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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

朱里の家庭事情

 私の名前は古宮朱里。普通の女の子だ。
どちらかと言えば、地味で眼鏡で皆から馬鹿にされるような。そんな女の子。
だけど、昔は全く違った。昔はもっと活発的だったのだ。
今日はそんな私の過去の話です。

***
 この話は今から六年前の話だ。だから私は小学4年生の時だ。
あの時の私の周りは華やかだった。とてもとても、それは喜ばしいことに。
皆から絶世の美少女と言われる程だった。これは別に嘘じゃない。
透き通る程に綺麗な白い肌、真っ黒に染まったくせ毛一つない長い髪、黒曜石の様に鋭く綺麗な瞳。
これ以上、自分の美貌を語るのは恥ずかしいので止めておく。
今では全く華やかでは無かったけど、彼が現れた。
私を不審者から助けてくれた。私だけの王子様。
あ、少し話脱線してしまいました。王子様の話は最後に。
私の周りは華やかというか、約束された将来がありました。
元々、私の家はとてもお金持ちだったみたいです。まぁ、私にとってはそれが昔からの当たり前だったので普通でしたが。その約束された将来というのは政略結婚です。
私達、姉妹。まだ、姉のことを紹介していませんでしたね。
姉の名前は古宮沙夢。私の二つ上です。私にとっての自慢の姉です。
もう、本当に可愛くて、頭も良くて、性格も良い。
そんな姉に私は憧れを抱いていました。
姉のようになりたいと。だから私は一生懸命勉強しました。
そして私は模試で一位を取る程の実力になりました。
母と父はとてもとても喜んでいました。
しかし、姉だけは笑っていませんでした。
私は何か姉にしてしまったか? と思い、心配になりました。
しかし姉は私に何も言いませんでした。

そんなある日。
私の家に私よりも少し大きい男の子とその男の子の両親と見える人達が家にやってきました。
私の両親はペコペコと頭を下げていて、姉は可愛らしい白のドレスを着てお辞儀をしました。
私はその時、風邪を引いていたみたいで部屋のドアをこっそり開けて、見る程度です。
男の子は青色のブレザーを着ていて、グレーのズボンを履いていました。
見た感じ中学生という感じがしました。
その後、私の両親と男の子の両親は楽しそうに会話をしました。
私はその姿を見て、なんなんだろうと思いました。
そんな時でした。私の部屋が開きました。
私は急いで寝た振りをして、心配をかけないようにしました。
電気を消して、カーテンも閉めていたので顔は見えませんでしたが誰かはすぐに匂いで分かりました。これは姉の匂いだと。
私が姉に喋りかけようとしたら、姉が先に口を開きました。
「ねぇ? 朱里――」
姉が声を掛けますが私は無視です。
「もう寝てる?」
それでも私は返事をしません。
すると、姉が「はぁぁ……」と深い溜息をつきました。
そして、こう言ったのです。
「私達って本当に哀れよね」
私は姉の言っている意味が当時意味が分かりませんでした。
しかし、姉は言葉を続けます。
「私達って、もう結婚する人決まってるんだって。生まれきた時にはすでにお父さんが決めてたらしいわ」

結婚? 決まってる? どういうこと?

幼かった私にも夢みたいなものがありました。
それは普通の家庭を築きたいです。
自分が心から好きになった相手と結婚する。
そんな私の夢をぶち壊した。いいえ、元々壊れていたのに気づけなかったです。
さらに姉は続けます。
「私の相手は今、この家に来ている男の子。顔もかっこいいし、頭も良いそうだけど……何か嫌なのよね。結婚って人生の分岐点じゃない? だから、ちゃんと自分が幸せだと思う相手と結婚したいじゃない? だから……」

姉はそのまま涙を流し始めた。
私もいつか自分の家にそんな男性が来るのだろう。
そう思うと、身体がぞわっとした。

「だから……私、貴方にはちゃんとした人と結婚してほしいの。だから、私がどうにかするから。任せて、貴方だけは絶対に幸せにするから」
涙を流したままだったけど、姉の声はとてもはっきりとした声だった。

「もう、行くわね。そろそろ、怒られるから」
姉はそう言って、涙を拭い出て行った。

私は姉が出て行った部屋で毛布を頭まで被り、現実逃避をするように眠りにつきました。
しかし、眠るにつくまでかなり時間がかかり、とても泣いたのを覚えています。

それから一週間後。
私は変わろうと決心しました。
母にお小遣いを貰い、銀色の地味な眼鏡を買いました。
そして今まで長かった髪の毛をバッサリと切りました。
中々、お気に入りだったけどしょうがない。
私は変わるのだから。この常識を壊すのだから。
そして姉を助けるのだから。おまけも自分も。

地味な銀縁眼鏡を掛け、皆の元に現れたらびっくりしていた。
だけど、これでいいのだ。

これが私の小規模な反撃だ。
まずは小さなことから、この家を変えてやる。
私はその日、そう心に誓ったのだ。

***
 そして六年という月日が経った。
勿論、私にも姉の様に結婚相手がいる。
その人の名前は渚夕だ。
これだけは変えたくない。
だって……私が初めて好きになった人なのだから。
他にも結婚相手がいたかもしれないが覚えてない。というか、眼中にない。

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