世の中凡人を探す方が難しい
理阿の本気
 「何をしてほしいかと言うとだな。今月行われる野球大会のことだ・・・・・・」
 「参加してほしいのね!」
 私の言葉を遮ったと思ったら内容お見通しだったのか。すごいなぁ。
 「弥生が参加するなら私も参加するよー」
 「そ、そうか」
 虚をつかれたみたいに動揺してるよ私。
 私は部活の顧問として強制参加みたいなものだからな。とは言ってもやりたくない訳ではないのだが。
 理阿は鼻唄を歌いながら嬉しそうに体を揺らして、メニュー表を開いている。
 「弥生はもう何か頼んだー?」
 「まだ頼んでないが」
 そうだすっかり注文を忘れていた。店に対して無礼だったよ。
 「じゃあ私はねーこれ!」
 「これってどれ?」
メニュー表の裏面しかこちらからは見えないため理阿がどれを指しているのかわからない。
 「ここのやつ!」
 メニュー表をテーブル開いたまま寝かせて指を指している。
 やっと私も注文できるよ。
 「私は普通にコーヒーでいいや」
 グットイミングでウエイスレスが私達の座っているテーブルに近づいてくる。
 「ご注文は何に致しますか?」
 そのウエイトレスの顔に見覚えがあることに気づく。
 篠藁や宮魔と同じクラスの花巻 留巳。さらに篠藁の前の席であまり人と関わっているところを見ない女子生徒。
 「お客様、ご注文は?」
 いつものイメージとはかけ離れた高めのトーンで右手にメモ、左手にペンを持ちながら私達と目を合わすことなくメモだけを見ている。
 左利きだったのか。
 「私はねーええとねー抹茶オレ」
 持っているメモにすらすらとなれた手つきで書いていく。
 「私はコーヒーで」
 「かしこまりました」
 軽くお辞儀をして足早に去っていく。
 「ねぇさっきのってさー花巻ちゃんだよね。まさかこんなところでバイトしてたとはね」
 そりゃ驚きだ。
 多分、あっちも私達に気づいただろうし、あと普段とのギャップがありすぎる。
 「髪型もツインテールにしてたね」
 「いつもは違うのか?」
 「うん、ロングだったよ」
 しかし、ツインテールにしている理由は?
 まぁ女の私から見て可愛いと思ったけど。
 さすがは担任だ、自分のクラスの生徒はよく知っているな。
 「野球大会誘ってみようかな」
 理阿の呟きが驚愕すぎて・・・・・・何も言えない。
 「あっ、きたきた!」
 理阿の見ている先、そこにはさっきの姿でトレイに二つのマグカップを置いて近づいてくる花巻の姿があった。
 そして、こちらにどんどん近づいてきて、トレイからコーヒーと抹茶オレをテーブルに置いてすぐにその場を離れた。
 「おいしそーだね」
 注文した抹茶オレをまじまじと見つめている。
 目が輝いてる。
 「じゃあ、さっそく」
 取っ手をつかみ、グビッと口に含ませて幸せそうに目尻を垂らした。
 「はまるわー」
 「感慨深く美味しさを堪能するのはいいけど本気で野球大会に参加させるつもりなのか?」
 「あれ聴こえてた? まあといいけど、私はいつも本気ですからね」
 やると決めたら絶対やるのが理阿だからな。
 十年以上も理阿とは仲良くやってる気がする。
 だからもう止めはしない。
 理阿は謎めいた笑みを見せる。
 こうやって笑った時の理阿はロリとは思えなくなる。
 「弥生は野球大会の詳細知ってるでしょ」
 「一応は」
 抹茶オレを飲み干してマグカップを置く。
 そして、バックを携えて立ち上がる。
 「野球なんてできないけど、がんばるよ。メンバー集めもがんばるよ。ってことで」
 出口へ平静と向かっていく。
 理阿のがんばるは壮大だからな。
 前途多難だな。
 「参加してほしいのね!」
 私の言葉を遮ったと思ったら内容お見通しだったのか。すごいなぁ。
 「弥生が参加するなら私も参加するよー」
 「そ、そうか」
 虚をつかれたみたいに動揺してるよ私。
 私は部活の顧問として強制参加みたいなものだからな。とは言ってもやりたくない訳ではないのだが。
 理阿は鼻唄を歌いながら嬉しそうに体を揺らして、メニュー表を開いている。
 「弥生はもう何か頼んだー?」
 「まだ頼んでないが」
 そうだすっかり注文を忘れていた。店に対して無礼だったよ。
 「じゃあ私はねーこれ!」
 「これってどれ?」
メニュー表の裏面しかこちらからは見えないため理阿がどれを指しているのかわからない。
 「ここのやつ!」
 メニュー表をテーブル開いたまま寝かせて指を指している。
 やっと私も注文できるよ。
 「私は普通にコーヒーでいいや」
 グットイミングでウエイスレスが私達の座っているテーブルに近づいてくる。
 「ご注文は何に致しますか?」
 そのウエイトレスの顔に見覚えがあることに気づく。
 篠藁や宮魔と同じクラスの花巻 留巳。さらに篠藁の前の席であまり人と関わっているところを見ない女子生徒。
 「お客様、ご注文は?」
 いつものイメージとはかけ離れた高めのトーンで右手にメモ、左手にペンを持ちながら私達と目を合わすことなくメモだけを見ている。
 左利きだったのか。
 「私はねーええとねー抹茶オレ」
 持っているメモにすらすらとなれた手つきで書いていく。
 「私はコーヒーで」
 「かしこまりました」
 軽くお辞儀をして足早に去っていく。
 「ねぇさっきのってさー花巻ちゃんだよね。まさかこんなところでバイトしてたとはね」
 そりゃ驚きだ。
 多分、あっちも私達に気づいただろうし、あと普段とのギャップがありすぎる。
 「髪型もツインテールにしてたね」
 「いつもは違うのか?」
 「うん、ロングだったよ」
 しかし、ツインテールにしている理由は?
 まぁ女の私から見て可愛いと思ったけど。
 さすがは担任だ、自分のクラスの生徒はよく知っているな。
 「野球大会誘ってみようかな」
 理阿の呟きが驚愕すぎて・・・・・・何も言えない。
 「あっ、きたきた!」
 理阿の見ている先、そこにはさっきの姿でトレイに二つのマグカップを置いて近づいてくる花巻の姿があった。
 そして、こちらにどんどん近づいてきて、トレイからコーヒーと抹茶オレをテーブルに置いてすぐにその場を離れた。
 「おいしそーだね」
 注文した抹茶オレをまじまじと見つめている。
 目が輝いてる。
 「じゃあ、さっそく」
 取っ手をつかみ、グビッと口に含ませて幸せそうに目尻を垂らした。
 「はまるわー」
 「感慨深く美味しさを堪能するのはいいけど本気で野球大会に参加させるつもりなのか?」
 「あれ聴こえてた? まあといいけど、私はいつも本気ですからね」
 やると決めたら絶対やるのが理阿だからな。
 十年以上も理阿とは仲良くやってる気がする。
 だからもう止めはしない。
 理阿は謎めいた笑みを見せる。
 こうやって笑った時の理阿はロリとは思えなくなる。
 「弥生は野球大会の詳細知ってるでしょ」
 「一応は」
 抹茶オレを飲み干してマグカップを置く。
 そして、バックを携えて立ち上がる。
 「野球なんてできないけど、がんばるよ。メンバー集めもがんばるよ。ってことで」
 出口へ平静と向かっていく。
 理阿のがんばるは壮大だからな。
 前途多難だな。
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