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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

番外編 『クランクアップ』


「はぁーい、どうもこんにちは〜。
 ここまでチャットシリーズもとい、『チャット始めたら、危ない女が現れた』を読んで下さり、ありがとうございます。
 この物語では『メインヒロイン』の最強彼女こと、恵梨香です。これから少しのお時間になりますが、よろしくお願いします」

「どうもこんにちは。
 同じく、同シリーズのメインヒロインになれなかったサブヒロインであり、負け犬こと朱里です。今作品のヒロインにはなれませんがこれを読んでいる読者にとってのメインヒロインになりたいと思ってます!」

「いや、ちょっと待って待って。
 朱里ちゃん、そんなに僻まなくても……。それともう一つ、読者に媚売るな!」

「サブはどんなに頑張ってもサブのままですからね。メインにはなれないんですよ。だから読者人気だけは総ナメにしてやるんです。そして私だけのスピンオフ作品『ザ・朱里』を連載して貰うんですよ!」

「……何も言えない」

「あ、少しだけ今更感あるんだけど、こんにちはってミスじゃない? 一応、この番外編というか特別編になるのか分からないけどお昼に読んでる人はいないかもしれないし」

「適切か適切じゃないかは人それぞれだからと思いたいけど、こんにちはだけというのは朝や夜に読む方に配慮できてないから一応、全部の挨拶言っておいた方がいいんじゃないかってこと?」

「うん。そうだよ。じゃあ、私から言うよ。
 どうも皆様。最強に可愛く、皆の嫁にしたいランキング第一位に選ばれた選りすぐりの女こと、朱里です。
 皆様方どうぞよろしくお願いします。
 あ、忘れてました。どうもおはようございます。こんにちは。こんばんは」

「朱里ちゃん……挨拶をするのが目的だったのに寧ろそっちが付け加えられてるよ!」

「あのさっきからずっと思ってたんですけど本当にこの人選ってミスじゃないですかぁ?
 明らかに。絶対的に。徹底的に。
普通ここは恵梨香さんと岬さんペアが楽しく昔話でもしながら会話するのが得策だと思うんですけどねぇ〜」

「まぁまぁそう言わないでよ、朱里ちゃん。一応この人選は作家様があんまり接していなかったキャラ同士を喋らせてみたいという御希望で決まったんだからさ」

「御希望って……。というかキャラ同士の会話とか、作家様という言葉を使っても大丈夫なんですかね?
 感想欄に『世界観台無し』とか『つまんね』とかいう言葉が寄せられますよ」

「まぁー確かにあるかもしれないけど、クランクアップって書いてあるし、大丈夫でしょ。本当はこういうのって作品が全部終わってからするべきだと思うんだけど、色々と事情があってこちらが先になってしまったんだよね」

「色々と事情……聞きたいような聞きたくないような……」

「聞きたいなら聞かせてあげるよ」

「い、いや良いです。どうせ、執筆が出来てないだけというのがオチだと思うので」

「正解! よく当てたね。朱里ちゃん、凄いよ。
 名探偵だよ! よっ、名探偵朱里!」

「おぉー嬉しい嬉しい。あ、名探偵と言えば、私が真弓さんの家に行った時の回は覚えていますか?」

「覚えてるも何もアレは強烈なシーンだからね。
 特にじゃんけん」

「じゃんけんは別腹。他だよ他。最後のクローゼットの中にあったものだよ」

「あぁーそれかぁー。アレって一体全体何だったの?」

「まぁーそれは最終回に判明です」

「上手いね。次回が気になって気になって仕方ないよ。
 でも何かあのシーンって事の重大さは大きかったみたいなこと言ってたよね」

「まあまぁーそこは上手く説明は出来ません」

「えぇー。聞きたい聞きたい」

「教えません。それよりも本当に最終回で最終回になるんですか? この物語。あまりにも伏線書きまくって、全部の伏線回収出来ませんでしたってオチだったら絶対叩かれますよ」

