引きこもり姫の恋愛事情~恋愛?そんなことより読書させてください!~
引きこもり虫と王子様
三次元……というかこの世の中に興味の無い私でも分かる。
神宮寺透はイケメンだ。
インドア派と見えるが微かに焼けている健康そうな肌、さらさらの黒髪に女の子かと思う程長い睫毛を持っている二重の目。着物がまたお似合いですねはい。
そんな人と見合いなんて場違いだと普通の人なら恥ずかしがるのだろうけど生憎私にはそういう趣向はありません。
「はじめまして根尾凛音さん。神宮寺透です」
「あ、はじめまして、根尾凛音です。よろしくお願いします」
あらら先に挨拶されちゃった。礼儀知らずですみませんね。にしても神宮寺さんの斜め後ろにいる人――執事さんかな?――も凄い美形なんだけど。六条さん何て人と仲良くなってしまったのさ。
てか父さん、あんたは写真見たんだろう? 何で固まってんだよ。
「……父さん。父さんも名乗ってください」
「はっ!! り、凛音の父の根尾 近臣です。この度は我が娘を候補としていただきま、真に感謝してもしきれないというか……」
……父さん、緊張しすぎ。神宮寺さん困ってんじゃん
「そ、その何と言うか凛音は人付き合いがあまり得意では無いので迷惑をかけますでしょうがどうぞよろしくお願いします。で、では早速二人でご談笑を……」
「え?」
逃げるなぁ!! チキンが――!!
まこちゃん、華ちゃん! 父さんを連れ戻してこい! あ、まこちゃんが視線に気づいてくれた。
「……すいません本当に。父が帰ってくるまで何かお話でも」
「あ、そうですね。凛音さんご趣味は?」
「読書です」
引きこもりになる程ね。
「そうなんですか。僕も読書は好きですよ。まあ小説家なんで嫌いだったらあれなんですけどね」
イケメンの割に気さくな人だな。ああでも麗子姉さんが男は外見で騙されちゃいけないって言ってたし。
「凛音さんは十七歳だと聞きました。僕は今二十二歳なのですが年の差というものはあまり気にしない方なのでしょうか? 見合いの話を聞いてくれるなどと思っていなかったので」
年の差も何も私に拒否権を与えてくれませんでしたよあいつら。気にしないのは事実ですが。
「そうですね。私は容姿や年齢などは厭いません」
読書が出来ればいいからね
「それでは……っと、僕の質問ばかりですね。凛音さんも何か聞いておきたいことはありますか」
「……では、神宮寺さんは家事もしない、夫に尽くさない、ただひたすら引きこもって本を読んでいる女性と結婚したいですか」
「はい?」
カミングアウトを速攻させていただきました。
「……引きこもるのは良くないと思いますよ。日向にあたりながらの読書の方が断然気持ちがいいです。それと夫に尽くさないというのは遠出をしたり一緒の時間を優先したりということでしょうか」
「まあそんなところです」
流石に結婚したら最低限のことはしますよ。そんな二十四時間読書してるわけでもありませんし。本を持ち込んで良いのなら同じ部屋で寝てもいいですし。
にしても日向ぼっこしながらの読書か。確かに気持ちよさげだが……
家は郊外だから工事だなんだとうるさいんです。
「で、それを踏まえて結婚したいですか?」
「はい、でなければ申し込もうとしませんよね?」
……今肯定した? えーっと私の性格知った上での言葉なんだろうね。うん。
「僕は面倒くさい性格ですがあなた以上に僕の理想の相手はいません」
「……はい、ちょっとお待ちください。噂でご存知でしょうか? 私は三家の中で問題児扱いです。読書以外は何も感銘致しません。家事だって放棄します。数週に一回……いえ、もしかしたら数日に一回は旦那様を放棄します。絶対」
「知ってますよ。それも六条家の方から聞いているので」
え、全部知っての見合い? どうしよう混乱してきた。
とりあえず深呼吸。スーハースーハー……よし。
「神宮寺さん、お聞きしてもよろしいですか?」
「はい」
「私を選んだ動機を教えてくださいませ」
「分かりました。ではあなたのことを知る前のことからお話させていただきます」
神宮寺透はイケメンだ。
