チャット始めたら、危ない女が現れた。
7 異変
六月の中旬。世間はまだ梅雨シーズン。
しかし、今日はいい晴天だ。
雲が一切なく空気が澄んでいる。
こんな日は星を見るのが楽しみになる。と、いつものなら言っていた。
しかし今日は違う。
なぜなら、『健一が岬に喋りかける』からだ。
友達の恋路に口を挟むわけではないが、それは俺にも関係がある以上黙ってはいられない。
だって、岬は昨日変なツイートをSNSを使って投稿したからである。
その変なツイートってのは俺のことを彼氏とか意味が分からないことばっかりだ。
そのせいで俺は男子から敵意を持った目で見られるし、岬の事を好きだった健一には殴られるは、で非常に困ったものだ。
だけど大丈夫。それも全て解決する。
それこそがさっきも言った通り健一が岬に喋りかけるということだ。
健一が岬にツイートの削除をするように促すらしい。
まぁ、これで皆からの誤解も解け、俺の青春ラブコメが始まるわけだ。
しかし気になることがある。
『嘘つきは大切なものを失っちゃうよ』
この言葉の意味はなんなんだろう。
頭の中をその言葉がグルグルとエンドレスに流れ続ける。
嘘つきは大切なものを失っちゃうよ。
言葉の意味からして、それは嘘つきは大切なものを失うという意味であるという事は馬鹿でもわかる。
その嘘つきってのは、十中八九俺の事を指している事だろう。ってか、俺に言っている時点で俺のはずだ。
なら、この言葉の真意は何か?
この言葉の前に彼女が言った言葉は確か、
「渚君って、彼女いる?」だったはずだ。
ちょっと待てよ。初対面の人間に対して、こんな言葉をかけるだろうか? まぁ、初対面と言っても、クラスの中に2ヶ月間はいたのだから、知り合いぐらいにはなれたと思うんだが……まぁ、そんな事はどうでもいい。
岬が俺に彼女がいるか訪ねた訳、俺はそれを知りたい。
普通に、一般的に考えて彼女は俺に特別な感情を抱いている。
そして昨日のあの言葉……『嘘つきは大切なものを失っちゃうよ』という言葉は俺に彼女がいるという事を知っているということ。
それはすなわち、岬は俺と恵梨香が付き合っている事を知っているということだろう。
だから、あの言葉を言ったという訳だ。
我ながら、自分の推測はほぼ当たっていると思う。
ここに誕生、名探偵ユウ。
まぁ、これはただの俺の憶測にしか過ぎないわけなのだが、正解にほぼ近いだろう。
なら、あのツイートは?
と疑問が生じるがそれを無視して授業を真面目に受けることにした。
俺がどんなに考えても答えは出ないだろうと思ったからだ。
だって、人の気持ちは分かることはできないから。
「ありがとうございました」
終わりの挨拶をして、長かったような短かったような授業が終わった。
とりあえず後ろの健一と岬に喋りかけるシチュエーションを考えてから、昼休みにゆっくりと岬には聞くとしよう。
そう思い、後ろを振り向くと健一はもう岬の元にいた。
楽しそうに会話している健一と岬をじっーーと見つめるのも変な感じがするのは俺は次の授業の準備をする。
あいつ、何やってんだよ。でもあいつならどうにかなるか。確か、次の授業は英語のはずだ。
少しガッカリだったりもする。
俺はあまり英語が好きじゃないからだ。ってか、嫌いだ。
長文問題とか意味がわかんねぇーし。
並び替えの問題なのに一語不足しているから補えとか意味がわかんねぇーし。
もう、無理。
高校生になって、2か月間が経ったわけだけど中学の頃に比べ各段的にレベル上がりすぎだろ。
あ! そう言えばもうそろそろで二回目のテストがくるよな。
本気で憂鬱。渚夕の憂鬱だ。
前回のテストで現文は良かったが英語は……まじ終わってた。
英語で欠点とって留年するのだけは勘弁だ。
ってことで少しでも勉強しとくか。
俺が必死に珍しく英語の勉強を、それも休み時間にやっていると後ろから肩を叩かれた。