「そ、それは……何とも……」

「どうせ、作家様の事だから。現実と同じ様にフィクションにも分からないことだらけだ。とか言って、丸投げしそうですよね」

「それは何とも言えません。作家様は書き始めは順調なのに終わりはグダグダだからさぁ……」

「それってただの計画性が無いだけなんじゃ?」

「まぁーそうかも。でも一応、色々と考えてはいるみたいだし。安心安心」

「ラクチンラクチンの間違いでしょ?」

「え、えぇーとそれは……」

「まぁ、それは置いといて。それで今回の集まりって元々何なの?」

「集まりって言っても、私と朱里ちゃんしか居ないけどね。
改めて言うとね、これは『チャットシリーズ』に関する話をしても良し、普通に雑談しても良しというフリートークスタイルの企画です! パチパチパチパチ」

「うわぁー、初めて見たよ。自分一人で拍手の効果音入れる人」

「ちょっと恥ずかしいから言わないでよ! まぁーいいや。
 簡単に言うならばドラマとかの最終回って特番とかあるじゃない? 出演者とかがこの作品について語るみたいな。俗に言うとそういうことがしたいんだよね。
 でっ。朱里ちゃんが一番このシリーズで印象に残ってるシーンは何?」

「んー。やっぱり、アレだね。アレアレ。
 渚夕こと――主人公が二股してたみたいな事を告白する回だね」

「あぁーアレは思い出しただけでも怒りが込み上げてくるよ。ずっと私は夕君だけを見てたのに、夕君ったら……」

「恵梨香ちゃん。怖いから包丁を出さないで!
 とりあえず、しまって! そうしないとフリートークも何もできないよ!」

「あぁーごめんごめん。朱里ちゃん。思い出しただけで怒りが」

「そこは包丁でしょ。まぁーそこは置いといて、あのシーンって本当に有り得そうで怖いよね?」

「ん? 有り得そうって?」

「だからさ。自然消滅していると思っていたけど相手はそう思っていなかったみたいな」

「あぁーなるほど。現実的に有り得そうか有り得ないかと言われたら疑問が残るところだけど……」

「えぇーだってSNSの中だけ恋人同士みたいな人って結構いるじゃん?」

「あぁーアレかぁー。でも確かにそういうのあるかもね。
フォロワーを友達と勘違いするパターンと同じぐらいで一定数はそんな人もいるんじゃない? 極一部だと思うけど」

「そうそう、そこまで多くは無いと思うけどね。
 あのさ、この話の軸になったというかこの作品を書くに当たって何をテーマにしたか分かる?」

「えぇー。全然分からない。というかそんなことまで言っていいの?」

「別に良いんじゃないかな。もう次が最終回だし。
 最終回の後にこんな話をされても誰も読んでくれないと思うし」

「た、確かに……、あ、PV回数二十万回突破ありがとうございます」

「うわぁ! 言っちゃった! それ言っちゃいけないやつでしょ! それは最終話の後書きで書くつもりだったのに……」

「ま、マジか……。ごめんなさい、作家様」

「寛容な御方だから安心して大丈夫だよ。朱里ちゃん」

「ねぇー恵梨香ちゃん。あのさ、作家様って絶対可哀想な人だよね? 正直同じ学校や職場にいたら絶対関わりたくない。だってこの作家って自分の創り上げたキャラ達に自分を崇めさせてるし……おまけに会話させてるんだよ。それって人形遊びみたいじゃない?
 しかも――(作家の事情により編集を加えさせて頂きました)」

