世の中凡人を探す方が難しい
入学式前
 桜が満開のこの時期に俺の人生を決める、出来事が起こる。
 そう今日は浜岸光学園高等部の入学式なのだ。
  浜と岸の違いってなんだ? と思うときもあるがそこはどうでもいい。
 この学園の特徴は特徴のないところだ。それって結局ないってことじゃねーか。
 あっひとつだけある。海が近いということだ。
 まぁ平凡な家の平凡な高校生が通う平凡な学園ということだ。
 そして今、その正門を前にして唖然しているのは俺こと篠藁 忍高校一年生になったばかりだ。
 なぜ俺がこの学園を選んだかと言うと、海の近くで生活してみたかったからだ。
 親元を離れ一人この街に来て、新たな生活が始まろうとしているのだが、不毛なことを考えて気をまぎらわしていたがやっぱり無理だ。
 「正門が和と洋混合してるのはなぜだ!」
 詳しく説明すると、右半分は鉄格子。左半分は同じ大きさの障子という、あからさまに好んでこの門にしたと言える。
 何気なく正門を抜けていく生徒たち。お前らこの門気にならないのか?
 大声を出したからか皆俺を一瞥して通り過ぎていく。
 「なにやってるんスカ?」
 「うわぁ!」
 背後から唐突に話しかけられ驚きの声を発作的に出してしまう。
 振り返るとヘルメットを被った赤髪の人物が俺を不思議そうに凝視している。
 声からして女性だろう。
 「野球好きっスカ?」
 「・・・・・・野球なにそれ美味しいの? じゃなくてだな!」
 流れ的な台詞を言っている場合ではない素性を知らぬ奴に答える義理はないしな。
 「ねぇまやこの人誰?」
 この人は『まや』っていうのか。
 まやの背後から青髪の女子が顔を出す。
 少し大人びた顔をしているが、襟の色が緑なので俺と同学年ということになる。
 「う~んどこかで見たことあるような気がしたんスケドネ」
 「俺はお前のこと知らんぞ」
 「まぁいいッス気のせいっスよ」
 人間違いなんて俺は何度もしてきたから、大丈夫だと思うけどな。
 「まや先行ってるから」
 「わかったーいつか行くね」
 「「すぐ行けよ!」」
 青髪の女子と突っ込みがハモる。
 青髪の女子が徐々に赤くなっていく、耳まで真っ赤になり身を勢いよく翻し校舎の方へうつむきながらはや歩きで去っていった。
 俺だって恥ずかしいよ。
 「あおいのあんな姿初めて見たッスよ。驚きッスよほんと」
 普段は大人しくて、寡黙なんだろうな。
 「野球が気になったらまやの所に来るッスよ。いつでも指導してやるッスから」
 「ああうん」
 半笑いで曖昧に頷く。
 「それじゃあッス」
 一歩踏み出す度にスパイクの金具がガリガリ音をたてている。
 スパイクで登校っていいのか?
 まやはいそいそと校舎方面に駆けていった。
 しかも、あいつ自分の教室を俺に教えてくれてないから行こうにも行けないぞ。
 来なくていいよってことなのかな?
 よし、行くのはやめよう。
 校内を眺めてみる。
 「それにしてもでけぇ校舎だな」
 俺も校舎に向かった。
 そう今日は浜岸光学園高等部の入学式なのだ。
  浜と岸の違いってなんだ? と思うときもあるがそこはどうでもいい。
 この学園の特徴は特徴のないところだ。それって結局ないってことじゃねーか。
 あっひとつだけある。海が近いということだ。
 まぁ平凡な家の平凡な高校生が通う平凡な学園ということだ。
 そして今、その正門を前にして唖然しているのは俺こと篠藁 忍高校一年生になったばかりだ。
 なぜ俺がこの学園を選んだかと言うと、海の近くで生活してみたかったからだ。
 親元を離れ一人この街に来て、新たな生活が始まろうとしているのだが、不毛なことを考えて気をまぎらわしていたがやっぱり無理だ。
 「正門が和と洋混合してるのはなぜだ!」
 詳しく説明すると、右半分は鉄格子。左半分は同じ大きさの障子という、あからさまに好んでこの門にしたと言える。
 何気なく正門を抜けていく生徒たち。お前らこの門気にならないのか?
 大声を出したからか皆俺を一瞥して通り過ぎていく。
 「なにやってるんスカ?」
 「うわぁ!」
 背後から唐突に話しかけられ驚きの声を発作的に出してしまう。
 振り返るとヘルメットを被った赤髪の人物が俺を不思議そうに凝視している。
 声からして女性だろう。
 「野球好きっスカ?」
 「・・・・・・野球なにそれ美味しいの? じゃなくてだな!」
 流れ的な台詞を言っている場合ではない素性を知らぬ奴に答える義理はないしな。
 「ねぇまやこの人誰?」
 この人は『まや』っていうのか。
 まやの背後から青髪の女子が顔を出す。
 少し大人びた顔をしているが、襟の色が緑なので俺と同学年ということになる。
 「う~んどこかで見たことあるような気がしたんスケドネ」
 「俺はお前のこと知らんぞ」
 「まぁいいッス気のせいっスよ」
 人間違いなんて俺は何度もしてきたから、大丈夫だと思うけどな。
 「まや先行ってるから」
 「わかったーいつか行くね」
 「「すぐ行けよ!」」
 青髪の女子と突っ込みがハモる。
 青髪の女子が徐々に赤くなっていく、耳まで真っ赤になり身を勢いよく翻し校舎の方へうつむきながらはや歩きで去っていった。
 俺だって恥ずかしいよ。
 「あおいのあんな姿初めて見たッスよ。驚きッスよほんと」
 普段は大人しくて、寡黙なんだろうな。
 「野球が気になったらまやの所に来るッスよ。いつでも指導してやるッスから」
 「ああうん」
 半笑いで曖昧に頷く。
 「それじゃあッス」
 一歩踏み出す度にスパイクの金具がガリガリ音をたてている。
 スパイクで登校っていいのか?
 まやはいそいそと校舎方面に駆けていった。
 しかも、あいつ自分の教室を俺に教えてくれてないから行こうにも行けないぞ。
 来なくていいよってことなのかな?
 よし、行くのはやめよう。
 校内を眺めてみる。
 「それにしてもでけぇ校舎だな」
 俺も校舎に向かった。
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