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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

モモ

 私は渚夕という人間が好きだった。
というか、依存していた。
私の心はどこか獣のように愛に飢えていた。
そんな時、たまたま見つけたチャットアプリ。
それはただの暇つぶし。時間の無駄遣いと思いながらも私はチャットを始めた。
多分……この時ぐらいの私は自分の悩みを聞いてくれる人なら誰でもよかったんだと思う。

そして偶々出会ったのが薫君だったというだけなのだ。

別にこの時は誰でも良かったのに……

 薫君とのチャットは次第に私に癒やしをくれるようになり、心の拠り所になっていく。そしてそんな彼に恋心を持つのも時間の問題だった。チャットで出会った相手に恋をするなど馬鹿げていると最初は思っていたが、私の心は歯止めが利かなくなっていた。
我ながら、愛というものの偉大さと儚さが身に沁みて分かる。

 そんな時、私は彼から『生徒会長』をしていたということを頼りに彼の情報を調べた。
ストーカー行為に近い行為。いやもうストーカー行為である。そんな行為を続ける内に彼の所在が判明したり、情報が容易く手に入った。
彼はTwitterをやっていたらしく、私は彼のフォロワーさんにもなった。彼の動向が目に見えて分かるというのはとても楽しかったし、嬉しかった。
それにいつの間にかに彼が私をフォローしてくれた時は本当に感動した。
だけど、怖かった。
もしかしたら、私に気付いているかもしれない。
そんな気持ちになって怖くなったが、勿論私の杞憂みたいだったみたいで気付かれることは無かった。

 そして、私は彼に初めて会うことになる。
それは中学三年生の11月の初旬のことだった。
私が一人でハンバーガー屋に行った時だ。
私はそこでポテトのLを注文し、自宅から持ってきた小説を読み長居しようと考えていた時だ。
私がずっと会いたかった画面の中でしか見たことがなかった彼が現れた。本来ならば喜びたい気持ちなのだが、そんな気持ちにはなれない。
なぜなら、彼の横にはツインテールにしている女がいたからだ。
「ねぇねぇ、夕君? 何が食べたい?」
彼は嫌々ながら言う。
「別になんでもいいんじゃない? 恵梨香が食べたいものを食べれば」

彼はぶっきらぼうに答える。
そうか、彼女の名前は恵梨香というのか。

そして女の子が口を開く。

「もうぉぉー夕君の癖に! 幼馴染だからってそんなに気がないフリばっかりしてたら、逃げられるからね?」

「………………」

彼は顔を真っ赤にして黙り込む。

私はこの時、思ってしまった。

彼は彼女の事が好きなんだと。

だけど、私は彼が好きである。

「まぁーそうだけど、恵梨香は俺の彼女じゃないだろ?」

「まぁー確かにそうだけど……夕君は私のものっていうか」
虫唾が走る。これが毛嫌いってやつなの?
だけど、こんなにも嫌悪感を感じたのは生まれて初めてだ。
それに薫君はお前のものでは無い。

薫君は、私のものだ。

それにゲームで言う所の幼馴染最強テンプレ? 
ふざけるな! 私がそんなものは全て壊してやる。
そして私が彼を奪って、こう奴に言ってやるのだ。

「ヒロイン交代だね?」って。

これが私の復讐。

そして私の幸福である。

どうやら、わたしは性格がトコトン悪いらしい。

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