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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

記憶とキヲク

 皆からの祝福を貰い、一躍時の人気分を味わいながら自分の席につく。

俺等の学級は席替えはしないのかよ……と溜め息を吐く。

「久しぶりだな……夕」

あいつが俺に喋りかけてきた。

こいつは俺の友達?
いや、なんて言えばいいのだろう。
友達ならちゃんと俺が入院してた時に来てくれたはずなのにこいつは来ていない。

ってことで、こいつは友達ではない。

「あぁーそうだね。健一君」

「そうだな、夕……っておい!?
ちょっと待てよ! 何、その他人行儀!
俺等、友達だろ? 親友だろ?
それなのにその扱いなくね?」

「えぇーでもなぁー」

「入院中に俺がお前に会いに行かなかったのは謝る! だから許してくれ!」

健一が両手を合わせ、片目でウインクをかます。
その姿が少しイライラもするが、今回は許してやろう。

「ああーいいよ」
俺がそう言うと、健一は顔を綻ばせた。

お前は絶対に乙女にはなるなよと心の中で思っていると、健一が言った。

「あのさぁーそれであの後、どうなったんだ?」

あの後……?
俺はあの日の記憶を思い出す。

確か……俺は。

――思い出せない。

俺はあの日、何をしていたんだ?

「何のことなんだ?」

「何のこと? 何言ってんだよ、夕……だって、お前は……」

俺はどうしたんた?
教えてくれ。

俺はあの日……どうしていたんだよ。

「夕はその日、私を助けてくれたよ。
その前は私も分からない」 

後ろから手が伸びて、胸が背中に当たる。
その柔らかい感触に少し興奮を思うが、学校であるということを理解し欲求を抑える。

「真弓……俺とお前はどこで犯人に襲われたんだ?」

「体育館倉庫だよ」

体育館倉庫?
なぜ……そんな所に俺はいたんだ?

「なぜ、お前はそこにいたんだよ?」

「そ、それは……」

真弓の反応がおかしい。
何か俺に隠し事でもしているのか?

「教えてくれ……頼むよ。真弓……」

「夕が呼んだんだよ。私を……」

俺が呼んだ?

ま、待てよ。確か、俺と真弓はやったとか言ってたよな。

ということは……体育館倉庫でやったということ?

そういうことなのか?

それも俺が誘った?

でもなぜ? 理由がない。

俺は彼女に何をしたんだ?

何をされたんだ?

「本当なのかよ?」

「う、うん。勿論」

「えっ? 何言ってんだよ?
夕はあの日、七海に会いに行ったんだろ?」

健一が『七海』という単語を発した瞬間、真弓の顔が引きつった。

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