俺の学園生活は特に青春ラブコメみたいに女子とはあまり関係ないので勿論男だ。
見たわけじゃないけど、手の太さとかでそれが分かる。もし、女子だったらすいません。
キリがとても悪いが叩かれた以上は無視もできないので後ろを振り向く。
 すると、そこには顔を青ざめてた健一がいた。
そして彼は言った。
「さっき、聞いたんだが……岬ちゃんはTwitterなんてものはやってないらしいぞ」
健一の発言を聞き、自分の身体から変な汗が出てくるのを感じた。
「Twitterをやってない?」
俺は健一にもう一度聞き直す。
俺の聞き間違いってこともあるしな。
「あぁ、やってないって」
しかし、健一の言葉は本物だった。
「ならTwitterのアカウントは偽物って事なのか?」
「そうらしいな」
だけど、まだ俺は岬自身が嘘をついているという可能性を疑っている。
動機は分からないけど。
「そうか、それで岬になんて言ったんだ?」
「『昨日のツイートは何だったの?』って聞いた」
直球すぎるな。
「そしたら?」
「『私はTwitterはやってませんよ』って言われたよ」
「なるほど、そのアカウントをちょっと今見せてくれよ」
健一が鞄の中から携帯を取り出す。
俺と健一は画面に顔を近づけ、二人で一緒に覗き込んだ。
「これが岬ちゃんのTwitterだ。この場合は、偽アカって言った方がいいか」
「画面を見る限り、昨日のツイートは消えてるな」
「あぁ、そうだな。だが、昨日のツイートは一応俺がスクショしといたぜ」
どんなもんだいとどこぞのガキ大将の様に健一が胸を張った。
「他にツイートは無いのか?」
「無いな。それと今、気付いたんだがフォロワーは男子しかいないな。
おまけにフォローも男子しかしていない」
健一が目をパチクリさせる。
「それで何を言いたいんだ?」
「お前は何か気づかないのか?」
「気づく? わからんな」
健一が残念そうな顔で俺を見て溜め息をつきながら、
「岬ちゃんはこのクラスで女子生徒と仲いいだろ? それなのに女子をフォローしてないっておかしくないか?」
確かに言われてみればそうだ。
女子を一人もフォローしていないというのはおかしい。
だって本当のアカウントなら女子を最初にフォローするだろう。
それなのに一人もしてないというのは明らかにおかしい。
それにあんなツイートをして困るのは岬自身だ。
詰まる所、このアカウントを使用しているのは岬では無く、偽アカという考え方でいいだろう。
だけど、ゼロとは言い切れない。
でももしも彼女のアカウントならば目的は何だ?
メリットなんてものは無いだろう。
「おい、どうしたんだよ。顔が死んでんぞ」
「あぁ……悪い。考え事してた」
顔が死んでるってひでぇーな。
「それでお前はどう思った?」
「俺もおかしいと思うよ。それにあのツイートが本人自身のモノである可能性が消えたわけじゃないが、俺は岬はやっていないと思っている」
「俺も岬ちゃんの言葉を信じている。それにこのTwitterのアカウントは昨日できたらしいんだ」
「昨日、できただと?」
「あぁ、そうだ。おーい、佐藤こっちこいよ」
佐藤と呼ばれ、少しぽっちゃりしている男子が俺等の方に駆け寄ってきた。
「なんだね? 我は今、ラノベの最新刊を読んでいて忙しいのだよ」
こいつかなり癖がある喋り方だな。これ多分だが、末期だなと思いあまり近寄りたくない。
 この男の名前は、佐藤敦。
某残念系ラノベの厨二病キャラに憧れているという事を健一にそれとなく聞いたことがある。
ちなみに今、手元に持っているのもその某ラノベである。
「昨日、岬ちゃんはTwitterを始めたんだよな?」健一がそう尋ねると本から目を逸らし、彼が言った。
「あぁそうだが、なぜ我にそれを?」
自慢げに胸を張り、誇らしげだ。
「そうだよな。お前、もういいから戻っていいぞ」
健一がそっけなく言うと、
「我をここまで呼んで置いて、そんな事を言うのは冒涜だよ」と抗議したものの、「仕方ないな、我は今、忙しい」と呟き、自分の席に戻って行った。
