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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

終桜

「えっ? それはどういうことだ?」
 頭をどんなに回転しても答えは出てこなかった。それはそうだ。
突然、俺のフォロワーが一連の出来事の犯人と言われても全く検討がつかない。

「これは色々と説明が必要なので後からにしましょう。それよりも私も聞きたいことがあるんです。渚君、貴方は私から七海さんの正体を教えてもらう前に実は一人で分かっていましたよね?」
 何故、そんなことまでこいつは知っているのか。俺は一度もそんなことは言ってなかったはずなのに。

「それはどういうことだよ? 意味が分かんないよ」

「誤魔化さないでください!」

「何がだよ?」
 俺はおどける。
しかしそのおどける態度が朱里の気に触ったらしい。彼女は言った。

「私、知ってるんですよ。渚君が私のお姉ちゃんと関係を何故持ったのか」

 どうやら全てお見通しというわけらしい。
本当にこいつは俺のことを良く知っている。
俺のことなら何でもお見通しと言わんばかりに行動を読まれまくっている。
さて、どこまで話せばいいのやら。

「そうか。全てこれも分かっているわけね。さっきと同じように質問形式にしよう。俺は君の質問に全て答える。これでいいだろ? だけど曖昧な表現はダメだ。だけど君が質問した回数分、俺も君から情報を貰う。これで行こうか?」

「はい……。いいでしょう。ですけど、卑猥なものはやめてくださいね」
 彼女は前置きの様にそう述べてから言った。

「ではっ、質問です。何故、貴方は七海さんに襲われるかのか。その理由は分かりますか?」

「詳しくは分からん。だが、チャットをしていたから。それじゃないのか?」

「そうですか。分かりました。ではっ、次の……」

「おい! 待てっ! 次は俺の質問だ。お前の目的はなんだ? この問題は俺と七海の問題だ。見返りでも求めているのか?」

「はぁー……」
彼女が溜息を吐く。

「先程も述べた通り、ただ興味を持った。
その程度ですよ」
 彼女は淡々と言う。

 興味を持ったから。
そんな理由で良いのだろうか。
危ないじゃないか。

それで解決する問題では無いはずだ。

「では、次は私の番ですね。貴方は今から七海さんにどうしたいですか?」

「あ、謝りたい……。俺が悪かったと。謝りたい。そして……そして……」
 言葉を濁らす。
こんな事を言っていいのかと迷う。

俺がこんな言葉を言っていいのかと。

「それで恵梨香さんと元の関係を築きたい。そうですよね? 渚君?」
 それもバレているのか。

これは困った。

「あぁ、そうだ。笑いたければ笑ってくれ。嘘を付きまくっていたピエロの終わりを」

「ピエロですか。中々、面白い表現をしますね。次は渚君ですよ。どうぞ……」

「そうか……そうだな。では、この質問にしよう。七海は今、どこにいる?」

 どうすればいいのかは分からない。

だけど会って直接話せばいいさ。
どんなことが起きたとしてもそれを受け止めてやればいい。
俺が怖じ気づかなければいい。
彼女なら分かってくれる。
そう、分かってくれるはずなんだ。

「そうですか。分かりました。では、行きましょう」

 朱里がスタスタと歩いていく。
俺は彼女の後を追いながら尋ねる。

「お、おい! どこに行くんだよ?」

彼女は後ろを振り返り、ニヤッとしながら言う。

「始まりの場所ですよ。小さな女の子が小さな男の子を好きになってしまった場所です」

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