異世界でウサギダンジョン始めました
第19層 真見 燈火 5
 
2人の幼女が目をつむって唇を突き出し、今にも俺に口付けをしようとしているタイミングで目が覚めた。
目を閉じた。
ちゅっ。むちゅっ。
っという、2つの柔らかな感触を両方の頬に感じた俺は改めて目を開けた。
すると目の前には俺の顔を覗き込んでいる美幼女達の姿が。ここは天国かな?
「あっ!本当に起きたの!燈火の言う通りだったの!」
「あ、うん。そうだね~。これで起きなかったら直接唇を合わせなきゃダメなところだったよ~」
・・・なるほど。
「ボーパル。俺は今から2度寝するから燈火の言った方法で起こしてくれ。おやすみ」
「なの?」
「え?」
2人のキョトンとした顔を最後に目を閉じて、リラックスをする。俺は今寝ている。寝ているよ~
「ぐーすかぴー。スヤスヤ~」
「いや、普通はそんな寝言は言わないからね?じゅんにぃも割りとバカだよね」
お前にだけは言われたくない。
と、突っ込みたかったが、俺は今寝ているのだから燈火への返事は返さずに、ちょこっと待っていると、俺のお腹の上と胸の上に何かが跨る感触がした。
それはスベスベとした布地を頂点に、柔らかく、ふわふわとした2本の線が俺の脇へと流れている。
また、胸の上に座り込んだほうの重みはぺたぺたと、俺の胸の上に小さなもみじ型に体重を乗せてきている。
目をつむっているからこそより強く感じる2人の体温と柔らかさ。2人が身じろぎをする度にむにむにとした感触をはっきりと伝えてくる。
すばらしい。やっぱり幼女は最高だぜ。
「ジュンまた寝ちゃったの?でもまた、燈火の方法で起こすなら・・・もう脱がせる服が無いの」
「ちょっと待とうか」
聞き捨てならないセリフを聞いて、ふわふわと空を泳いでいるような快感に沈んでいた意識が一気に覚醒する。
言われてみればなんか寒い気がするし、新しい畳の感触を背中とお尻に直に感じる。また、胸とお腹で感じる確かな重みと体温。ぷにぷにとした幼女のふとももと布越のお尻の感触は『目をつむっているから』では表せられないほどに明瞭だ。
「あっジュンが起きたの!」
ぱっ、と開けた視界では感じたとおり俺の胸の上に跨り、俺を見下ろしているボーパルの姿があった。そしてボーパルの後ろ。俺のお腹の辺りに跨る燈火は何故か俺に背を向けていた。
「・・・とりあえず退こうか。2人とも」
「「はーい」」
俺の方から自分に跨っている幼女に退いてもらうという、前代未聞のお願いをして体の自由を取り戻した俺は、ボーパルと燈火(主に燈火)によって剥ぎ取られ、投げ捨てられたであろう衣服を順番に着ていく。
ボーパルが順番に俺の服を持ってきてくれたり、燈火が俺の着替えシーンをガン見してきたり、俺のパンツが何故か燈火の懐から発見されたりしたが、俺は無事に文明的な格好に戻る事ができた。
「さて、燈火」
「はい。ご馳走様でした」
誰も感想を聞いてはいない。
「なんで俺は寝ている間に裸にされたのか知っているか?」
「私とボーパルちゃんで脱がせたからです!」
「頑張って脱がせたの!」
手を上げて元気に答えられてしまった。大変元気があってよろしい。
「それじゃあどうして服を脱がせたんだ?」
「じゅんにぃを起こすために仕方なく・・・」
「なの。ジュンは全然起きなかったの」
「・・・本音は?」
「じゅんにぃの裸を見たかったからです!」
「なの?」
ダメだこいつ。もう手遅れだ・・・
「はぁ~・・・まぁ、裸を見られた事は一緒に風呂に入るときにお互い見ることになるだろうからいいけど、俺の了承もなしに勝手に服を剥ぐなよ」
「待ってくださいUV様!この行動にはどうしても避けられない理由があったんです!」
「ほぅ。なんだ。言ってみろ」
俺の名前はUV様じゃないし、どんな言い訳も通用しないと思うけど。
