学校一のオタクは死神でした。

ノベルバユーザー203842

第40話 勝負‼︎会長さんvs期末テスト⁉︎

*第40話 勝負‼︎会長さんvs期末テスト⁉︎*

母さんとの記憶を取り戻した次の日の学校の放課中、俺こと神藤 新は毎度毎度のようにラノベを読み進めていると…
「(カリカリカリカリカリカリカリカリ…)」
「………。」
「(カリカリカリカリ…ゴシゴシ…カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ…)」
「いや五月蝿えよ⁉︎もうちょい筆圧弱くして⁉︎」
「(カリカリカリカリ…)」
「………………(イラッ☆)」
ラノベにしおりを挟みページをパタリと閉じた…
そして、ガタッと椅子から降り立ち上がると、先程からカリカリと音を立てている張本人の目の前に移動する…
「ハロー⁉︎“会長さん”‼︎聞こえてます?もしもーし‼︎」
「(カリカリカリカリ…)」
「(イラッ☆イラッ☆)」
ゆっくりと会長さんの隣に移動し、視線を低くして耳元に近寄ると…
「会長さん、そろそろ反応しないと会長さんの家で“二泊三日で泊まるよ”?」
それを言った瞬間、ビクンッ‼︎と体に電撃が走ったかのように会長さんが飛び跳ねた…
「えぇっ⁉︎本当に⁉︎わわわ私の家に⁉︎ええ⁉︎こ心の準備が…‼︎」
「まぁ、反応したから止まらないけどね?」
「えええっ⁉︎何それ⁉︎」
「いや、そもそも会長さんが反応しないのが悪いだろ?」
「うぅ…‼︎い忙しかったの‼︎」
「ふ〜ん?」
と会長さんの机の上を見てみると…
「数学の教科書?ワーク?ノート?勉強でもしてたの?」
「う、そそうよ‼︎私は勉強熱心なのよ‼︎」
「それ、自分で言ったら台無しだからな?」
会長さんが勉強ねぇ…ってか会長さんって中間テスト18位だったような…
別に悪い順位でもないし…
再び机の上を見てみると、何度も書き直した跡があった…
「ふ〜む…そこの問題、ここの公式に代入すれば解けるぞ?」
「えっ⁉︎どどれ⁉︎」
「いや、これだって…」
そう言って教科書を指差すと、会長さんはハッとしたようにノートに数字を書いていく…
「で、できた‼︎」
「…おめでとさん」
「ってか新って本当に勉強できたのね?」
「いや、さすがに長年生きていれば勝手に覚えるよ?あと、覚えていた方が何かと都合がいい。」
「ふ〜ん?例えば?」
「ラノベをより理解して読める‼︎」
「………。なるほど…」
いや、そんな顔を引きつらせないでもらえます?
「それで、なんでまた勉強を?」
「ギクッ‼︎」
「ギク?」
「ああ‼︎いやその‼︎もう直ぐ期末テストだから頑張ろうかなぁって‼︎」
「ふ〜ん?ちなみに目標順位は?」
「“2位”‼︎」
「そうか…ん?今なんつった?」
「2位‼︎」
「………ええっと、俺の聞き間違いかな?今2位って言った?」
「言ったけど?」
「ハァア⁉︎えっ⁉︎マジで言ってんのそれ⁉︎」
「う、うん…」
「2位って言ったら会長さん“150点以上”点数上げないといけないんだぞ⁉︎」
「そ、そんなこと分かってるわよ‼︎」
「しかも、見た所苦手なのは数学だろ⁉︎数学は相当やらないと点数上がらないぞ⁉︎」
「うぅ…‼︎」
「もう一つ言っておくと‼︎期末テストまで残り“2週間もないぞ”⁉︎」
「グフッ…‼︎」
会長さんがビタンッと机に突っ伏した…
ゲームだったらKOと頭の上に出てきたであろう…
「うぅ…‼︎でもやらないといけないの‼︎」
「…なんでまた?」
「うっ‼︎そ、それは…」
急に顔を赤く染めもじもじしだした…
「どうした?トイレは廊下の突き当たりだぞ?」
「ト、トイレじゃない‼︎うぅ…ちょっと言いづらくて…」
言いづらい?ドユコト?
すると、パタパタと手招きし、手で口元にメガホンのような形を作った…
「ふん?」
取り敢えず耳を近づけると、会長さんが囁いてきた…
「そ、その…新に釣り合うような女の子になりたいなって…」
カァア〜〜〜〜〜〜〜〜‼︎…
一気に顔が熱くなり真っ赤に染まっていった…
「きゅ、急に何言い出すんじゃボケェー‼︎」
「べ別にほ本当のことだもん‼︎」
「うぅッ…‼︎」
面と向かって言われると本当に焦るんですけど⁉︎
ってか俺のどこが良いわけ⁉︎
オタクですよ⁉︎学校一のオタクですよ⁉︎
そんなことはよそに、新な背後からゆっくりと白く綺麗な腕が伸びてきた…
そして、それが新を抱きしめた…
が、それは空を抱く…
「ホォ〜?私の新を取ろうとは、良い度胸ですな〜(ニマニマ)」
「って姉さん⁉︎板の間に⁉︎」
シュタッ‼︎と物凄い速さで屈み、避けた新が下から声をかける…
「それと俺はいつ姉さんのものになったんだよ⁉︎」
「え〜いってくれたじゃん?『貴女のことが好きです。愛しています。』って」
「ハァア⁉︎」
『『『「えぇっ⁉︎」』』』
