引きこもり姫の恋愛事情~恋愛?そんなことより読書させてください!~

雪桃

閑話 ポッキーゲーム

「今日は何の日だ?」
「読書の日」
「あんたにとってはな。じゃあ今日は何日?」
「十一月十一日」
「と言ったら?」
「読書の日」
「ぶっ殺されたいのか!」

 何でキレられてんのさ私。月海だって年中無休で私が本読んでること知ってるくせに。

「今日はポッキーの日よ、ポッキー! それくらいは常識よ!」
「ポッキーは知ってる」
「知らないとか言われたら私はどうしたら良かったんだよ!」

 ポッキー。あの有名なチョコが付いた棒のお菓子。あ、なるほど。今日は一が並ぶ日だから文字ってんのね。

「プリッツとかトッポでも良くない?」
「シャラップ! とにかく今日は皆でポッキーゲームよ!」
「何それ」
「付いてくりゃ分かる!」

 えー読書したいのにー。



 と、いうわけで。

「まずは根尾から!」

 まあ月海は家に来たわけだしね。華ちゃんとまこちゃんがいなかったらどうするつもりだったんだろう。

「ポッキーゲーム? 良いけど誰と誰がやるの?」

 なんと華ちゃんこのゲームを知っていました。箱入りなのに。

「とりあえずお二人でやってちょうだいな。私と凛音は傍観」
「「おっけー」」

 なんでノリノリなんだろう。

「じゃあ華、咥えてて」
「ふぁーい」

 なんで恥じらい無しなんだろう。
 そして月海は何ビデオカメラ回してんだ。

 ポリポリポリポリ

 あーあー近づいていくー。華ちゃんのファーストキスがまこちゃんに取られていくー。

 パキン!

 ……おや?

「別にキスしなくても良いんだよね?」
「うん。でも面白かったのにな〜」
「まこちゃん〜私もポッキー食べたかった〜」
「大丈夫だよまだあるから」

 ポッキーゲームってよく分からんゲームだな。
 時間も無いから次へゴー。

「御子柴家〜……誰と誰がやんのさ」
「え? 私以外……」

 男同士ということにお気付きか月海よ。

「どうすんのさ。私はビデオカメラ係なんだけど」
「私やってあげようか?」
「断る」
「why」

 というわけで腐女子さん達、これからお楽しみくださいな。

「桃李ちゃーんどこー」
「そこにいるからね月海」
「え? うわぁ!!」

 月海の後ろにニコニコ顔の桃李ちゃん。ついでに風柳もいました。

「どうしたの月海。今日は凛音のところに行くって言ってなかったっけ?」

 そんなことを言っていたんかいお主は。こちとら読書タイムを削られてイライラしてんだぞ。目だけで訴えてみるか。あ、無視された。

「二人でポッキーゲームをして欲しいの」
「誰と誰?」
ふうりとうりちゃん

 二人の上に疑問符が浮かび上がってるのが丸見えなんだけども。うんまあそうだよね。
 別にミッション的なの出てないわけだしこんな一部にしか喜ばれないようなことね。

 あ、ちなみにこの二人もそこそこの美男子ね。月海の兄弟なら大体予想つくだろうけどね。

「良いじゃん。どうせ非リアでしょお二方。リア充滅びろ」
「それ今関係ないよ月海」

 ポッキーは私が持ってる係らしい。月海がビデオカメラなら必然的にそうなるわな。
 一本外に出して手渡す。

「じゃあさっさと終わらせちゃおうか。風柳、咥えて」
「僕が食べる」
「え? いやで……」
「食べる」

 ポッキーゲームで食すこと考えるなよ。まあ受け身の人は食べれないけどさ。

「分かったよ。はい」

 風柳の目がギランと光る。おーいポッキーならまだあるぞー。

 サクサクサクサクサク

 速い速い。モルモットか貴様は。え? でもこのまま行ったらさ。

「!?」
「んー」
「「うぇ?」」

 あ、あの風柳さん? 唇ついていますよ? 舌も絡まっていますけど。桃李兄さんがビシビシ叩いておりますが。

「ふ、ふう……ちょ、ま、待てって」
「おお。桃李ちゃんが慌ててる。珍しい撮っとこ」
「止めろよ」

 私? 私は傍観に徹するさ。もし止めたりなんかしたらこっちが餌食に遭う。

 ――――数分後。

「兄ちゃんが食った分も欲しかったんだけど見つからなかった」
「あれって舌で探ってたの?」

 月海がカメラで動きを観察している。

「桃李兄さん大丈夫?」
「か、軽く何かを奪われた……」

 うん。分かるよその気持ち。しかも桃李兄さん影薄いせいでそういうのに関わって来なかったもんね。
 いつもは皆のを傍観していた側だもんね。

「ねえ風柳。桃李ちゃんの舌ってどうだったの?」
「処女みたいだったよ。息苦しそうにしながら舌引っ込めてそれを絡め取られて」
「風柳分かった。分かったからやめてくれ」

 流石に可哀想だったので月海を引き連れて六条家へ。


「……行かなきゃ駄目?」
「まあここまで来たらね。読者さんだって気になるだろうし。何より近親相姦の家だし」

 それは偏見だよ月海。吉宗兄さんはちゃんとした人間です。いや。ていうかそこを抜かしたら全員優等生だからね?