しかし、今日はいい晴天だ。
雲が一切なく空気が澄んでいる。
こんな日は星を見るのが楽しみになる。と、いつものなら言っていた。
しかし今日は違う。
なぜなら、『健一が岬に喋りかける』からだ。
友達の恋路に口を挟むわけではないが、それは俺にも関係がある以上黙ってはいられない。
だって、岬は昨日変なツイートをSNSを使って投稿したからである。
その変なツイートってのは俺のことを彼氏とか意味が分からないことばっかりだ。
そのせいで俺は男子から敵意を持った目で見られるし、岬の事を好きだった健一には殴られるは、で非常に困ったものだ。
だけど大丈夫。それも全て解決する。
それこそがさっきも言った通り健一が岬に喋りかけるということだ。
健一が岬にツイートの削除をするように促すらしい。
まぁ、これで皆からの誤解も解け、俺の青春ラブコメが始まるわけだ。
しかし気になることがある。
『嘘つきは大切なものを失っちゃうよ』
この言葉の意味はなんなんだろう。
頭の中をその言葉がグルグルとエンドレスに流れ続ける。
嘘つきは大切なものを失っちゃうよ。
言葉の意味からして、それは嘘つきは大切なものを失うという意味であるという事は馬鹿でもわかる。
その嘘つきってのは、十中八九俺の事を指している事だろう。ってか、俺に言っている時点で俺のはずだ。
なら、この言葉の真意は何か?
この言葉の前に彼女が言った言葉は確か、
「渚君って、彼女いる?」だったはずだ。
ちょっと待てよ。初対面の人間に対して、こんな言葉をかけるだろうか? まぁ、初対面と言っても、クラスの中に2ヶ月間はいたのだから、知り合いぐらいにはなれたと思うんだが……まぁ、そんな事はどうでもいい。
岬が俺に彼女がいるか訪ねた訳、俺はそれを知りたい。
普通に、一般的に考えて彼女は俺に特別な感情を抱いている。
そして昨日のあの言葉……『嘘つきは大切なものを失っちゃうよ』という言葉は俺に彼女がいるという事を知っているということ。
それはすなわち、岬は俺と恵梨香が付き合っている事を知っているということだろう。
だから、あの言葉を言ったという訳だ。
我ながら、自分の推測はほぼ当たっていると思う。
ここに誕生、名探偵ユウ。
まぁ、これはただの俺の憶測にしか過ぎないわけなのだが、正解にほぼ近いだろう。
なら、あのツイートは?
と疑問が生じるがそれを無視して授業を真面目に受けることにした。
俺がどんなに考えても答えは出ないだろうと思ったからだ。
だって、人の気持ちは分かることはできないから。
「ありがとうございました」
終わりの挨拶をして、長かったような短かったような授業が終わった。
とりあえず後ろの健一と岬に喋りかけるシチュエーションを考えてから、昼休みにゆっくりと岬には聞くとしよう。
そう思い、後ろを振り向くと健一はもう岬の元にいた。
楽しそうに会話している健一と岬をじっーーと見つめるのも変な感じがするのは俺は次の授業の準備をする。
あいつ、何やってんだよ。でもあいつならどうにかなるか。確か、次の授業は英語のはずだ。
少しガッカリだったりもする。
俺はあまり英語が好きじゃないからだ。ってか、嫌いだ。
長文問題とか意味がわかんねぇーし。
並び替えの問題なのに一語不足しているから補えとか意味がわかんねぇーし。
もう、無理。
高校生になって、2か月間が経ったわけだけど中学の頃に比べ各段的にレベル上がりすぎだろ。
あ! そう言えばもうそろそろで二回目のテストがくるよな。
本気で憂鬱。渚夕の憂鬱だ。
前回のテストで現文は良かったが英語は……まじ終わってた。
英語で欠点とって留年するのだけは勘弁だ。
ってことで少しでも勉強しとくか。
俺が必死に珍しく英語の勉強を、それも休み時間にやっていると後ろから肩を叩かれた。
俺の学園生活は特に青春ラブコメみたいに女子とはあまり関係ないので勿論男だ。