「あのね。朱里ちゃん。言っていいことと言っちゃいけないことがあるんだよ。それとそういう作家イジリをするのは『ダンゴ』の専売特許だからやっちゃイケないルールが」

「ねぇ、『ダンゴ』って何?」

「あぁーダンゴっていうのは『男子高校生五人組が〜』っていう作家様が描くもう一つの物語だよ」

「へぇー。もう一つの物語ねぇー」

「ちなみに夕君はこの作品にゲスト出演することが決定しているんだよー。まぁ、番外編としての出演だけどね」

「そんなことして本当にいいの? 他の作品とコラボってかなりリスキーだと思うけど……」

「大丈夫大丈夫! 原作の方に入れるのは馬鹿としか言い様が無いけど、番外編なら出しても誰も文句は無いはずだから」

「まぁーそうなのかなぁ? でも同じ作家が書いてたらこんなコラボができるから面白いね! 革命的だね」

「正直こういうコラボの為に作品を書いてきたって作家様は言ってたよ」

「あ、それよりさ。早くチャットシリーズのテーマになったもの教えてよ」

「そ、それはね……『サイコホラー×恋愛』というのを軸に書いてたらしいよ」

「あぁーなるほど。それでこんな作品になったんだね。
で、でも……何故SNSを入れたの?」

「あぁーそれはSNSの方が読者に対して親近感が湧くかなぁ〜って思ったたらしいね。もしかしたら誰にも起こり得るかもしれないじゃない?
 それに誰か分からない人から突然好かれるって話は恐怖があるからインパクトあるかなって思ったらしい」

「まぁー怖さは増すよね。でもあまりにも都合が良すぎる設定だね」

「そこは小説なんだから仕方ないよ」

「でもさ。ヤンデレ要素入ってるけどそれはなぜ?」

「あぁーそれはね。元々作家様がヤンデレ好きということと、ヤンデレが軸になっている作品って少ないからさ。
 作品の中でヒロインの一人にヤンデレキャラがいるっていうのは良くあるパターンなんだけどね。
 でも本音を言わせてもらうと現実よりのヤンデレストーリーってかなり少ないから需要あるんじゃないかなと思ったらしいよ。それにファンタジーにヤンデレ入れるとただのコメディーになっちゃうじゃん?」

「あぁー分かる分かる。主人公が包丁で刺されても適当に叫んではい、終わりパターンだよね。それと色々と現実よりのヤンデレ系物語を考えてみたけど確かに少ないね。
あるとしても某掲示板のショートストーリーぐらいかな?」

「そうそう、作家様はそのショートストーリーから色々と学んだからね。特にヤンデレ要素はここから基礎を学んだらしいよ。それとメンヘラ系のスレを熟読したり」

「なるほどー。こうして、病んでるキャラクターが生まれたわけですか」

「まぁ、そんな感じかな? それと参考にしたのは未来○記ぐらいかな? あー勿論ヒロインね」

「あのヒロインか。確かにヤンデレだったね。
 あ、そうだ。恵梨香ちゃん。ヤンデレってどう思う?」

「ヤンデレ? うーん。正直可愛いと思う反面、怖いと思うかな?」

「あぁーやっぱり言うと思った。私は絶対に断固反対だね。絶対にヤンデレは好きにはなれない」

「あぁー。やっぱり、この人選で良かったよ。
 もしも真弓ちゃんと朱里ちゃんが一緒だったら、何か事件が起きそうだし」

「そこまではしませんよ。流石に私でも!」

「……………………」

「……………………何か喋って下さいよ。話途切れたら、つまらないじゃないですか!」

「と言っても全然話が思いつかないからなぁ。あ、そうだ。これ言いたかったんだ。小説とかって一回目読む時と二回目読む時って面白さが違うよねってことを言いたかったんだった」

「全く関係ないことをふってきたね。フリートークだからそんな話でも良いけど。でもそれって分かる気がする。
 二回目は二回目の面白さがあるって奴だね」

「いやいや、違う違う。それもあるけど大半の作品は二回目は面白くないよ。特に読んだ期間を短くして読み返すと更にね」

「そ、そうかな?」

「うん。全く面白くなくて冷めちゃうんだよね」

「た、例えば?」

「普通に考えてこのシーン有り得ないだろとかこの会話つまらないよねぇーみたいな?
 あのときは面白かったネタとかも今思えばつまらないみたいな感じかな?」

「あ、でも分かるかも。その時は面白かったっていうのは分かる分かる。思い出補正があるのかもしれないね」

「思い出補正って何?」

「思い出補正っていうのは面白かったという思い出があるから面白く感じるだけで実際は面白くなかった作品も面白く感じること。特にこの現象は最初と最後だけ面白かった時に多々起こるよ」