「どっちから行く?」
「正ちゃん怖いし先に麗ちゃんと吉ちゃん」

 と、いうわけで

「ポッキーゲームして!」
「良いよ! さあ吉宗ちゃ」
「「なんでノリノリなんだよ」」

 うーんこの二人確実に計画を練ってた気がする。月海がやらないなら麗子姉さんが的な。

「良いじゃん良いじゃん。ほら吉宗ちゃん。あーん。それかまたレイプするわよ」
「…………」

 大きく溜息を吐いてクッキーの部分を食む。

「レッツシェアポッキー!」
「ポッキー!」
((だから何でこんなノリノリなんだよ))

 麗子姉さんがポッキーに口をつける。と、同時に吉宗兄さんが姉さんの唇スレスレの所まで口を持っていきポッキーを齧った。

 パキン!

「別にキスしなきゃいけないなんて言われて無いし、これで良いだろ」
「え、う、うん。まあ……良いよ」

 わあ凄い。その手があったか兄さん。

「よ、吉宗ちゃん。私にこんなフェイントが出来るようになるなんて……や、やるじゃない」
「は?」
「こうなりゃ徹底的にやり返してやる。倍返しよ!」

 指をパキパキ鳴らしたと思ったら姉さんが兄さんに飛びついた。

「じゃあ最後にラスボス向かうか」
「ラスボス」

 でも正直正宗兄さんが応じてくれるとは思わないんだけど。ていうかあの人の周りって地雷で出来てると思うんだけど。

「まあ見られてる中でってのはね」
「やる意味ある?」
「ある」

 愛子姉さんの部屋へ突撃。

「正宗ちゃんとポッキーゲームぅ?」
「そそ。後二人だけだからやって欲しいの」

 愛子姉さんがポッキーを一本ハムスターみたいにカリカリする。え、なんで食べてんの?

「ビデオは駄目かもしれないわねぇ」
「やっぱり?」
「正直に言うとぉ。私もちょっと頼むのは怖いかなぁ」
「お願い愛ちゃん。妹の為だと思って」

 一応ビデオカメラも無しで二人きりになってのポッキーゲームを頼んでもらうことにした。
 やる意味ある?

「正宗ちゃぁん。今良いですかぁ?」
「どうしたの愛子。あれ、月海と凛音まで」
「正宗ちゃん久し振りぃぃ会いたかったぁぁ!」
「たぁ」

 月海を倣って正宗兄さんに抱きついてみる。
 えぇえぇ。兄さんとは出張やら学校やらで一ヶ月近く会っていませんでしたもの。

「久し振り二人とも」

 兄さんの体は大きいから私達なんてすっぽり収まります。一体何センチなんでしょうね?

「それでどうしたの?」
「ポッキーゲームをして欲しいらしいのぉ」
「ポッキーゲーム?」

 暗黙の了解で皆にやってもらってたけど兄さんルール知りませんでした。

 というわけで愛子姉さん説明中。その間私達はポッキー齧りながら兄さんに抱きついてスリスリしてました。

「ふーん」
「やって欲しいらしいんだけど……」
「愛子。部屋の中に入って。二人はちょっと待っててね」
「「はーい」」

 なんか今愛子姉さんの有無を聞かずに部屋に連れ込んでたけど

「わくわく」
「わくわく」

 で、聞こえてきたのは――――

「ちょ、ちょっと待って正宗ちゃん。こ、このゲームってもっとソフトなものでこんな過激なものじゃないのよ? ね、ねえお願い。い、入れちゃ嫌……ま、まさ……や、やあぁぁぁぁん!!」

「「……」」

 ガチャリとドアノブが音を立ててドアが開く。

「はい。終わったよ二人とも。それじゃあ僕と愛子は用事があるから」
「あ、うん。オシゴトガンバッテネ」
「ありがとう。じゃあね」

 パタンとドアが閉まる。

「凛音」
「うん」
「正宗ちゃんの肌すっごい健康体になってたんだけど」
「……うん」

 怒るよりもなんか怖かった。ああ……愛子姉さん御愁傷様です。










 翌日。
 透さん家に来ました。

「はい。ポッキーゲームのネタです」
「わざわざ撮ってきてくれてたの? ……愛子さんと正宗さんの所は」
「触れちゃいけないところです」
「だよね」

 そこはもう透さんも理解したか。

「ところで凛音」
「はい?」
「僕もしたい」
「……御手柔らかに」

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