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普通のコンビニ店員とかなり変わったお客さん達

小夜子

第12話「初めてクレームをした日」

これは2~3年ほど前の話。
この時、筆者は友人達と出かけていた。
そこそこ遠い場所にある施設に用事があったのだ。
早めに家を出て皆と合流したが、思ったより早く目的地に着いてしまい、お昼の時間帯だし、腹も減ったので、コンビニで何か買おうという話になったので、近くの某コンビニに寄ることにした。




そこで各々会話をしつつ、好きな商品を選び、買い物カゴに入れていく。
レジには現場仕事と思しきオッチャン達がたくさん並び、3台あるレジの列はどこも行列だった。店員たちは必死に会計をして、お客さんをさばいていた。レジの店員は30代ほどの若い男性が2名、40か50ぐらいのオバちゃんが1名。
筆者や友人たちもその列に並び、自分の番を待っていた。




すると、外から沢尻エリカ風の女性客が入ってきた。
デカくて丸い茶色のサングラス、白い洋服にジーンズ…。
若い女の人で歳は20歳前半といった所だ。
女性客は目当ての物が無かったのか、すぐに店を出て行った。
するとオバちゃん店員がいきなりキレ出した。




「何なのよ、アンタ!誰かあのお客さん捕まえてください!!」




と、いきなり怒鳴り、暴れだしたのだ。
そのせいでレジ近くの什器に置かれた煙草が落ち、床に散らばった。店内の誰もが彼もが呆然とし、目を点にした。オバちゃんは若い男性店員に羽交い締めにされ、落ち着くよう説得するが、焼け石に水。オバちゃんは終始怒り続けていた。筆者は床に散らばった煙草を冷静に拾っていた。




当の沢尻エリカ風の女性は気づいていないのか、それとも無視しているのか。
何事もなかったかのように外に停めてある車に乗り込み、走り去った。
精算を済ませ、コンビニの外で微妙な気分になりつつも、軽食を取る筆者と友人たち。
友人たちはそれ以降、その件をコロッと忘れたが…。
筆者はどうしてもそれができなかった。
何故ならその店は筆者が働いている店と同じ系列のコンビニだからだ。
筆者はアルバイトなので、正社員というわけではない。
特に気にしなくてもよかったのだが…。
だが、今回のことでウチのブランドが大きく傷ついたことは間違いない。
店員からすれば同じ系列のお店でも店舗ごとに違うと割り切って考えられる。
だが、一般のお客さんはそういう考え方をしない。
「前に〇〇っていうコンビニですごく不愉快な気分になったから、もう〇〇ってコンビニは使わないし、行かない」と考えるのだ。




コンビニなんて全国津々浦々どこにでもあるし、今や地下鉄の売店もコンビニになった昨今、正直、スタッフなんてピンキリだ。いい店もあれば、もちろん悪い店もあるだろう。だが、お客さんはそうは考えないのだ。これではウチのブランドイメージがマイナスになり、世間の評価が悪くなる。巡り巡って店全体の利益が下がることになる。考え過ぎかも知れないが、筆者にはそう思えてならなかった。そして何より、同じ店員として黙って見過ごすことは絶対にできなかった。




筆者は店名と時間帯を携帯のメモ帳に記録させ、お客様相談室に電話することにした。
その日は日曜日で相談室はお休みなので、次の日の月曜日の朝8時に電話した。




コールスタッフ「はい、〇〇お客様センターです」




俺「すいません、昨日ですね、〇〇店に行ったんですが…」




概要を話すと、コールスタッフは驚きを隠せない様子で言葉に詰まっていた。




コールスタッフ「店員が…ですか?」




恐る恐る尋ねてくるコールスタッフに俺は「ええ」と言い、




俺「おたくではいったい、スタッフにどういう教育をなさっているんですか?」




ここで怒気を強めにして言うが、あくまで丁寧口調。
別に暇つぶしでいちゃもんをつけるクレーマーではないのだ。
あくまでオバちゃん店員の態度を改めさせるためであり、これ以上ブランドイメージを落とさない為のクレームである。なので、必要以上に厳しく言う気はなく、あくまで真実のみを言う。




コールスタッフ「お店の方に確認を取ってみますので、お客様のお名前とお電話番号を教えて頂いてもよろしいですか?」




俺「はい。名前はー」




言われた通り教え、「確認を取れたらすぐにお電話します」との言葉をもらい、電話は切れた。それから1時間後。




コールスタッフ「〇〇様、大変申し訳ございませんでした。確認しました所、どうも情緒不安定な店員のようでして…。お詫びと再発防止に取り掛かりますので…」




コールスタッフは丁寧に説明してくれ、何度も何度も謝罪の言葉を述べてくれた。
最後に「お願いしますよ!」と強く言いつつも、3秒後に電話を優しく切った。
筆者の意見は間違いなく、あの店の店長にも伝わっているだろう。
コールセンターのお言葉は店長のみならず、SVにも伝わるので、あのオバちゃんにはキツイお灸が据えられたことだろうと思う。再発防止も何も、そんな情緒不安定な店員はクビにすればいいだけのような気がするが…そこは人手不足という所があるのだろうか。





さて、小学生の時習った歌に「友達100人できるかな」というものがある。
読者の皆様もきっと1度は聞いたことがあるだろう。
誰もが知るフレーズだが、そんなものは現実に存在しない。
友人が多い人もいれば、少ない人もいる。
だが、この世の全ての人と仲良くできるというのは理想論でしかない。
気が合わない人だっているし、腹の立つ人だって大勢いる。
だが、店員はお客様にはきちんと接する必要がある。
数多くあるコンビニの中からウチを選んでくれたのだという思い。
尚且つ、敵をも味方にするという精神で店員はやっていかなけれならない。
それは何故かというと、店員の給料は元を辿れば、お客様の落とした金だからだ。
お客が一人も来なければ当然店員に給料はない。
そうなれば、店を閉めなければならない。
アルバイトだろうが、正社員だろうが関係ない。
店員の給料はお客様が汗水働いて稼いだ金をわざわざウチに落としたものなのだ。




友達100人は現実には無理だろう。だが、1人でも多くのお客さんと仲良くなる。世間話でも軽くして、思いやりと尊敬を持ち、またこの店に来たいなと思ってもらう。そういうお店にすることが店員にとって最大の使命であり、最も大切なことではないだろうか。それが結果的には店の利益に繋がるのではないだろうか。




初めてクレームをした日であったであったが、色々考えられた貴重な日でもあった。















































          

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