「まず、目の前に心の底から愛している世界で一番大好きな相手が寝ているとするでしょ?」
「うん」
「んで、その相手を起こそうと体を揺すっても耳元で名前を呼んでも何しても起きないんだよ」
「ふむふむ」
「そしたらもう服を脱がせて、ちゅーして楽しむしかないでしょ?むしろほっぺにちゅーで我慢した私は完璧で幸福だよ!」
「なるほど。納得した」
それなら仕方ないな。同じ状況で我慢できる自信はあまりない。
・・・ところでさっき、1回目の昼寝から目覚めた後に、何故か燈火が俺のパンツの色を知っていたが、何も関係は無いよな。うん。
「行動の理由は分かったけど、ボーパルに嘘を教えるのは止めろよ?」
「は~い。今度からは1人で襲いま~す」
「いや、襲うなよ。添い寝ぐらいなら許すから。むしろ推奨しておくから」
「なの?ジュンを襲っちゃダメなの!」
襲うという単語に反応したボーパルにひしっと抱きつかれてしまった。かわいい。もう1回添い寝したい。
「いや、べつに攻撃されるわけじゃないから大丈夫だぞ~」
「なの?ジュンが大丈夫って言うならいいの!」
にぱっ!とボーパルが花が咲いたような笑顔を俺に向けてくれた。かわいい。癒される。
「くっ!やっぱりボーパルちゃんは手ごわい!」
「いや、お前の言動が酷いだけだと思うぞ?」
燈火の見た目は大好きだしな。美幼女だし。性格がちょっとアレなのと、前世での関係のせいでちょっときつく当たっちゃってるところはあるけど。
「はっ!そうだった。どうやって私への罰として、じゅんにぃの手で私の服を脱がせる様に誘導しようか考えててまた忘れるところだった!私はじゅんにぃに言いたいことがあるんだったよ!」
やっぱり俺の燈火への当たりは正当な気がしてきた。
「これ!ボーパルちゃんのヘアピン!これじゅんにぃがプレゼントしたんでしょ!私も欲しい!」
「なの?」
ボーパルに飛びつくように近づいた燈火が指し示したのは、いつか俺が町でお土産としてボーパルに買ってきてあげたヘアピンだな。
宝石っぽい石が花の形についた安物のやつ。
「欲しいって言われてもなぁ。町まで行くのメンドイ・・・」
またおっさんに絡まれでもしたら嫌だしなぁ・・・
それに、町まで行くとなるとまたボーパルにお留守番頼まないとダメだしな。
ひとりぼっちは寂しいもんな・・・まぁ、うさぎ達はいっぱいいるけど。
「それでも欲しいの!!ぶっちゃけたらじゅんにぃと町デートがしたいの!!」
「本当にぶっちゃけたなおい・・・」
元々隠すつもりが無かったとも言う。
「ジュン?また町に行ってくるの?」
「ん~、折角キッチンを作ったんだし、食材とか調味料を買ってこようとは思ってたんだよなぁ・・・」
何故かそこらへんだけ不親切なんだよな。花は充実してるのに野菜が無いっていう不思議。
まぁ、DPで出せるアイテムも徐々に増えてるみたいだし、いつか追加されるかもしれないけど。
「やったぁ!じゅんにぃとデ~ト♪じゅんにぃとデ~ト♪」
いや、まだ行くとは言ってないんだが・・・まぁいっか。
「んじゃ、明日の朝一に町へ行こうかね。ボーパルには悪いけど、またお留守番お願いするわ。ちゃんとお土産も買ってくるからさ」
「なの!ちゃんといい子で待ってるの!お供はまたサクラを連れて行くの!もしなにかあれば手遅れになる前にすぐにあたちに連絡するの!分かったの?」
うさみみ幼女に子供扱いされてしまった。
ボーパルママだな。お遊戯会みたいでかわいい。
「はいよ、母さん。心配しなくても無事に帰ってくるって」
「なの~。晩御飯までには帰ってくるの!」
「え!?じゅんにぃとボーパルちゃんってそういう関係だったの!?つまりボーパルちゃんは私の義母様!?」
やべぇ。想像以上のバカがいる。というかお前は俺の母親を知ってるだろうに。
いや、流石にネタでボケただけだよな?そうだと信じるぞ。
