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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

意外な結末!?

「図星だったようだな……」
俺がぽつりと呟くが、彼女の笑い声は止まらない。
より一層強くなったとも感じられる。

「そろそろ、落ち着け。決着をつけよう」

「っふふふふふふふふっふっふふふふうっふ、私は偽物。偽物。偽物。偽物。偽物。
そんな私には何もないわ。それなのに、なぜ貴方は逃げないの?
逃げれば、いいじゃない。私は七海ではない。
ただのただの田神真弓なのに……それなのに、貴方はどうして?
どうして? 貴方は私から逃げないの?」

「そうだな、確かにそうだ。俺が会いたいのはお前じゃない。
だけど、お前なんだよ。俺が会いたいのは、お前なんだ。
出て来いよ。七海……」

その言葉と共に、彼女が「うぅぅ……」と奇声を発し始め、床に倒れこんだ。

そして、目を見開いて、立ち上がり言った。

「ふふふ、久しぶりね。渚君、いいえ。違うわね。
初めましてがいいかしら? 薫君?」
彼女が俺に微笑むと共に、俺は懐かしい気持ちになる。
この喋り方、この独特のオーラ。
本物だ。偽物ではない。本物。
では、決着をつけよう。

多重人格サイコパス野郎。

「貴方が私を呼び出したということは、貴方は本当の私に気付いたということね。
それにしても……薄暗い場所ね。場所を移動しましょう」

「え? だけど、俺はお前とゲームをしてるんだが……」

「ゲーム? そんなの私は知らない。多分だけど、私の中に居る誰かの仕業ね」

「そんなに何人もいるのかよ?」

「まぁ、そうね……ざっと、私を含め四人かしら」

「四人……?」
あまりの多さに驚いてしまう。
それにしても、本当の彼女は何も考えていないのだろうか。

「そう、四人。私と真弓。あ、いつも、学校に居る真弓は優しいよ。
だけど……残りの二人が凶暴で嫉妬心が強くてね。
あの子たちは、独占欲が強いから……」

遠い目をしながら、彼女が言った。

「あぁ、ごめんなさい。それじゃ、行きましょう。と言いたい所だけど、貴方は病院に行った方がいいわね。私が救急車を呼ぶから」

彼女はそう言って、ピンクのスマホを取り出す。
え? 彼女のスマホは俺が持っているのでは、彼女は二台持ちなのか?

そんなことを考えていると、意識が朦朧としてきた。
どうやら、俺は頑張り過ぎたようだ。

それに七海も七海で怒ってなさそうみたいだし。

***
 どうやら、俺は寝てしまっていたらしい。
それにしても、柔らかいベットだ。家にあるベットとは思えない程に。
それに何か、枕も柔らかいし。俺の枕は硬かった気がするんだが……
まぁ、俺の気のせいか。

「ゆ、夕君。ゆ、夕君……」
声が聞こえる。誰かが泣いている声だ。

俺はこの声を知っている。

この声は俺が好きだった、相手の声だ。

俺が好きで好きで、堪らない相手の声だ。

そんな相手が泣いているのなら、俺は優しく声を掛けてやろう。

「え、恵梨香? 何、泣いてんだ?」
そう尋ねると、彼女は涙を拭いて満面の笑みで俺に抱き着いてきた。
俺は咄嗟の出来事に驚きながらも彼女の細い身体を寄せる。

「もう……心配ばっかりかけて……大変だったんだよ」

「な、何が?」

「それは後からの、お楽しみ」

彼女はそう言うと、俺から離れどこかに行ってしまった。

それに辺りを見渡すと、俺の腕には点滴がされている。
これはどういうわけだ? と、疑問になるが全く思い出せない。
確か……俺は誰かに会った、それは覚えている。
だけど、その人が誰だったのか、思い出せない。
もう、なんなんだ。
おまけに左手の小指にはグルグル巻きの包帯がされてるし。

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