「へぇー。思い出補正かぁー。そんな言葉があったんだ。知らなかった。でもそれは良く起こるよね。一度目は面白いと思ったものでも話が分かるから二度目は面白くないからね。特に面白かった作品程面白い場所は覚えてるからこの傾向に当てはまりやすい。逆につまらなかったと思う作品の方が二度目は面白い」

「つまらなかった作品……それは可哀想だね。二回目でやっと面白くなるって」

「一回目でも面白いと思う人はいるけど感受性の違いの問題でつまらなく感じたみたいなことだと思う。絵本とかが良い例だね。これ面白かったと思い、読み返したらそこまで? みたいな」

「なるほどー。それで何故この話をふってきたの?」

「それはね、『チャットシリーズ』を読み返してみた訳。
 そしたら……全く面白くなかったんだよね」

「うわぁー。それは酷い」

「一回目は確かに面白かった。だけど二回目はつまらなかった。何がつまらないって文字も幼稚な所が露骨に出ているんだよね。特に地の文とか。
 まぁ、逆に文章としては分かりやすいという利点もあるんだけどいつも同じ様な表現の仕方で面白くは無いかな」

「的確なコメントだね。流石はメインヒロイン!」

「メインヒロインですから! って、何言わせるのよ。朱里ちゃん……」

「へへっ、良いじゃないですか。恵梨香ちゃんはこんな役の方が似合っていますよ」

「そ、そうなのかな?」

「はい。そうです。一応健気な女の子キャラという設定ですから。主人公の為に頑張る女の子可愛いですよ。
 それに比べ私は……暴言と妄言を兼ね揃えたサブヒロインですからねぇ〜。もう困りますよ。
 だから私、決めたんですよね。もう私はメタキャラになるって。いや、面白系キャラになるって」

「ちょっと待って。朱里ちゃん。健気な女の子キャラ設定ですからねって言うのやめてよ。本当は違うみたいじゃない!」

「あぁーすいませんでした。一応謝っておきます。
 ごめんなさい」

「全く反省の色無しだけど許すよ。もう。そ、それよりさ面白系って……もうネタキャラだよね?
 さっき、メタキャラって言い間違いしてたよ」

「違いますよ。恵梨香ちゃん。面白系メタキャラを目指してるです! ほらっ、新ヒロインを是非とも宣伝して下さい! ほらっ、今すぐ今すぐ」

「あのね。朱里ちゃん、新ヒロインとか言ってるけど原作では絶対出せないからできないと思うよ。それにもう次回最終回なんだから元々面白い系メタキャラに走ったとしても遅い感があるんだけど」

「そ、そうなんですか?」

「うん。そうだよ。それとここの物語の時系列が色々と読者が混乱しちゃうからもうメタ発言はしないでね。
 一応この物語ってクランクアップしたという設定になっているんだから。ここでメタ発言をした場合は時系列が混乱しちゃうからね。タイムパラドックスが生じるよ」