「まぁ、こいつは置いておくとして、町へは前回の冒険セットで行けばいいよな。一応サクラのリュックの中身も新調しておくとして・・・」
「私、服がこれしかないんだよねぇ・・・じゅんにぃ新しい服買って!じゅんにぃのお古のYシャツでもいいよ?裸Yシャツ!」
裸になる必要性は一体どこにあるんだ。家でなら別にいいけど、その格好の燈火を町中で連れ歩くのは嫌だぞ。
「お前の身長じゃ、ぶかぶかすぎて似合わんだろ。あれは裾がギリギリだからいいんだ」
「なるほど。じゃあじゅんにぃのシャツはパジャマにするから、私のサイズにあった裸Yシャツ用のシャツ買って!」
「いや、新品を買うなら普通にかわいい服を買えよ」
裸Yシャツの何がお前をそこまでさせるんだ。
「なの!そういえば1つ気になってる事があるの」
この騒ぎの中、我関せずと窓際でお昼寝を続けていたサクラを起こして、明日の町への訪問の件を説明していたボーパルが不意に話に戻ってきた。
「ん~?どうしたんだボーパル?なにか買ってきて欲しいものでもあるのか?」
「違うの。あたちはおいしい草と安全な寝床があれば問題ないの!ただ・・・」
そこで言葉を切ったボーパルは燈火の方を見てコテンとかわいらしく首を傾げる。
「・・・燈火はどうやってこのダンジョンを出るの?」
「え?」
「あれ?」
「なの?」
えーっと、落ち着いて整理しよう。
このダンジョンから外へと通じてるのはボーパルがやっと通れるぐらいの穴のみ。
燈火がこのダンジョンに入ってきたときはこの穴を10キロ程落っこちてきたんだろう。
・・・よく無傷で着地できたな。
「・・・燈火。壁キックで10キロほど登れる?」
「・・・流石の私でも無理だよ・・・」
「・・・ボーパル。燈火を背負って地上に上がれる?」
「むぅ。ちょっと厳しいの。うさぎ2羽ぐらいならなんとかなるの」
という事は、だ。
・・・やったねボーパル!仲間が増えるよ!
2人の幼女が目をつむって唇を突き出し、今にも俺に口付けをしようとしているタイミングで目が覚めた。
目を閉じた。
ちゅっ。むちゅっ。
っという、2つの柔らかな感触を両方の頬に感じた俺は改めて目を開けた。
すると目の前には俺の顔を覗き込んでいる美幼女達の姿が。ここは天国かな?
「あっ!本当に起きたの!燈火の言う通りだったの!」
「あ、うん。そうだね~。これで起きなかったら直接唇を合わせなきゃダメなところだったよ~」
・・・なるほど。
「ボーパル。俺は今から2度寝するから燈火の言った方法で起こしてくれ。おやすみ」
「なの?」
「え?」
2人のキョトンとした顔を最後に目を閉じて、リラックスをする。俺は今寝ている。寝ているよ~
「ぐーすかぴー。スヤスヤ~」
「いや、普通はそんな寝言は言わないからね?じゅんにぃも割りとバカだよね」
お前にだけは言われたくない。
と、突っ込みたかったが、俺は今寝ているのだから燈火への返事は返さずに、ちょこっと待っていると、俺のお腹の上と胸の上に何かが跨る感触がした。
それはスベスベとした布地を頂点に、柔らかく、ふわふわとした2本の線が俺の脇へと流れている。
また、胸の上に座り込んだほうの重みはぺたぺたと、俺の胸の上に小さなもみじ型に体重を乗せてきている。
目をつむっているからこそより強く感じる2人の体温と柔らかさ。2人が身じろぎをする度にむにむにとした感触をはっきりと伝えてくる。
すばらしい。やっぱり幼女は最高だぜ。
「ジュンまた寝ちゃったの?でもまた、燈火の方法で起こすなら・・・もう脱がせる服が無いの」
「ちょっと待とうか」
聞き捨てならないセリフを聞いて、ふわふわと空を泳いでいるような快感に沈んでいた意識が一気に覚醒する。
言われてみればなんか寒い気がするし、新しい畳の感触を背中とお尻に直に感じる。また、胸とお腹で感じる確かな重みと体温。ぷにぷにとした幼女のふとももと布越のお尻の感触は『目をつむっているから』では表せられないほどに明瞭だ。
