世の中凡人を探す方が難しい
部員集め
  授業後、俺は秋菜にまたも教室に残れと言われて帰宅したいのにできない状態に陥っている。
 「忍! 何で一人も入ってくれないのよ!」
  俺が知るかよ。
 机をバンバン叩いて、文句を吐く秋菜に食傷しながらも聞いている。
 「あんたが部員集めしないからよ!」
 「そもそも何の部活かもわからないのに入るやつ絶対いないだろ」
 呆れ気味に正論言った気がする。
 気に食わないのか唇を尖らせている。
 「わかってるけど説明するのが面倒というか」
 「それを言ってしまったら始まらないだろ」
 ちぇ、と不満を露にしている。
 「あー見たことあるリア充っス」
 聞き覚えのある軽々しい声が耳に入ってくる。
 声の方を向くとまやがバッグをかついでこっちに歩み寄ってくる。
 「何をやってるんスカ? オーダー組んでるんスカ?」
 まやは向き合っている俺達の顔を見比べて、悟ったような溜め息をこぼした。
 「男女のクロスプレー中にタイムを取るのはまやにはできないッス」
 何言ってんだお前? 男女のクロスプレー?
 「ねぇあなた私達の部活入らない?」
 まやの頭上にクエスチョンマークが現れている気がする。
 秋菜も漠然としすぎだろ、情報があきらかに足りない。
 「わかったッス!」
 「なら入るの?」
 ものすごく嬉しそうだな秋菜のやつ。
 俺は嫌な予感しか感じないけどな。
 「女子野球部結成ッス!」
 半笑いするしかないよ。
 二人とも違う思考を持って喜んでる。
 気持ちが合ってないのに握手してるよ! ついには抱きつきあったよ!
 「ここに居たのね」
 ひしと秋菜と抱き合っているまやが、声を聴いて笑顔で声の方に顔を向けた。
 「あおいー遅いっスヨ」
 秋菜に抱きついていた手を完全に放してあおいの方へ嬉しそうに駆け寄る。
 「この人たちは?」
 「あのねあのね! この人たちが女子野球部結成するって言ってるスヨ」
いそいそと 体を上下に揺らしながら、まやはあおいに偽りの情報を伝える。
 「女子野球部? 何言ってるのよ」
 秋菜がやっと間違いに気づいたらしい。いくらなんでも遅すぎねーか。 
 「俺はいいけどな、女子野球部でも。そしたら部活やらなくてすむから」
 ハハハ、もし抜けなかったらただの変態だよ。
 「多分この部活女子野球部じゃないよ。男子が所属してるし」
 嘲笑された!
 「でも入ってくれると嬉しいな」
 笑顔で秋菜が二人を勧誘する。
 「だけど男子なんて・・・・・・所詮すぐにか弱い女子に手を出して・・・・・・強制的にいろいろさせられて」
 「大丈夫よ。こいつ私に一回も嫌らしいことしてないから」
 か弱い女の子に手を出すなんて憤りしか募らないよ。
 過去に闇を持っている。俺にはそう見えた。秋菜もなんとなく気づいているのだろう。だって不安そうに目尻が下がってるから。
 「まやは・・・・・・どうするの?」
 萎縮しながら聞いている。
 「まやは入るっスヨ。五月の野球大会に出場するのならっスケド」
 「もちろん出場するわよ! 私も野球やってみたかったし」
 実に嬉しそうで何よりだ。
 「まやが入るなら・・・・・・入りたいけどその代わり条件を見込んでくれたら」
 俺を上目遣いにあおいが睨んでくる。
 正面から見るとまた綺麗さがよくわかる。
 「条件はなんだ?」
 微笑みながら聞くと、おずおずと口を開いた。
 「私に一切も手を出さないこと。言ってしまえば暴力や不埒なことをしないこと、守れるでしょうこれくらいなら」
 もちろん、と頷くと少し頬を綻ばせて、これからよろしくね、と返してくれた。
 「よーしこれで四人だー!」
 右手の拳を秋菜が突き上げて喜ぶと、まやとあおいも、おー! と歓喜した。
 無論俺もやった。               
 今日も窓から紅の光が差し込んでいた。
 「忍! 何で一人も入ってくれないのよ!」
  俺が知るかよ。
 机をバンバン叩いて、文句を吐く秋菜に食傷しながらも聞いている。
 「あんたが部員集めしないからよ!」
 「そもそも何の部活かもわからないのに入るやつ絶対いないだろ」
 呆れ気味に正論言った気がする。
 気に食わないのか唇を尖らせている。
 「わかってるけど説明するのが面倒というか」
 「それを言ってしまったら始まらないだろ」
 ちぇ、と不満を露にしている。
 「あー見たことあるリア充っス」
 聞き覚えのある軽々しい声が耳に入ってくる。
 声の方を向くとまやがバッグをかついでこっちに歩み寄ってくる。
 「何をやってるんスカ? オーダー組んでるんスカ?」
 まやは向き合っている俺達の顔を見比べて、悟ったような溜め息をこぼした。
 「男女のクロスプレー中にタイムを取るのはまやにはできないッス」
 何言ってんだお前? 男女のクロスプレー?