「あぁー分かりました分かりました。ならばメタキャラはやめますよ。その代わり、面白系の朱里ちゃんと呼ばれる様に頑張っていきますよ」

「あのね、それはそれで読者方の朱里というイメージをぶち壊すから面白系の朱里ちゃんは番外編だけにしてね。ネタキャラさん」

「分かりましたよ。恵梨香ちゃん……って、何人を馬鹿にしてるんですか!」

「分かればよろしい。それで私からの質問ね。
 この番外編って終わりあるの?」

「あっさりと終わりは勿論有りますよ。大体今の文字数が五千字ぐらいなので残り半分くらいです」

「はぁー長いね。これだけ喋っているのに……後、半分もあるんだ。もう疲れたよ」

「でも大丈夫ですよ。恵梨香ちゃん!
 ここからは台本があるので安心してください!」

「えぇー。台本なんてあるの?
わぁーい。ありがたい」

「何言ってるんですか? 恵梨香ちゃん。
 今までもずっと台本を読んでただけじゃないですか」

「そ、それは言ったら駄目なやつだよ!
 朱里ちゃん! それは内緒だねって最初にいったじゃない!」

「あぁー。ごめん。恵梨香ちゃん、すっかり忘れちゃってたよ。五千字も喋ってたから忘れちゃってたよ。
 ごめんごめん」

「ねぇー。朱里ちゃん。無駄な文字数稼ぎは止めてそろそろ新しい話をしないと読む人いなくなるよ。
 茶番はやめろよってね」

「はぁーい。わかりましたよ。えりかっち」

「え、えりかっちって……。まぁー良いけど」

「照れてますね。恵梨香ちゃん。可愛いですねぇ〜。
 これはもう剥製にして家に飾りたいぐらいですよ」

「発想が独創的だね。朱里ちゃん。私はちょっと怖くなってきたよ。自分の身の安全が」

「大丈夫大丈夫。安心してね。恵梨香ちゃん。
 私、絶対に酷い目はさせないから」

「その言葉良く、薄い本で見るやつだね!
 あ、もう無視するよ。
 それでさ、今までずっと思ってたんだけど夕君と朱里ちゃんってどんな関係なの?」

「はぁー。それを聞きますか。いえ、聞いてしまいますか。
 恵梨香さん。私と渚夕の話をするならば、あっさりばっさりとこの物語の上限となる一万文字を軽々と越え、十万文字ぐらいになりますが、それでも聞きますか?
 恵梨香ちゃん」

「いや、やっぱりいいよ。朱里ちゃん。
 なんかめんどくさいし。そんな話を聞いてもどうせ私からの感想は『へぇーそんなことがあったんだぁー』ってなるだけだから」

「本当に冷めてますねぇ〜。もう、良いですよ。
 少し割愛させますが、私は喋ります。
私と渚夕は元を辿れば、中学生時代学校が一緒だったんですよ」

「えぇー。ということは私とも一緒の学校だったってこと?」

「はい。そうなりますね。ですが、その時の私は銀縁眼鏡で本ばかりを読む陰キャラ女子だったので誰とも接点はありませんでした」

「ということはぼっちだったということなんだね。
 とりあえず、手を合わせておくよ」

「いや、死んでませんから。死んでませんからね。恵梨香ちゃん。まぁーそんな陰キャラぼっちだった私ですが、ある日こんな話を教室で聞いたんですよ。
『天文学部を勝手に作った奴がいる』と」

「なるほど。そこで夕君登場ってことなんだね。
 今更思うけど夕君って厨二病だよね。この時絶対。
自分一人で天文学部作って、自分かっけぇーとか思ってそう」

「まぁー思ってたでしょうね。そりゃあー。
 で、私がその天文学部に行くというわけですよ。
 勿論。眼鏡を外してですね」

「何故そんなことしたの?」

「正体を隠したかったんですよ。陰キャラだと知られたら、すぐに襲われそうな気がしたんです」

「逆に正体を隠さない方が襲われそうな気がするけどね。
 朱里ちゃんって眼鏡外したら、普通に可愛いし。というか眼鏡かけてても可愛いけどさ」

「か、可愛いって言わないでください!
 私はネタ系の面白女子になると決めたんですから!」

「あ、そのネタまだやってたんだ」

「やるに決まってるじゃないですか、えっへん。
 でも眼鏡外した完全体の私でも渚夕はビクともしなかったですけどね」

「あの時の夕君って生徒会で色々と揉めて、完全にメンタル折れてる時だから……」

「あ、私の話よりもそちらの方が需要あるのでは?
 私の方は一応原作として扱っているので」

「確かにそうだね。こっちの話に変えようか。
 夕君は生徒会で色々と問題を起こしてね。正しいと思ったことを突き通そうとした。そっちの方が正しいかも。
 但し、それは自分だけの正しさであり、他者にとっては正しくは無かった」

