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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

ほら、ホラーになったよ。

 いつもよりも早めに目が覚めた。
 普段ならば寝ている時間帯。
 学校など勿論入院中なのでお咎め無しなのに。本当に俺は馬鹿だ。
 ってか、あと少しで夏だな。
 嬉しい気持ちもあるが、今のままなら傷口から血が出て鮫に襲われるかも。それだけは勘弁してほしい。
 一気に楽しい夏休みからホラーな夏休みになるよな。
 って、そんな事よりも今日は灯里が来るんだった。
 楽しみだ。久しぶりの来訪者出しな。

「あれ、渚君。顔がニヤついてるけど、何かあった?」

俺の隣のベットに寝そべり、読書をしている真弓が言った。

「あぁー今日はちょっとな」

「へぇー、何なの?」
彼女の顔が少し俺を睨みつけているように見えるけど、俺の気のせいだよな?

「まぁ、それは……」

「だから、何なの?」
彼女の質問は止まらない。

別にやましい事をしている訳ではないが、女の子がそれもましてや、同じ学年の女の子が来るとなると隠したくもなる。
学校に復帰してから、色々と噂を立てられるのは嫌だし。

「何もないよ」

だから、俺は嘘をついた。
だけどそんな嘘は簡単に見破られる。

「嘘だ……嘘だ!?」
真弓の表情が急に憤った。
何か、怖い。
それに、デジャヴ感が半端ない。

俺はこの表情を見たことがある?

いや、そんな事は無いはずだ。
だって俺と真弓は全くといって関わりを持っていないし。

「嘘だよね? 渚君……。私、知ってるんだよ。知ってるんだよ。渚君が……」

彼女の声が大きくなったり、小さくなったりと様子がおかしい。
俺はそう思った。

今のこいつは誰だ?

俺の知っている真弓ではない。

俺はそう確信を持った。

別段、確信を持てるような証拠がある訳でもない。

ただ……俺が違うと信じたかっただけだ。

「何言ってんだよ? 今日……俺は」

言葉が霞む。言葉が出ない。

言葉に表せない程の汗が流れる。
部屋のエアコンの音が嫌な程にはっきりと聞こえた。はっきりと鮮明に、そして冷酷に。

今から起こるであろう。

最大の終着点。

いや、執着点に向けての賛美のように。

「私、渚君のスマホ見たんだよね?」

彼女は俺を見て、ニッコリと笑った。

俺はそんな彼女を見て、ただ純粋に気持ち悪いと心の底から思ってしまっていた。

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