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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

真夜中

「はぁ……スッキリした」
 出すものを出し、一段落を着く。

「ギィ……」
 トイレのドアが開く様な音がした。
 誰か、入ってきたのか?
俺はそう思いながらトイレの隙間から入ってきた人物を伺う。

 その瞬間、トイレの電気が消えた。
 俺の背筋がビクリと反射的に動き、恐怖の声を上げようと思ったが、恥ずかしいし迷惑だと思い声を上げなかった。

 「ふふふ……」
 女性の不気味な笑い声が聞こえる。
 それもとてもとても奇怪な。

 ここは男子トイレだぞ?
 もしかして、間違えて入ってきたのか? 
 俺はそんな事を思いながらも便座に座り込み、明かりが付くのを待った。

 しかし、一向に明かりが付く気配は無い。

 「あの……すいません。電気消えてるんですけど……?」

俺が尋ねるが、返事は返ってこない。

 あぁ……仕方ない。
 俺は便座から立ち上がり、レバーを捻り用を流す。
 それと同時にゆっくりとゆっくりと手を前に突き出して電気のスイッチを探した。

 その瞬間、黒い影みたいなものが見えた。それにその影は人型の様だ。
 俺がそんな事を思っていると、その人型がゆっくりと近づいてきて、俺の首を掴んできた。
 く、苦しい。
 これは、掴むというよりも握り締めた。もっと厳密に、忠実に言うならば、殺そうと思い力を入れていたと考えられる。

 俺の身体は思うように動かない。
 酸素が自分の身体から薄くなっていくのを感じた。

 死ぬのが怖い。殺される。
そんな感情が過り、俺は相手の握り締める手を掴んだ。

 しかし、逆にその握り締める手は俺の首に力が入った。
 おまけに爪が皮膚に当たりかなり痛い。

 「や、やめろ……」
 俺は酸素が薄くなる中、その言葉を発す。

 すると、握り締める手の勢いは止まる。

 「ゲホゲホ……うぅ……く、苦しかった」

 苦しかった呼吸が上手くできるようになるまで俺は息を整える。

 その間にその相手はさささっとトイレから出ていった。

 手には金属バットみたいなものを持って。

 「さ、さっきのは誰だったんだ?」

 電気を付け、辺りを確認する。
 そこにはあるものが落ちていた。
 俺のスマホである。
 スマホは確か、病室に置いてきていたはずなんだが……?

 誰の仕業だろうか?
 そんな疑問を抱きながら、スマホを手に取り電源を入れてみると……

 朱里から連絡が入っていた。

 『貴方に話したい事があります。
 明日、会いに行きますね』

 俺はすぐに連絡を返す。

 『わかった。俺も話したい事があったから丁度いい』

 こうして、俺は病室へと戻った。
 病室には明かりは無い。

 俺以外の人に迷惑が掛からないようにそっと扉を開け、中に入る。

 一人ずつの仕切りカーテンがされており、皆寝ているのか分からない。

 だけど俺の横から「スースー」という可愛らしい寝息が聞こえてくるので真弓は寝ているのだろう。

 俺はそう思いながら、目を閉じた。

 

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