異世界でウサギダンジョン始めました

テトメト@2巻発売中!

第18層 真見 燈火 4

「じゅんにぃ!これはどういうことなの!?」
「うおっ!?なんだ!?」
「きゅい~?」

ボーパルが燈火を引きずりながら外に遊びに行ったので、サクラを抱き枕にしながら陽の差す畳の上でお昼寝するという限りなく贅沢で幸福な時間を過ごしていたんだが、突然ふすまをバーン!と開けながら登場した燈火によって平穏な時間はぶち壊された。

・・・短い平穏だったな・・・

「さあ!じゅんにぃ!説明してもらおうか!」
「へいへい。今度はどうした?好きな食べ物の種類も、好きな幼女の種類も、好きな髪型の種類も、好きな下着の種類も教えただろ?今度は何が聞きたいんだ?俺が今履いてるパンツの色か?」

どうせくだらない理由だってことだけは分かってる。
だって、燈火がコメディパートの顔してるし。いや、燈火ならシリアスな顔でくだらない事を垂れ流しする気もするけど。

・・・あれ?じゃあ燈火がシリアスな事を言う機会は一生訪れないんじゃ・・・
やめよう。悲しくなる。

「それは知ってるからいいよ!」
「ちょっと待て。なんでお前が俺のパンツの色を知ってるんだ。いつ見たんだよ」

俺は燈火と会ってから1度もズボンを脱いでないと思うんだが・・・

こわっ!幼女じゃなかったら通報してたぞ。

「はっ!私だけがじゅんにぃの履いてるパンツを知ってるのが不満なんだね!じゃあ私のパンツも見たらいいとよ!じっくりねっとり舐め回すように堪能したらいいよ!なんなら舐め回して堪能してもいいよ!むしろいいよ!」
「・・・それで、何を聞きたいんだ?」

『はっ!』じゃねぇよ。なんでいいこと思いついた!みたいなドヤ顔してるんだよ。お前の思考回路は常にそっち方面にしか繋がらないのかよ!

「そうだよ!じゅんにぃを尋問しなくちゃいけない事があるんだよ!私のパンツは後でじゅんにぃの枕元に置いておくよ!もちろん脱ぎたてホカホカでね!」ドヤァ
「何故そこでドヤ顔をするのか」

ヤバイ。何がヤバイって幼馴染の頭の中がヤバイ。もはや脳内ピンク色だとかいう優しい色じゃ表せなくなってきてる気がする。

「自分がされて嬉しい事を相手にしてあげるのは当然の事じゃない!じゅんにぃも私にプレゼントしてくれてもいいんだよ?一緒のお布団に入って、お互いにパンツを脱いで交換するの!!」
「・・・燈火は今日も絶好調なようで何よりだ」

恋する乙女みたいな顔してキジルシみたいなこと言ってきたでござる。
燈火が幼女じゃなかったら今すぐに縁を切っていたな。物理で。

「ジュン見つけたの!」

と、そこへ我らが天使の登場だ。
今日も元気いっぱいにぴょんぴょんしているボーパルは無邪気かわいいなぁ~。ワンピースが翻って今にも見えそうなサクランボと今にも見えてるパンツがキュートです。
一緒にお風呂に入るときとかは普通に見えてるけど、こうして服の隙間からチラッと見えるのはまた趣きが違って非常にグッドです。あぁ~心がぴょんぴょんするんじゃ~

「ボーパルは今日もかわいいなぁ~」なでなで
「えへへ~」ウサウサピコピコ(うさみみとうさしっぽが振られる音)

あ~癒される。やっぱり幼女はこうでないと。
隣のは幼女の皮を被った名状しがたき何かだしな。ロリババアも嫌いじゃないけど。

「なんてこと!これが私とボーパルちゃんの幼女力の差だと言うの!?」

いや、幼女力もだけど、燈火の言動は基本的に邪気に塗れまくってるんだよ。喋らなければかわいいのに。

「くっ!でも私は諦めない!幼女力の差が戦力の決定的差でないということを教えてあげる!」

「お前はどこの赤い彗星だ」

それにこの戦争では幼女力の差が決定的な差になると思うんだが・・・
まぁ、そこまで言うなら見せてもらおうか。真見 燈火の性能とやらを。

「ん?燈火もジュンになでなでして欲しいの?じゃあ代わってあげるの!」
「え?ホント!?」

「燈火はあたちの友達なの!これぐらいとーぜんなの!」
「神様、仏様、ボーパル様!一生ついていきます!!」

「なの!ずっと友達なの!」
「ははぁ~。ありがたき幸せ~」

真見 燈火の性能(笑)
うさみみ幼女になでなでの権利を譲ってもらい、平伏している精神年齢18歳の女の子がいるらしいよ。

お前はそれでいいのか燈火よ・・・

「さぁ、じゅんにぃ!私の頭を満足するまで撫で続けていいよ!満足しても撫で続けていいよ!もちろん頭以外もなでなでしてくれてもいいんだよ!!」
「なの!」
「はいはい。分かった分かった」

