世の中凡人を探す方が難しい

青キング

露出の多さは自信そのもの

 「ねぇねぇこれ良くない?」
 そう言って秋菜さんが持ってきたのはピンク生地でフリルのついた可愛らしいプリーツスカート。
 「これとぉー上半身はどうする?」
 「私に聞かないでください」
 まや自身の要望も取り入れなくては着てくれそうにないからなぁ。
 「私的にはミニスカでも良いと思うんだよね」
 うわーまやが一番嫌いそうな。
 まやに目をやると、珍しく自身で服の山をあさくっている。
 あっ、何か取り出したぞ。
 黒生地の服を持ってるけど、なんだろう?
 まやの目が輝き出す。
 黒生地の服を伸ばしたり指でさすったり首を傾げながらそれを一枚、二枚と続けていく。
 品質選び?
 そして一枚持ってこちらに近づいてくる。
 「まやー! 試着室へゴー!」
 「えええええええーーーーーーー」
 秋菜さんに腕を引っ張られなが抵抗するも体は引っ張られる方向に進んでいく。
 試着室のカーテンがシャーと音をたてる。
 「やめるっス、ユニフォームが落ち着くっス」
 「着てみるだけよ買わせるとは言ってないわ」
 「そういう問題じゃないっスヨーーーー」
 カーテン越しで何が行われているのかなんなとなく想像がつく。
 「予想以上に胸でかい!」
 「うるさいっス! ど うでもいいっス! 邪魔っスヨ胸なんて!」
 「なら少し分けてよ」
 さすがに強引すぎる気がする。
 カーテンが威勢よく開かれる。
 秋菜さんが自分の姿でまやを隠している。
 「ジャーン!」
 サッと横にずれると、まやの姿が露になった。
 す、すごい。
 ピンクで下腹部の見えたTシャツに先ほど持っていたプリーツスカートではなく、小耳に挟んだミニスカ。
 露出度が高すぎる。
 胸もいつもより突き出ている。
 「どうよこの、男たちの目を釘付けにする服装は素晴らしいでしょう。これだと忍も骨抜きね」
 さっきからまやが涙目だけど。恥ずかしすぎて泣きそうだけど。
 「こここ、これはさすがに・・・・・・肌が見えすぎと言うか・・・・・・ただの露出狂にしか見られなくなるような」
 まやの顔がどんどん歪んでいく。
 「さっきのアンダーシャツ買ってあげるからねねね、今日はずっとこの格好で居てよ」
 「イヤイヤイヤイヤイヤ!」
 さっきから語尾の『ス』や『スヨ』がついてないけど?
 それだけ混乱してるってこと?
 「秋菜さんこれはさすがに露出が多すぎます」
 まやが混乱していくのを見ていられなくなり代弁する。
 私はいつでもまやの味方だからね。
 「それもそうね・・・・・・じゃあ、チャイナ服にしてみる?」
 「それもダメだよ」
 似合わないことはないけれど。
 「えっー、それじゃあビキニ?」
 「それもう、街で歩ける格好じゃない! チャイナ服も歩けないけど」
 「じゃあ、何にすればいいのよ!」
 秋菜さんは明らかに先ほどより声が大きくなっている。
 「まやの要望通りの格好しかしユニフォーム以外で」
 「でもこの服涼しいっスヨ」
 突然、まやが喋りだしたと思ったら、予想外の事を口にしてる。
 「慣れれば恥ずかしくないっスネ」
 まや~急変しちゃダメー。
 「やっぱりそうだよね。私も最初は恥ずかしくてキョロキョロしてたけど今じゃもう悠然と街中歩けるもん」
 あんなに赤面してたのに何で?
 まやが遠くに行ってしまったような。
 しかも、体重は私より重いのにその細さはずるいよー。
 さらに・・・・・・む胸が。
 私とは比べ物にならない。
 私も努力しないとな。 
 自信がほしいよー。

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