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チャット始めたら、危ない女が現れた。

片山樹

2 入学式

入学式当日。
朝、目を覚まし自分の部屋の窓を開け、深く深呼吸を三回程繰り返す。
外はとても晴れていた。さらに空が透き通っている。

俺の為に晴れていると言ってもいい空を見上げ、絶対に後悔しない高校生活を送ってやると心に誓った。なので、俺はスタートダッシュを決める為に普段髪をセットしたりなどしないのにワックスをつける。ワックスのつけ方などがいまいち分からず自分の思いのままに手を動かした。

その結果、鏡に映るのは鳥の巣みたいな頭だ。

セットをやり直そうとしているとインターホンが鳴った。

俺はその音に反応して適当に返事をしてぼさぼさの髪に水をどばぁっとかけ、元の状態に戻す。
そのままタオルを頭から被り、玄関を開けるとそこには自分とは可愛らしい制服を着た女の子が立っていた。俺は彼女の制服がどこの制服なのか知っている。

これは帝星高校のものだ。
「え、恵梨香。とっても似合ってるぞ」
俺は彼女の着ている服を褒める。

すると、嬉しそうな表情をした彼女が言った。

「どういたいまして」

 帝星高校は俺と恵梨香の家から電車で1本と歩き10分ぐらいで行ける学校で、交通の便はとても安心できていた。しかし俺の寝坊というハプニングの影響により、俺と恵梨香は慌てて学校に登校した。
 学校の側にはたくさんの桜の並木道があり、とても綺麗だ。

そんな並木道を潜り抜けると学校に着いた。
もうすでに、皆大好きクラス分けがされており、俺と恵梨香がクラス分けの表を確認すると、俺は1年A組。恵梨香は1年B組だ。

恵梨香は俺と一緒のクラスになれなかったのがショックだったのか、それともこのクラスで頑張ろうという気持ちを込めていたのかは分からないが悔しそうに拳を握りしめている。
その拳が俺と違うクラスになったということで握りしめているんだったらとても嬉しいと思う。

「緊張するね。夕君」
まだ買ったばっかりの制服がとても魅力的だ。

「あぁ、そうだな。恵梨香、ここでまた頑張っていこうぜ!」と言いながら自分も拳を握りしめる。
『これから、ここで楽しい学園生活を送ろう』という決意を込めて。

しかし、そんな決意とは裏腹に恵梨香しか、同中の奴がいなくて胸一杯のドキドキと少しの恐怖が胸を蠢いていた。

そんな気持ちを胸に俺たちは「入学式が終わったら、また!」と言って別々のクラスに向かう。

 俺が自分の教室のドアを開けると読書をする者、スマホをいじる者。
そして、机に身体を伏せている者など色んな奴がいた。
そんな奴らを見習いながら黒板に大きく貼りだされた紙を見て、自分の席を確認する。
俺は前から4番目、窓側から3番目の席になった。

俺が特に何もする事も無く、椅子に座りぼっ―としていると教室に誰かが入ってきた。

黒くて長いさらさらの髪の毛、白い肌、豊満な胸、お人形さんの様に大きい目に整った鼻、そして柔らかそうな唇。

誰が見ても美少女と思える程の女の子が教室に入ってきた。

俺はその女の子を見て、綺麗だなと思ったが自分には恵梨香がいるじゃないかと抑制をかけたが、自分の目はその女の子に釘付けだった。

その美少女は黒板の貼り紙を見て、自分の席を確認すると1番後ろの席の窓側席に座る。
その後、俺達は入学式の為に体育館に移動し、校長先生の少し長い話を聞かされた。
俺はそんな話を聞きながらこの高校生活にに希望を持ち始める。