見たわけじゃないけど、手の太さとかでそれが分かる。もし、女子だったらすいません。
キリがとても悪いが叩かれた以上は無視もできないので後ろを振り向く。
 すると、そこには顔を青ざめてた健一がいた。
そして彼は言った。
「さっき、聞いたんだが……岬ちゃんはTwitterなんてものはやってないらしいぞ」
健一の発言を聞き、自分の身体から変な汗が出てくるのを感じた。
「Twitterをやってない?」
俺は健一にもう一度聞き直す。
俺の聞き間違いってこともあるしな。
「あぁ、やってないって」
しかし、健一の言葉は本物だった。
「ならTwitterのアカウントは偽物って事なのか?」
「そうらしいな」
だけど、まだ俺は岬自身が嘘をついているという可能性を疑っている。
動機は分からないけど。
「そうか、それで岬になんて言ったんだ?」
「『昨日のツイートは何だったの?』って聞いた」
直球すぎるな。
「そしたら?」
「『私はTwitterはやってませんよ』って言われたよ」
「なるほど、そのアカウントをちょっと今見せてくれよ」
健一が鞄の中から携帯を取り出す。
俺と健一は画面に顔を近づけ、二人で一緒に覗き込んだ。
「これが岬ちゃんのTwitterだ。この場合は、偽アカって言った方がいいか」
「画面を見る限り、昨日のツイートは消えてるな」
「あぁ、そうだな。だが、昨日のツイートは一応俺がスクショしといたぜ」
どんなもんだいとどこぞのガキ大将の様に健一が胸を張った。
「他にツイートは無いのか?」
「無いな。それと今、気付いたんだがフォロワーは男子しかいないな。
おまけにフォローも男子しかしていない」
健一が目をパチクリさせる。
「それで何を言いたいんだ?」
「お前は何か気づかないのか?」
「気づく? わからんな」
健一が残念そうな顔で俺を見て溜め息をつきながら、
「岬ちゃんはこのクラスで女子生徒と仲いいだろ? それなのに女子をフォローしてないっておかしくないか?」
確かに言われてみればそうだ。
女子を一人もフォローしていないというのはおかしい。
だって本当のアカウントなら女子を最初にフォローするだろう。
それなのに一人もしてないというのは明らかにおかしい。
それにあんなツイートをして困るのは岬自身だ。
詰まる所、このアカウントを使用しているのは岬では無く、偽アカという考え方でいいだろう。
だけど、ゼロとは言い切れない。
でももしも彼女のアカウントならば目的は何だ?
メリットなんてものは無いだろう。
「おい、どうしたんだよ。顔が死んでんぞ」
「あぁ……悪い。考え事してた」
顔が死んでるってひでぇーな。
「それでお前はどう思った?」
「俺もおかしいと思うよ。それにあのツイートが本人自身のモノである可能性が消えたわけじゃないが、俺は岬はやっていないと思っている」
「俺も岬ちゃんの言葉を信じている。それにこのTwitterのアカウントは昨日できたらしいんだ」
「昨日、できただと?」
「あぁ、そうだ。おーい、佐藤こっちこいよ」
佐藤と呼ばれ、少しぽっちゃりしている男子が俺等の方に駆け寄ってきた。
「なんだね? 我は今、ラノベの最新刊を読んでいて忙しいのだよ」
こいつかなり癖がある喋り方だな。これ多分だが、末期だなと思いあまり近寄りたくない。
 この男の名前は、佐藤敦。
某残念系ラノベの厨二病キャラに憧れているという事を健一にそれとなく聞いたことがある。
ちなみに今、手元に持っているのもその某ラノベである。
「昨日、岬ちゃんはTwitterを始めたんだよな?」健一がそう尋ねると本から目を逸らし、彼が言った。
「あぁそうだが、なぜ我にそれを?」
自慢げに胸を張り、誇らしげだ。
「そうだよな。お前、もういいから戻っていいぞ」
健一がそっけなく言うと、
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