悪夢を食べるのは獏、命を狩るのがヴァルキュリア
関興くんはブラコンです。
真侑良は、うつ伏せのまま始末書を書いている。
「ふーんふーんふーん……」
「た、楽しそうですね」
関平くんを見上げニッコリと、
「部署が違うと、書き方違うなぁおもて。おもろいなぁ……ほいっと」
書かされたんは、
『関帝廟裏にて、起こした騒動にて、謹慎二週間』
やった。
仕事に行っても良かったんやけど、髭親父が治療の為に破った制服や、外聞があぁだこうだと言い出して、関平くんの弟の関興くんが持ってきたんよ。
で、
「似とらんなぁ……兄弟」
ついつい口にしてしもた。
いやぁ……関平くんは美少年なんや、うん。
きりっとした表情はしとっても、そのぶん、目がくりくりっとしとって垂れ目。
まつげがめちゃくちゃ長いんよ。
まつげの短い、うちには、本当に羨ましいわ。
それに二重まぶたで、唇もリップも塗っとらんのにピンク色。
あの髭親父の息子にどう見ても見えん。
それに、関興くんは……、
「えらい美男やなぁ……いや、ビックリやわ」
関平くんと同年代なのに美男‼
スッキリとした眼差しに、顔立ちも整っとって、奥二重まぶたが色っぽい。
あ、目尻にほくろ見っけ‼
「えっと、百目鬼さん。面白がるのは結構ですが、兄上の邪魔はされないで下さい‼」
「こ、こら、安国、駄目だよ⁉」
「紫蘭兄上も兄上です‼どこの誰とも解らない、どう見ても下っぱのヴァルキュリアに興味を示さなくとも‼兄上は……」
「あー、うーん?ブラコン弟君や?」
「誰がブラコン‼」
食って掛かろうとする関興くんに、はぁ……とため息をついてやる。
「あのなぁ?うち、あんたらよりも若いけど、そこそこおばはんな訳。ついでに、おばはんは解っとるんやけど?うちと関平くんの霊の格の違い。うちは、地上ではありふれとる浮遊霊や。偶然、あの陰険インテリエロ眼鏡に取っ捕まって、ここに連れてこられた、ヴァルキュリアの下層も下層。ろくに魂も取ってこれん。やけん、ここでこの程度のやけどで、二週間安静や。こんなん、関興くんや関平くんは一瞬にして消す前にやけどに遭うこともあらせんやろ?関平くんも関興くんも日本で言うたら神様や。中国やけん人や仙人や神君って言うて、神に近い存在になっとる。そんな上も上の存在に敬意はあるけど好意はない‼」
きっぱりはっきり言い切ったったうちは、毛布に潜り込む。
「ほんじゃな。兄弟仲良うおしや。ほな、いんでや」
「……百目鬼さん‼す、すみません‼弟のせいじゃなくて……」
「解っとるけん、もういんでくれへんかな?だんだん」
子龍くん。だけはおってくれるよな……。
ギュット抱き締めるとセェいたいけど、我慢せないかん……。
あぁ、胸も痛いかも……。
「あん時……嫁にいっとたら……あの子らみたいな、子供がおったんやろかなぁ……」
呟いた声を聞き取った関平は、聞いて良かったのだろうかと迷っていたのだった。
「ふーんふーんふーん……」
「た、楽しそうですね」
関平くんを見上げニッコリと、
「部署が違うと、書き方違うなぁおもて。おもろいなぁ……ほいっと」
書かされたんは、
『関帝廟裏にて、起こした騒動にて、謹慎二週間』
やった。
仕事に行っても良かったんやけど、髭親父が治療の為に破った制服や、外聞があぁだこうだと言い出して、関平くんの弟の関興くんが持ってきたんよ。
で、
「似とらんなぁ……兄弟」
ついつい口にしてしもた。
いやぁ……関平くんは美少年なんや、うん。
きりっとした表情はしとっても、そのぶん、目がくりくりっとしとって垂れ目。
まつげがめちゃくちゃ長いんよ。
まつげの短い、うちには、本当に羨ましいわ。
それに二重まぶたで、唇もリップも塗っとらんのにピンク色。
あの髭親父の息子にどう見ても見えん。
それに、関興くんは……、
「えらい美男やなぁ……いや、ビックリやわ」
関平くんと同年代なのに美男‼
スッキリとした眼差しに、顔立ちも整っとって、奥二重まぶたが色っぽい。
あ、目尻にほくろ見っけ‼
「えっと、百目鬼さん。面白がるのは結構ですが、兄上の邪魔はされないで下さい‼」
「こ、こら、安国、駄目だよ⁉」
「紫蘭兄上も兄上です‼どこの誰とも解らない、どう見ても下っぱのヴァルキュリアに興味を示さなくとも‼兄上は……」
「あー、うーん?ブラコン弟君や?」
「誰がブラコン‼」
食って掛かろうとする関興くんに、はぁ……とため息をついてやる。
「あのなぁ?うち、あんたらよりも若いけど、そこそこおばはんな訳。ついでに、おばはんは解っとるんやけど?うちと関平くんの霊の格の違い。うちは、地上ではありふれとる浮遊霊や。偶然、あの陰険インテリエロ眼鏡に取っ捕まって、ここに連れてこられた、ヴァルキュリアの下層も下層。ろくに魂も取ってこれん。やけん、ここでこの程度のやけどで、二週間安静や。こんなん、関興くんや関平くんは一瞬にして消す前にやけどに遭うこともあらせんやろ?関平くんも関興くんも日本で言うたら神様や。中国やけん人や仙人や神君って言うて、神に近い存在になっとる。そんな上も上の存在に敬意はあるけど好意はない‼」
きっぱりはっきり言い切ったったうちは、毛布に潜り込む。
「ほんじゃな。兄弟仲良うおしや。ほな、いんでや」
「……百目鬼さん‼す、すみません‼弟のせいじゃなくて……」
「解っとるけん、もういんでくれへんかな?だんだん」
子龍くん。だけはおってくれるよな……。
ギュット抱き締めるとセェいたいけど、我慢せないかん……。
あぁ、胸も痛いかも……。
「あん時……嫁にいっとたら……あの子らみたいな、子供がおったんやろかなぁ……」
呟いた声を聞き取った関平は、聞いて良かったのだろうかと迷っていたのだった。
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