入学式も無事に終わり、俺と恵梨香は一緒に帰る事になった。

俺は恵梨香と今のクラスの事とか、部活は何部に入るかとか、新しい高校生活に夢を抱くような事を話した。
そして、あの女の子の事も……

「へぇ~そんな可愛い子いるんだぁ?」

「う、うん。クラスの男子も可愛いって言ってたよ」

ちなみに、俺に友達ができた。
俺の席の後ろに座っている男。名前は確か、健一だったはず。

突然入学式が終わって席に着くと喋りかけられた。
健一は俺が何も聞いてもいないのにこのクラスの美人ランキングを作ったんだぜと自信満々にベラベラと言っていた。
よく、あの短期間の間にクラスの女の子全員を把握したのか、とても気になるところだ。
っていうか、その努力を他のことに注げばいいのにな。
だけど、そんな奴が進学校にいて助かったと思ったのも事実だ。
もしかしたら、自分はこのままぼっち生活ライフが待っているかもしれないと覚悟していたからだ。

「クラスの男子?? 夕君、友達できたの?」
恵梨香が尊敬の眼差しを俺に向ける。
ふっ、今日から俺を友達づくりのプロと言ってもいいぜと言わんばかりに胸を張ってやった。

「まぁ~な」

「す、凄いね! 私、まだできてないよ」
だから、その輝いた目でこちらを見るな。
そんなに見られたら、照れるだろうが。

「まぁ、初日だし明日から頑張ればいいさ。俺も一人だし」

俺と恵梨香はとある育成ゲームのモンスターの話をするように、「今、○○モン何匹目?」的なノリで友達の話をしている。とりあえず、俺は友達を一匹GET!
って、友達は○○モンじゃないし、匹でもねぇーよ。
などと、頭の中で漫才が繰り広げている中、恵梨香が話題を変えてきた。

「そうだね。ところで、夕君って弁当と学食どっちにする?」
とりあえず、さっきの目は無くなったけどその甘えた口は何のつもりだ。
アヒル口というやつなのか? 可愛いじゃないか。
最高じゃないか。俺を誘っているのか? 
だけど、甘かったな、恵梨香。
俺は二次元という世界で鍛え上げられてるんだよ。

「う~ん……俺は弁当だな。たまには、学食にもいくつもり」

「なら、私もそうする! あのさ……弁当一緒に食べない?」
この誘い方はせこい。せこすぎるよ。
俺のポイント的にかなりたけぇーよ。

幼馴染という属性をふんだんに使って、俺の弱点属性を把握してんのか。

「いいけど」
そっけなく、言ったけどめっちゃ嬉しい。
今、死んでもいいと思える程。あ、俺は馬鹿かよ。

今死んだら、明日一緒に弁当くえねぇーじゃんか。

「やったぁ!? じゃあ、約束ね!」
恵梨香が一輪の花を咲かせた。約束という花を。
それぐらい嬉しそうな顔だったと思ってくれればいいよ。

「だけどいいのか? 俺とばっかり仲良くしててもクラスに馴染めなくなるぞ」

「いいの! 私は夕君が一番なんだから」
これはクリーンヒット。俺の心にキックオフ。かなり、胸に来るね。

これが愛ってものなのか? 

「さり気なく嬉しい事を言ってくれるね」

「本音だもん! あ、それよりさっきの女の子の話聞かせてよ」

「クラスの男子が可愛いって言ってただけだよ」
特に隠すことはないけど、下を俯いてしまう。

「あのさ……夕君も可愛いって思ってるの?」

俺の顔色をうかがうように上目遣いでこちらを見つめられる。
制服という最強装備に、上目遣いという武器のコンボにはかなわない。
正直に答えよう。

「……可愛いとは思うけど、俺は恵梨香が一番だよ」
恵梨香が顔を真っ赤にした。
茹でたタコみたいだ。

そして、真っ赤にしたまま彼女が唇を尖らせながらいった。

「釈然としないなぁ〜 だけどできれば可愛いってあんまり言ってほしくない!」

「あ、ごめん。だけど俺は恵梨香に嘘はつかないって付き合う前に約束しただろ?」

俺と恵梨香はある一つの約束をした。

それは恋人同士である以上、お互いに嘘をつかないっていう約束だ。

「う、うん。ちゃんと守ってくれてるんだね。これで可愛くないって言われた方が逆に可愛いって思ってるんだけど、嘘ついてるとしか思えないから」

「確かにそうかもな」

その後、俺は恵梨香を家まで送り、自分の家に帰宅した。

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