運が無かったから筋力を上げることにした
6:ギルドマスター
そんなこんなで冒険者ギルドに到着っ! え?どんなこんなだよ、って? あんなこんなだよ。周りの人にジロジロ見られまくったよ。新しい服が欲しいな。
俺が冒険者ギルドに入ると、多くの人が俺を見てきた。血まみれだもんな。俺でも見るよ。とりあえず他のやつらが唖然としているうちにクエストのクリア報告をするか。
「どうなされたのですか!?」
受付まで歩くと、クエストを受けたときと同じ人が驚いた様子で訊いてきた。
「返り血が付きすぎて」
腕に付いた血がパリパリして不快感がさっきより増してるし。
「ゴブリンの血色はこんなに鮮やかじゃないしそもそもどうやって戦ったらこんなに返り血が……」
なにかぶつぶつと独り言を始めたぞこの人。俺は早く服を買いたいんだ。早くしてくれ。
「ぶつぶつ……。そ、それでは、冒険者証明プレートをお預かりします」
「あ、はい」
俺は即座に血で汚れた冒険者カードを渡す。てか、今血で汚れてないものを持ってないな。
受付の女性は、俺の冒険者カードを新しく取り出した白い玉に当てた。ゴブリンを討伐した数だったらそれに書かれてるのにな。
「え、これって、オーガ3体の討伐に……サイクロプスの撃退? それに精霊って、嘘でしょ」
へー、あの1つ目の巨人、サイクロプスって名前なのか。そしてあのごついやつらはオーガと。
「し、少々お待ち下さい」
受付の女性は、それだけ言うと受付の奥にある扉の先に、小走りで消えていった。
○●○●○
大体10分してから受付の女性が戻ってきた。なんかこの人すげー息を切らしてるよ。
「はあ、はあ、はあ。……ギルドマスターがお呼びです。私についてきてください」
「え、あ、はい」
いきおいでOKしちゃったけど時間は大丈夫かな?
○●○●○
あのあと受付の女性に連れられて俺はギルドの2階に来ていた。なんでこの程度の距離なのに息を切らしてたのか。不思議だ。
コンコン(受付の女性がドアをノックする音)
「ギルドマスター、連れて来ました」
「入れ」
「失礼します」
ギルドマスターかー。冒険者ギルドのトップだよな。俺になんの用だろ。できる限り手短に済ませてくれると嬉しいけど。
受付の女性に連れられて部屋に入った。部屋には、ソファーが2つとその間に木製のテーブル。いくつかの棚がある。
「君、いつまでもそこに立ってないで座ったらどうだ」
「あ、はい」
俺から見て奥のソファーに一人の老人が座っていた。完全な禿げ頭にふくよかな白く長い髭。そして、老体とは思えないたくましい体つきをしている。あまり着飾らないのか、服はとても質素なものだ。
「ロウラは下がっておれ」
「はい、失礼します」
俺が促されるままにもう1つのソファーに座ると、ギルドマスターはロウラと呼ばれた受付の女性に退室を促した。
あの人ロウラって名前だったんだ。どうでもいいけど。
「……」
なんだこの爺さん。ロウラが部屋からでたとたんに俺をにらみ始めたぞ。にらめっこか? だったら俺の真顔のクオリティーなめんじゃねぇぞ。50戦中37勝だからな。
「……」
「……」
「なるほど。威圧を当てても動じぬか。さて、まずは自己紹介をしなければな。ワシはこのギルドのマスター、ランドルフだ」
あ、威圧当てられてたのね。感じなかったけど。
「俺は務です」
やっぱこう言うときは自然とですます口調になるよな。
「ツトムか。いい名前ではないか。して、その血はどうしたのだ?」
「返り血です」
「それは分かる。なんのモンスターの返り血だ?」
「1つ目の巨人と緑の肌のごついやつですね。あのロウラって人はサイクロプスとオーガって呟いてましたけど」
くそっ、ですます口調が離れない。
「ふむ、嘘は無いか……。ならば、精霊を殺したことに心当たりは?」
精霊って、あの声だよな。
「ゴブリンを殺したときに巻き添えで殺したみたいです」
「これも嘘では無いと」
さっきからなにを基準に嘘かどうかの判断をしてるんだ? 俺は本当のことしか言わないぞ?