「つまり、対立したというわけですか?」

「そう。そういうことだよ。対立したんだよね。
 私は生徒会には入っていなかったから何も知らなかったし、夕君が教えてくれるまで知ることができなかった。救うことができなかった。だからさ、私ね。朱里ちゃんには感謝してるんだ。本当にありがとう」

「どういたしまして。という言葉がここは正しいんですかね? まぁ、私は善意も何も無く、ただ勝手に動いたことが彼を救っていた。救ってしまっていただけなんですけどね。それでも感謝をされるというのは私としては虫唾が走りますが、今回はその言葉を受け取っておきましょう」

「うん。受け取ってよ、朱里ちゃん。朱里ちゃんがあの時動いてくれなかったら、今の夕君は確実にいなかった。
 それに私もいなかったと思う。だからありがとう」

「ありがとうだなんて。人を一人助けるだけでまた他の一人を助けることができるなんて優しい世界ですね。
 こんな風に世界が優しくなれば楽しい世界になるでは無いでしょうかね。まぁーそんな優しい世界というものはただの虚像ですが」

「虚像でも良いじゃない。理想論だとしても。嘘だとしても。それがフィクションだとしても。それが誰かが仕組んだ罠だったとしても。そしてそれが私達、というかその世界に居る人にとっては事実なのは確かなんだからさ」

「確かに事実なのはそうなのかもしれないね。今見ている景色も虚像なのかもしれない。ただ自分達が見ているものは全て自分達にとってはもしくは自分にとっては現実であり、事実なのは確かなんだからそれを認めるしかないよね」

「まぁーそういうことになる。それで何故こんな話の展開に? 一気に他の作品に変わるところだったね。というよりも既に変わっているという様な気がしないこともないのですが。一応この番外編は軽く始まり終わるライトな台本で新参者の方用にと思って作られた台本と聞いていたはずだったんだけど、こんな堅苦しくて少し曖昧な表現を入れた文章は色々と読みにくいと思うから止めたほうがいいんじゃないかな? と今更ながら思ってる」

「それを今更言われても困るよ。先に言ってよ。
 私も台本読んでたけど何か変な感じがしていたんですよね。結構な量の文字数稼ぎ為の駄文が書かれているなって」

「文字数稼ぎは程々にして欲しいですよね、本当にもう全く困った人ですよねぇ〜。こんな台本作った人」

「そんなに言わなくても良いじゃない。台本作った人も頑張って作ったかも知れないんだからさ。
 あ、それよりさ。さっきの話に戻るんだけど、朱里ちゃんって本当にいた? 私……本当に知らないんだけど」

「あぁーそうでしたか。これを説明していませんでしたか……私はですね。親の都合上、二年生の一ヶ月間程しかあの学校に通ってないから」

「えっ? じゃあーその後はどうしてたの?」

「海外に行ってたんだ。色々と事情があってね。
 元々はあの学校に通わずそのまま海外に行く予定だったんだけど、色々と手続きとかがあって……忙しくてね。
 だから……その期間だけはあの学校に通ってたんだ」