 「ねぇあなた私達の部活入らない?」
 まやの頭上にクエスチョンマークが現れている気がする。
 秋菜も漠然としすぎだろ、情報があきらかに足りない。
 「わかったッス!」
 「なら入るの?」
 ものすごく嬉しそうだな秋菜のやつ。
 俺は嫌な予感しか感じないけどな。
 「女子野球部結成ッス!」
 半笑いするしかないよ。
 二人とも違う思考を持って喜んでる。
 気持ちが合ってないのに握手してるよ! ついには抱きつきあったよ!
 「ここに居たのね」
 ひしと秋菜と抱き合っているまやが、声を聴いて笑顔で声の方に顔を向けた。
 「あおいー遅いっスヨ」
 秋菜に抱きついていた手を完全に放してあおいの方へ嬉しそうに駆け寄る。
 「この人たちは?」
 「あのねあのね! この人たちが女子野球部結成するって言ってるスヨ」
いそいそと 体を上下に揺らしながら、まやはあおいに偽りの情報を伝える。
 「女子野球部? 何言ってるのよ」
 秋菜がやっと間違いに気づいたらしい。いくらなんでも遅すぎねーか。 
 「俺はいいけどな、女子野球部でも。そしたら部活やらなくてすむから」
 ハハハ、もし抜けなかったらただの変態だよ。
 「多分この部活女子野球部じゃないよ。男子が所属してるし」
 嘲笑された!
 「でも入ってくれると嬉しいな」
 笑顔で秋菜が二人を勧誘する。
 「だけど男子なんて・・・・・・所詮すぐにか弱い女子に手を出して・・・・・・強制的にいろいろさせられて」
 「大丈夫よ。こいつ私に一回も嫌らしいことしてないから」
 か弱い女の子に手を出すなんて憤りしか募らないよ。
 過去に闇を持っている。俺にはそう見えた。秋菜もなんとなく気づいているのだろう。だって不安そうに目尻が下がってるから。
 「まやは・・・・・・どうするの?」
 萎縮しながら聞いている。
 「まやは入るっスヨ。五月の野球大会に出場するのならっスケド」
 「もちろん出場するわよ! 私も野球やってみたかったし」
 実に嬉しそうで何よりだ。
 「まやが入るなら・・・・・・入りたいけどその代わり条件を見込んでくれたら」
 俺を上目遣いにあおいが睨んでくる。
 正面から見るとまた綺麗さがよくわかる。
 「条件はなんだ?」
 微笑みながら聞くと、おずおずと口を開いた。
 「私に一切も手を出さないこと。言ってしまえば暴力や不埒なことをしないこと、守れるでしょうこれくらいなら」
 もちろん、と頷くと少し頬を綻ばせて、これからよろしくね、と返してくれた。
 「よーしこれで四人だー!」
 右手の拳を秋菜が突き上げて喜ぶと、まやとあおいも、おー! と歓喜した。
 無論俺もやった。               
 今日も窓から紅の光が差し込んでいた。
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