「……君のレベルは今いくつだ?」
これは答えた方がいいんだろうか? 今まで本当のことを言うか黙秘するかのどちらかだったけど。まあ、ギルドマスターだしいっか。
「4です」
「…………君は転移者だな?」
「えっ?」
なぜ解ったし。
俺が冒険者ギルドに入ると、多くの人が俺を見てきた。血まみれだもんな。俺でも見るよ。とりあえず他のやつらが唖然としているうちにクエストのクリア報告をするか。
「どうなされたのですか!?」
受付まで歩くと、クエストを受けたときと同じ人が驚いた様子で訊いてきた。
「返り血が付きすぎて」
腕に付いた血がパリパリして不快感がさっきより増してるし。
「ゴブリンの血色はこんなに鮮やかじゃないしそもそもどうやって戦ったらこんなに返り血が……」
なにかぶつぶつと独り言を始めたぞこの人。俺は早く服を買いたいんだ。早くしてくれ。
「ぶつぶつ……。そ、それでは、冒険者証明プレートをお預かりします」
「あ、はい」
俺は即座に血で汚れた冒険者カードを渡す。てか、今血で汚れてないものを持ってないな。
受付の女性は、俺の冒険者カードを新しく取り出した白い玉に当てた。ゴブリンを討伐した数だったらそれに書かれてるのにな。
「え、これって、オーガ3体の討伐に……サイクロプスの撃退? それに精霊って、嘘でしょ」
へー、あの1つ目の巨人、サイクロプスって名前なのか。そしてあのごついやつらはオーガと。
「し、少々お待ち下さい」
受付の女性は、それだけ言うと受付の奥にある扉の先に、小走りで消えていった。
○●○●○
大体10分してから受付の女性が戻ってきた。なんかこの人すげー息を切らしてるよ。
「はあ、はあ、はあ。……ギルドマスターがお呼びです。私についてきてください」
「え、あ、はい」
いきおいでOKしちゃったけど時間は大丈夫かな?
○●○●○
あのあと受付の女性に連れられて俺はギルドの2階に来ていた。なんでこの程度の距離なのに息を切らしてたのか。不思議だ。
コンコン(受付の女性がドアをノックする音)
「ギルドマスター、連れて来ました」
「入れ」
「失礼します」
ギルドマスターかー。冒険者ギルドのトップだよな。俺になんの用だろ。できる限り手短に済ませてくれると嬉しいけど。
受付の女性に連れられて部屋に入った。部屋には、ソファーが2つとその間に木製のテーブル。いくつかの棚がある。
「君、いつまでもそこに立ってないで座ったらどうだ」
「あ、はい」
俺から見て奥のソファーに一人の老人が座っていた。完全な禿げ頭にふくよかな白く長い髭。そして、老体とは思えないたくましい体つきをしている。あまり着飾らないのか、服はとても質素なものだ。
「ロウラは下がっておれ」
「はい、失礼します」
俺が促されるままにもう1つのソファーに座ると、ギルドマスターはロウラと呼ばれた受付の女性に退室を促した。
あの人ロウラって名前だったんだ。どうでもいいけど。
「……」
なんだこの爺さん。ロウラが部屋からでたとたんに俺をにらみ始めたぞ。にらめっこか? だったら俺の真顔のクオリティーなめんじゃねぇぞ。50戦中37勝だからな。
「……」
「……」
「なるほど。威圧を当てても動じぬか。さて、まずは自己紹介をしなければな。ワシはこのギルドのマスター、ランドルフだ」
あ、威圧当てられてたのね。感じなかったけど。
「俺は務です」
やっぱこう言うときは自然とですます口調になるよな。
「ツトムか。いい名前ではないか。して、その血はどうしたのだ?」
「返り血です」
「それは分かる。なんのモンスターの返り血だ?」
「1つ目の巨人と緑の肌のごついやつですね。あのロウラって人はサイクロプスとオーガって呟いてましたけど」
くそっ、ですます口調が離れない。
「ふむ、嘘は無いか……。ならば、精霊を殺したことに心当たりは?」
精霊って、あの声だよな。
「ゴブリンを殺したときに巻き添えで殺したみたいです」
「これも嘘では無いと」
さっきからなにを基準に嘘かどうかの判断をしてるんだ? 俺は本当のことしか言わないぞ?
「……君のレベルは今いくつだ?」
これは答えた方がいいんだろうか? 今まで本当のことを言うか黙秘するかのどちらかだったけど。まあ、ギルドマスターだしいっか。
「4です」
「…………君は転移者だな?」
「えっ?」
なぜ解ったし。
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