「なるほど。これで辻褄が合うよ。でもさ、転校生とか珍しいからすぐに噂になっていたと思うんだけど……」

「ああー。まぁーそこは私が周りの人を拒絶してたっぽいから……」

「察したよ。朱里ちゃんって引っ込み思案なところあるしね」

「引っ込み思案というよりも引っ込み思案なキャラを演じているだけなんだけどね」

「えぇーそうだったのぉー! これはスクープだね!」

「スクープって程じゃないと思うけどね」

「ここで言うのも何だけど残り千文字だよ。
 どうする? 何する? というか何をしたい?」

「とりあえず文章稼ぎがしたいですね。できるだけ」

「う〜ん。でもねぇ〜そんな簡単に文字数は稼げないよ。
 というかこんな台詞を言ってもいいのかな?
それに三回目ぐらいだった気が……」

「大丈夫ですよ。恵梨香ちゃん。いや、えりかっち」

「だから! えりかっちやめてよ!」

「その反応が聞きたかったんですよね。もう癒やされますよ。寧ろご褒美ですよ」

「どんな性癖なの? 朱里ちゃん……」

「女性に性癖を聞くとは恵梨香ちゃん大胆ですねぇ〜。もしかしてアレですか? 百合っ気があるんですか?」

「百合っ気があるのかどうかは知らないけど女の子は好きだよ。勿論。特に可愛い子は特にね」

「へぇ〜そうなんですかぁー。バイなんですね」

「バイでは無いと思うんだけど……」

「では? どういうことですか?」

「私は男が好きって言うよりも夕君が好きで……女の子は可愛ければ誰でも好きというか抱けるというか」

「うわぁー。面食い女王様ですよ! メインヒロインとして失格! ヒロイン失格ですよ! これこそがスクープですよ!」

「スクープって大袈裟だよ。というかね、女の子は皆女の子が好きなんだよ。特に可愛い子とはイチャイチャしたいし、胸を揉み合ったりとか……友達の家に行ったら、キスの練習とかするんだよ……」

「あのですね。恵梨香ちゃん。こんなことを言うのはどうかと思いますが、引きました」

「引きましたって……朱里ちゃん。何言ってるのさ。
 この企画を始める前というかさっきまで一緒に揉み合ってた仲じゃない。それなのに酷いなぁ〜」

「あの皆様! 私はそんな行為は一切してないので大丈夫です。まだ健全朱里さんとしての立場がありますのでどうぞよろしくお願いしますね!」

「あ、抜け駆けだぁ〜」

「抜け駆けという言葉が似合うというのなら貴方の方が……といいたい所が山々ですが、ここはメインヒロイン特権として許してあげましょう」

「抜け駆けというよりもそんな約束何もしてないけどね」

「暗黙の了解だったじゃないか……それなのにぃー」

「もしかしてそれって岬ちゃんとか真弓ちゃんとかから聞いたのかな? 罠だったんだね。可哀想に」

「可哀想とは失礼な! しかし罠だったとは気づきませんでした。うっかり八兵衛ならぬ、うっかり恵梨香ちゃんでもあるまいし、私としたことが間違いを犯すなんて……」

「そんなに朱里ちゃんってしっかりしてるタイプじゃないんだけどね。あ、それよりも一応一万文字達成したっぽいけどどうする? 終わらせる? それとも……わ・た・し」

「ではとりあえず恵梨香ちゃんのメインヒロインという立場から奪いましょうかね」

「そ、それだけは……メインヒロインということしか取り柄がないからぁ〜」

「ドジっ子の恵梨香ちゃん、病みの真弓ちゃん、真面目な岬ちゃん、そしてネタに走った朱里ちゃん……これってキャッチフレーズとしてはどうでしょうかね?」

「ネタに走った朱里ちゃんというのが絶妙な味を出してるね。ねぇーねぇーそれよりさ終わらせるの?」

「終わらせたくないというのが本音だけど。ぶつ切りみたいになってしまったけど、とりあえず次の人達が来たみたいだから変わった方がイイかもね。これも経験不足だから仕方ないね。では番外編【クランクアップ】どうもありがとうございました。ここまでは最強メインヒロイン恵梨香と」

「絶対にメインヒロインの座を奪ってやると誓った朱里様でした。では、皆さん、ごきげんよう!」

「ごきげんようって……。それよりメインヒロインの座だけは勘弁をぉぉ〜〜」

「あ、最後に『チャット始めたら、危ない女が現れた。』だからね! 最後に『。』が要るからね! それだけは忘れないように!」

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