは出来……カタカナ多いな。
「いけ凛音ー!」
わー……あれ?
ドン!
「う……っ!」
誰かにぶつかられた。ディフェンスにしてはなんか手厚いな。と、先生の笛の合図が聞こえた。
「何してるの!」
いや私も理解できな……ってあれ、先生が怒ってるのって女王じゃん。
「先生……先輩が私のことを突き放して」
「何を言っているの天龍寺さん。あなたが急にぶつかってきたんでしょ。さあ謝りなさい」
呆然としている私の横に月海が寄ってきた。
「大丈夫凛音。足」
「足……うっわ」
何これ凄い腫れてる。これ今の? どんだけ重心かければこんなになるの?
「先生私は何もしてません! 全部彼女が」
「何言ってんのあなた。先輩にぶつかったのあんたじゃない。ここにいた全員見てたからね」
「そんな……み、皆この人に操られてるのよ!」
様子を見ていなかった別コートの男子生徒達が女王様を庇おうとした。女子の睨みで一網打尽だったけど。怖いよね女って。
「……はあ。とにかく凛音、保健室に行こう。その足じゃ歩けないか。おぶってあげる」
「不安」
「あ?」
「俺が連れてく」
え? うわぁ! あ、佐藤くんか。お姫様抱っこって透さん以外にされないからびっくりした。
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