「あっジュンが起きたの!」
ぱっ、と開けた視界では感じたとおり俺の胸の上に跨り、俺を見下ろしているボーパルの姿があった。そしてボーパルの後ろ。俺のお腹の辺りに跨る燈火は何故か俺に背を向けていた。
「・・・とりあえず退こうか。2人とも」
「「はーい」」
俺の方から自分に跨っている幼女に退いてもらうという、前代未聞のお願いをして体の自由を取り戻した俺は、ボーパルと燈火(主に燈火)によって剥ぎ取られ、投げ捨てられたであろう衣服を順番に着ていく。
ボーパルが順番に俺の服を持ってきてくれたり、燈火が俺の着替えシーンをガン見してきたり、俺のパンツが何故か燈火の懐から発見されたりしたが、俺は無事に文明的な格好に戻る事ができた。
「さて、燈火」
「はい。ご馳走様でした」
誰も感想を聞いてはいない。
「なんで俺は寝ている間に裸にされたのか知っているか?」
「私とボーパルちゃんで脱がせたからです!」
「頑張って脱がせたの!」
手を上げて元気に答えられてしまった。大変元気があってよろしい。
「それじゃあどうして服を脱がせたんだ?」
「じゅんにぃを起こすために仕方なく・・・」
「なの。ジュンは全然起きなかったの」
「・・・本音は?」
「じゅんにぃの裸を見たかったからです!」
「なの?」
ダメだこいつ。もう手遅れだ・・・
「はぁ~・・・まぁ、裸を見られた事は一緒に風呂に入るときにお互い見ることになるだろうからいいけど、俺の了承もなしに勝手に服を剥ぐなよ」
「待ってくださいUV様!この行動にはどうしても避けられない理由があったんです!」
「ほぅ。なんだ。言ってみろ」
俺の名前はUV様じゃないし、どんな言い訳も通用しないと思うけど。
「まず、目の前に心の底から愛している世界で一番大好きな相手が寝ているとするでしょ?」
「うん」
「んで、その相手を起こそうと体を揺すっても耳元で名前を呼んでも何しても起きないんだよ」
「ふむふむ」
「そしたらもう服を脱がせて、ちゅーして楽しむしかないでしょ?むしろほっぺにちゅーで我慢した私は完璧で幸福だよ!」
「なるほど。納得した」
それなら仕方ないな。同じ状況で我慢できる自信はあまりない。
・・・ところでさっき、1回目の昼寝から目覚めた後に、何故か燈火が俺のパンツの色を知っていたが、何も関係は無いよな。うん。
「行動の理由は分かったけど、ボーパルに嘘を教えるのは止めろよ?」
「は~い。今度からは1人で襲いま~す」
「いや、襲うなよ。添い寝ぐらいなら許すから。むしろ推奨しておくから」
「なの?ジュンを襲っちゃダメなの!」
襲うという単語に反応したボーパルにひしっと抱きつかれてしまった。かわいい。もう1回添い寝したい。
「いや、べつに攻撃されるわけじゃないから大丈夫だぞ~」
「なの?ジュンが大丈夫って言うならいいの!」
にぱっ!とボーパルが花が咲いたような笑顔を俺に向けてくれた。かわいい。癒される。
「くっ!やっぱりボーパルちゃんは手ごわい!」
「いや、お前の言動が酷いだけだと思うぞ?」
燈火の見た目は大好きだしな。美幼女だし。性格がちょっとアレなのと、前世での関係のせいでちょっときつく当たっちゃってるところはあるけど。
「はっ!そうだった。どうやって私への罰として、じゅんにぃの手で私の服を脱がせる様に誘導しようか考えててまた忘れるところだった!私はじゅんにぃに言いたいことがあるんだったよ!」
やっぱり俺の燈火への当たりは正当な気がしてきた。
「これ!ボーパルちゃんのヘアピン!これじゅんにぃがプレゼントしたんでしょ!私も欲しい!」
「なの?」
ボーパルに飛びつくように近づいた燈火が指し示したのは、いつか俺が町でお土産としてボーパルに買ってきてあげたヘアピンだな。
宝石っぽい石が花の形についた安物のやつ。