「ってちょっと待った姉さん‼︎色々とツッコミどころ満載だけど、ちょっと待った‼︎ほんでもって、今会長さん以外に反応したやつ誰だよ⁉︎」
『『『………………。』』』
「オイコラ‼︎クラス全員目を晒すな⁉︎で、また戻って姉さん‼︎俺はそんなこと言った覚え、全くもってないんですかどぉ⁉︎」
「ええっ⁉︎私にあんことやこんなことしたのに⁉︎」
「あんなことやこんなことって何⁉︎」
「あんなに長い夜…ねっとりと絡み合ったのに…酷い…シクシク…」
『『『「⁉︎」』』』
「ハァア⁉︎ちょい待て姉さん⁉︎マジでそんな記憶ないんですけど⁉︎それと、会長さん以外のクラス全員はいちいち反応するな‼︎おいそこ‼︎ひそひそ話すな‼︎そこのゴリラ‼︎噂流しに行こうとすな‼︎それと会長さんは、ショック受けすぎ‼︎顔に血の気が全くないよ⁉︎」
「新…」
「ああ⁉︎何⁉︎姉さん⁉︎まだなんかあるの⁉︎」
「…ツッコミお疲れさまw」
「そう思うんだったらその核級の爆弾落とすのやめてもらえませんかねぇ⁉︎ちなみにソレって夢の中でっていうオチじゃないよね⁉︎もしそうだったら、姉さん家から追い出すからな⁉︎」
「………夢じゃないよ?」
「ハァア⁉︎だったらどこだよ⁉︎」
「私の…」
「私の?」
「も・う・そ・う❤︎」
「あ、もしもし親父?姉さんの荷物全部外に出しといてくれる?うん、全部。」
「ああ‼︎まって新‼︎追い出さないで‼︎行く宛のない私を追い出すの⁉︎」
「行く宛くらい自分で探しなさい‼︎」
「お願い新‼︎許して‼︎ね‼︎⁉︎」
「いやだ。」
「うぅ…」
いやだと言った瞬間、膝から崩れ落ちてしまった
ちょっとやり過ぎたか…?
ふと、姉さんがゆっくりと顔を上げ出した
見ると目に涙を浮かべていた…
「お願い…許して…?」
「っ〜〜〜〜⁉︎」
それを言われた瞬間何故か顔が熱くなった
「いや‼︎冗談だから冗談‼︎反省してくれればそれでいいんだけど⁉︎」
「‼︎うぅ…ありがとう…新…‼︎大好き…‼︎」
「ぬっ〜〜〜ッッ⁉︎」
ヤバい‼︎なんか知らんが姉さんが可愛く見える‼︎
なんというか…とにかくヤバい‼︎
「ジト〜〜〜〜〜〜〜〜」
「って、会長さんはなんで俺みたいにオノマトペを声に出してるのかな‼︎⁉︎」
「それヤッパリわざとだったんだ‼︎⁉︎」
いや、そんなの考えればすぐわかるだろ…?
「で?会長さんは期末テストで“奇跡の16位アップ”を果たしたいと?」
「うぅ…うん…」
「知っていると思うけど、この高校、超難関校だからテスト超絶難しいぞ?」
「うぅ…そ、そんなことわかってるわよ‼︎」
「その割には超焦っているように見えるけど?」
「うぅ…」
「ちなみに自信は?」
「うぅ…」
「ダメじゃん…」
「グハァッ…‼︎」
はい、再び会長さんダウン‼︎
ってか、本当に大丈夫なのかよ…
ノートを見る限り結構間違っているところあるし…
再びノートを見る…
………ハァ〜…しゃあないか…
「………手伝って上げましょうか…?」
「…へ?」
「だから…勉強手伝って上げましょうか?」
「え?ええっ⁉︎」
「なんだ?なんか文句あるの?」
「いや無いけど…あんたの成績って……あ、」
「学年トップですけど何か…」
『『『『本当に学年トップだったんだ…⁉︎』』』』
『てっきり同じ名前のやつかと思ってた…』
『何か不正行為でもあるのでは…』
『ままさか‼︎いつも読んでいる本に秘密が⁉︎』
『『『それだ‼︎』』』
ザッと一気に俺の本に視線が向けられる
その中の一人の女子がそっと忍び寄り本の中身を確認しようと手を伸ばす…
「おい、せめて許可とれよ…」
「え‼︎は、はい‼︎み、見てもいいですか‼︎』
「……折り目つけるなよ…」
パァッと顔が明るくなり表紙をめくる…
そして、そこに一斉に視線が集まる…
(ピラッ)
“半裸”の少女、こんにちは…
ページをめくった女子の顔が一気に赤くなる…
ゆっくりとページを閉じるとスタタッと去っていった…
『『『………ヤッパリオタクだ…』』』
「オイコラ‼︎俺がオタクだからって勝手に頭悪そうなイメージ持つな‼︎って会長さんもそんなに引くな‼︎⁉︎いや、そんな3メートルも逃げなくていいから‼︎⁉︎それと一部の男子‼︎もう一度ページを見ようとすな‼︎なにその“え?ダメなの?”みたいな顔は‼︎鼻の下伸ばしながら近寄ってくるな‼︎」
はぁ…はぁ…本当に疲れるんですけど…
すると、肩をチョンチョンと誰かがつついてきた
「あの…できれば私も参加したいのだけれど…」
「ん?ええっと…誰?」
「同じクラスなんですけど⁉︎」
「うん、知ってる。顔は見たこと…見たことぉお⁉︎」
「ええっと…どうも…」
肩をつついてきた人の正体…
「ええっと…中谷 あおです…この前は…その…あ、ありがとう…」

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