恵梨香の夏休み

　――恵梨香の夏休み
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「わたしが……絶対に夕君は守るからね。どんな手段を使ってもわたしが夕君を守るよ。大好きだよ、大好きだよ大好きだよ」

　涙が込み上げてきた。

「な、何……わたしっ、こんなにも涙が出るんだろう……」

　涙を拭う。しかし手で拭えない程の涙が溢れ出す。

　ずっと昔から好きだった。
わたしは渚夕という男の子をずっと好きだったのだ。幼馴染だという関係で中学生の頃まで女として見られてなかったけど、本音を言ったら変わってくれた。嬉しかった。
今までわたしの事なんてどうでもいいと思っていた彼が「守ってやる」と言ったあの日の事は忘れない。

　だけど……あまりにも不公平だよ。
これからっていう時に……

「わたしの側にいないなんて……」

おまけに新しい彼女作ってるし。

　目頭が熱くなり、周りがぼやける。
あぁ、もう何やってんだろわたし……馬鹿みたい。
っていうか、夕君のバカ！

わたしはそう思いながら夕君とは別のもう一人の幼馴染から貰った四葉のクローバーを握りしめた。

「田神真弓が不幸になりますように」という願いを込めて。

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