「欲しいって言われてもなぁ。町まで行くのメンドイ・・・」
またおっさんに絡まれでもしたら嫌だしなぁ・・・
それに、町まで行くとなるとまたボーパルにお留守番頼まないとダメだしな。
ひとりぼっちは寂しいもんな・・・まぁ、うさぎ達はいっぱいいるけど。
「それでも欲しいの!!ぶっちゃけたらじゅんにぃと町デートがしたいの!!」
「本当にぶっちゃけたなおい・・・」
元々隠すつもりが無かったとも言う。
「ジュン?また町に行ってくるの?」
「ん~、折角キッチンを作ったんだし、食材とか調味料を買ってこようとは思ってたんだよなぁ・・・」
何故かそこらへんだけ不親切なんだよな。花は充実してるのに野菜が無いっていう不思議。
まぁ、DPで出せるアイテムも徐々に増えてるみたいだし、いつか追加されるかもしれないけど。
「やったぁ!じゅんにぃとデ~ト♪じゅんにぃとデ~ト♪」
いや、まだ行くとは言ってないんだが・・・まぁいっか。
「んじゃ、明日の朝一に町へ行こうかね。ボーパルには悪いけど、またお留守番お願いするわ。ちゃんとお土産も買ってくるからさ」
「なの!ちゃんといい子で待ってるの!お供はまたサクラを連れて行くの!もしなにかあれば手遅れになる前にすぐにあたちに連絡するの!分かったの?」
うさみみ幼女に子供扱いされてしまった。
ボーパルママだな。お遊戯会みたいでかわいい。
「はいよ、母さん。心配しなくても無事に帰ってくるって」
「なの~。晩御飯までには帰ってくるの!」
「え!?じゅんにぃとボーパルちゃんってそういう関係だったの!?つまりボーパルちゃんは私の義母様!?」
やべぇ。想像以上のバカがいる。というかお前は俺の母親を知ってるだろうに。
いや、流石にネタでボケただけだよな?そうだと信じるぞ。
「まぁ、こいつは置いておくとして、町へは前回の冒険セットで行けばいいよな。一応サクラのリュックの中身も新調しておくとして・・・」
「私、服がこれしかないんだよねぇ・・・じゅんにぃ新しい服買って!じゅんにぃのお古のYシャツでもいいよ?裸Yシャツ!」
裸になる必要性は一体どこにあるんだ。家でなら別にいいけど、その格好の燈火を町中で連れ歩くのは嫌だぞ。
「お前の身長じゃ、ぶかぶかすぎて似合わんだろ。あれは裾がギリギリだからいいんだ」
「なるほど。じゃあじゅんにぃのシャツはパジャマにするから、私のサイズにあった裸Yシャツ用のシャツ買って!」
「いや、新品を買うなら普通にかわいい服を買えよ」
裸Yシャツの何がお前をそこまでさせるんだ。
「なの!そういえば1つ気になってる事があるの」
この騒ぎの中、我関せずと窓際でお昼寝を続けていたサクラを起こして、明日の町への訪問の件を説明していたボーパルが不意に話に戻ってきた。
「ん~?どうしたんだボーパル?なにか買ってきて欲しいものでもあるのか?」
「違うの。あたちはおいしい草と安全な寝床があれば問題ないの!ただ・・・」
そこで言葉を切ったボーパルは燈火の方を見てコテンとかわいらしく首を傾げる。
「・・・燈火はどうやってこのダンジョンを出るの?」
「え?」
「あれ?」
「なの?」
えーっと、落ち着いて整理しよう。
このダンジョンから外へと通じてるのはボーパルがやっと通れるぐらいの穴のみ。
燈火がこのダンジョンに入ってきたときはこの穴を10キロ程落っこちてきたんだろう。
・・・よく無傷で着地できたな。
「・・・燈火。壁キックで10キロほど登れる?」
「・・・流石の私でも無理だよ・・・」
「・・・ボーパル。燈火を背負って地上に上がれる?」
「むぅ。ちょっと厳しいの。うさぎ2羽ぐらいならなんとかなるの」
という事は、だ。
・・・やったねボーパル!仲間が増えるよ!
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