インドア派と見えるが微かに焼けている健康そうな肌、さらさらの黒髪に女の子かと思う程長い睫毛を持っている二重の目。着物がまたお似合いですねはい。
そんな人と見合いなんて場違いだと普通の人なら恥ずかしがるのだろうけど生憎私にはそういう趣向はありません。
「はじめまして根尾凛音さん。神宮寺透です」
「あ、はじめまして、根尾凛音です。よろしくお願いします」
あらら先に挨拶されちゃった。礼儀知らずですみませんね。にしても神宮寺さんの斜め後ろにいる人――執事さんかな?――も凄い美形なんだけど。六条さん何て人と仲良くなってしまったのさ。
てか父さん、あんたは写真見たんだろう? 何で固まってんだよ。
「……父さん。父さんも名乗ってください」
「はっ!! り、凛音の父の根尾 近臣です。この度は我が娘を候補としていただきま、真に感謝してもしきれないというか……」
……父さん、緊張しすぎ。神宮寺さん困ってんじゃん
「そ、その何と言うか凛音は人付き合いがあまり得意では無いので迷惑をかけますでしょうがどうぞよろしくお願いします。で、では早速二人でご談笑を……」
「え?」
逃げるなぁ!! チキンが――!!
まこちゃん、華ちゃん! 父さんを連れ戻してこい! あ、まこちゃんが視線に気づいてくれた。
「……すいません本当に。父が帰ってくるまで何かお話でも」
「あ、そうですね。凛音さんご趣味は?」
「読書です」
引きこもりになる程ね。
「そうなんですか。僕も読書は好きですよ。まあ小説家なんで嫌いだったらあれなんですけどね」
イケメンの割に気さくな人だな。ああでも麗子姉さんが男は外見で騙されちゃいけないって言ってたし。
「凛音さんは十七歳だと聞きました。僕は今二十二歳なのですが年の差というものはあまり気にしない方なのでしょうか? 見合いの話を聞いてくれるなどと思っていなかったので」
年の差も何も私に拒否権を与えてくれませんでしたよあいつら。気にしないのは事実ですが。
「そうですね。私は容姿や年齢などは厭いません」
読書が出来ればいいからね
「それでは……っと、僕の質問ばかりですね。凛音さんも何か聞いておきたいことはありますか」
「……では、神宮寺さんは家事もしない、夫に尽くさない、ただひたすら引きこもって本を読んでいる女性と結婚したいですか」
「はい?」
カミングアウトを速攻させていただきました。
「……引きこもるのは良くないと思いますよ。日向にあたりながらの読書の方が断然気持ちがいいです。それと夫に尽くさないというのは遠出をしたり一緒の時間を優先したりということでしょうか」
「まあそんなところです」
流石に結婚したら最低限のことはしますよ。そんな二十四時間読書してるわけでもありませんし。本を持ち込んで良いのなら同じ部屋で寝てもいいですし。
にしても日向ぼっこしながらの読書か。確かに気持ちよさげだが……
家は郊外だから工事だなんだとうるさいんです。
「で、それを踏まえて結婚したいですか?」
「はい、でなければ申し込もうとしませんよね?」
……今肯定した? えーっと私の性格知った上での言葉なんだろうね。うん。
「僕は面倒くさい性格ですがあなた以上に僕の理想の相手はいません」
「……はい、ちょっとお待ちください。噂でご存知でしょうか? 私は三家の中で問題児扱いです。読書以外は何も感銘致しません。家事だって放棄します。数週に一回……いえ、もしかしたら数日に一回は旦那様を放棄します。絶対」
「知ってますよ。それも六条家の方から聞いているので」
え、全部知っての見合い? どうしよう混乱してきた。
とりあえず深呼吸。スーハースーハー……よし。
「神宮寺さん、お聞きしてもよろしいですか?」
「はい」
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「分かりました。ではあなたのことを知る前のことからお話させていただきます」
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