宗狂皇神曲

紙尾鮪

国教

         良かったね。
確かにそう言った。

 その者は知らなかった、
その者が住んでいる国の国教を、
簡単に言うとその宗教とは
金持ち至上主義。

 金を持つものは神と等しく崇めなければならない。
 金持ち達にはあまりにも好都合、いや好都合すぎる。

 しかし利点もある。
 それは皆が金持ちを目指そうと努力する、
それはとても国にとって有益である……が
 その反面、金持ちが貧民に残虐非道を繰り返している事だ。

 例え、金持ちが貧民の村を根絶やしにしようとそれは犯罪にはならない、
そしてその村は崇められ、聖地となる。

 その者がそれを知らなかったのは両親が異教徒だった為にある。
 両親は国教の事を知っていたが信仰するに値しない宗教だと判断したため異教徒となった、
その者に教えなかったのは教育上良くない、
そう思ったから。

 その者はその言葉に腹を立て、殴りかかろうとした、しかし冷静さを欠いた思考回路に強い電流が流れる。

 母が……………

       解体されている。

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