ボーパルがちっちゃな両手で俺の右手を掴み、自分の頭から燈火の頭へと移したのでそのまま燈火の頭をなでなでする。
この前も思ったけど、燈火の頭は指に吸い付く感触が気持ちいいな。燈火じゃないけど、このままずっと撫で続けていたくなる。

「はふぅ・・・ふにゃぁ・・・ひあぁん・・・ふみゅぅ・・・」
「お~い、燈火。口からなんか漏れてるぞ~」

頭しか撫でてないのに、年頃の少女が漏らしてはいけない類の声が出てる気がするんだが・・・

「だって・・・じゅんにぃのなでなでが・・・すごく気持ちよくって・・・ふにゅぅ・・・」
「なの!ジュンのなでなでは世界一なの!!」

頭なでなでは幼女の警戒心を解く手っ取り早い手段の1つだからな。前世で血反吐を吐くほど練習したおかげで、幼女に限り相手の望むなでなでを出来るようになった。幼女マイスターとしては当然のスキルだよな。同士の間でもこれぐらいはみんな出来てたし。

「じゅんにぃ・・・これからも毎日私の頭を撫でて・・・はぅぅ・・・」
「・・・新手のプロポーズかな?」

味噌汁的な感じで。
これから毎日幼女の頭を撫でようぜ!

「なの!あたちももっとなでなでして欲しいの!」
「はい!喜んで!」

ボーパルからのお願いだからね。仕方ないね。
とりあえずお腹あたりからなでなでしていこうかな?

「・・・あ、そういえば燈火は何か俺に話があったんじゃなかったか?」

なんかそんなことを言っていた気がする。気づいたら話がずれていて忘れてたけど。

「あぁ・・・うん。そうだったけど・・・なんかもういいや・・・ふにゅ・・・」

ダメだ。燈火が顔が赤くなって、体中ふにゃふにゃの垂れ燈火になってしまっていて、知性がどっかいってる。
でも同時に邪気もどっかいったから普通の幼女に見える。かわいい。
燈火は頭をなでなでするとかわいい幼女形態になる。俺、覚えた。

「よっこいしょっと」
「ふにゅぅ・・・?」

ふにゃふにゃになった燈火をひょいと持ち上げて、畳の上にあぐらをかいた俺の足の間に座らせてなでなでを再開する。
ふにゃふにゃで倒れそうだったからね。仕方ないね。

「ふぇ・・・じゅんにぃ・・・じゅんにぃ・・・」
「ん~?どうした~?」

突然俺の上に座らされ、キョトンとしていた燈火だが、なでなでを再開すると、またふにゃふにゃになって俺の体へと寄りかかってくる。
やっぱり邪気の無い燈火は純粋にかわいいなぁ~。これからは燈火が暴走したら強制的に頭をなでなでして黙らせよう。そうしよう。

「うぅんとね・・・えっとね・・・呼んでみただけ~」
「うわぁ、うぜぇ・・・」

「えへへ~」

かわいい。誰だコイツ。本当に燈火か?実は別の人格になったんじゃないか?まぁ、かわいいからいっか。

「なの!やっぱりあたちも混ぜてなの~~!!」

俺が足に乗せた燈火をなでなでしていると、さっきから視界の端でうずうずしていたボーパルがついに堪え切れなくなって飛びついてきた。
もちろん予測できていた俺は、燈火を一旦右足の上に置いて、左手で飛んできたポーパルを受け止めて左足の上に降ろした。
燈火は俺に背中を預けるように座ってるけど、ボーパルは俺に抱きついてきてるな。

「あ、ずるい!私もじゅんにぃに抱きつく!」

ボーパルをキャッチするために、なでなでの呪縛から逃れた燈火も、俺の脚の上でクルンと器用に半回転すると、コアラの様に俺に抱きついてきた。
あぐらをかく俺の両足の上に陣取り、俺の体をぎゅ~と抱きしめている2人の幼女から何かを期待するようなキラキラした目が向けられている・・・

「はいはい。2人とも。かわいい。かわいい」なでなで
「「~~~!」」

2人の後ろに回した両手で頭をなでなでしてやると、どうやら正解だったらしく、2人とも声にならない声を上げながら、更にぎゅ~っと俺に抱きつき、すりすりと頬ずりをするように、俺の胸に顔を擦りつけて来た。
かわいいやつらめ。よしよし。

しばらくそのままボーパルと燈火が甘えてくるがままに頭をなでなでしてやってたんだが、十分もしないうちに、2人ともぐっすりと眠ってしまった。
ついさっきまで、ボーパルに付き合って草原エリアを駆け回っていたんだろうし、そりゃ緊張が緩めば眠くもなるわな。

膝の上で、気持ちよさそうにお昼寝している2人を起こす気には到底なれなかった俺は、そのままゆっくりと上体を倒し寝転がると、俺の体を布団代わりにして天使のような寝顔で眠ている2人をそっと抱きしめて瞼を閉じた。

い草の匂いと、ちょっと香る汗の匂い。それに俺の胸の上でスースーと穏やかな寝息を立てるボーパルと燈火の匂いに包まれて見る夢はきっと幸せな物だろう。

ボーパル。燈火。おやすみ・・・

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