ユエとリィアンの冒険

ノベルバユーザー173744

今日は久しぶりに洗濯したよ

ママはフンフンと鼻歌を歌っている。

でも、『ジュビター』はやめた方がいいと思う。
だって、今、ベランダで洗濯物を干してるんだもん。
本気で歌い始めたら危険だよ⁉
凶器だよ‼

と心配しているのに、月花げっかがブリキのバケツをひっくり返して叩き始めた。
それだけならましなのに、ユエが……、

「わぁぁ‼何してるの‼」
「楽器‼」
「駄目だよ‼それ、ママのパワーストーンのブレスレット用の丸玉の入っているケースじゃない‼パワーストーン割れたら、ママ気絶するよ‼持つならこっち‼パワーストーンのざらめ石の入った小ビン‼こっちにして‼」

手渡すと、次々に手が出てくる。

「僕も‼」
「私も‼」
「合奏する‼」

小ビンは8つ。
そして、チマチマチーキー水晶きららも、

「あたちも‼」
「はーい、これで終わり。じゃぁ、何を演奏するの?」
「『おもちゃの歌』~‼」



ママがよく歌っていた歌である。
手を叩いていたのを覚えていたらしい。

「私もしたかったなぁ……」

シェリーメイの声に、

「はい。これ」

とユエが渡してる。

おぉっ‼ユエが人に譲る⁉

と、リィアンはビックリすると、

「ユエ、あれを楽器にする~‼」

とテコテコ歩いていき、上から取ったのは、

「わぁぁぁ‼ママのケチケチ貯金箱‼」
「ほら‼良い音するもん」

ガッシャガッシャ、

缶の貯金箱が重たい音がする。

「わーい、じゃぁ、チャチャチャで、鳴らすよ~‼」
「「「「はーい!」」」」
「せーの‼」

と、始めてしまった。

ドンドン、カッシャカッシャ、ガッチャガッチャに、外からママが飛び込んでくる。

「なっ?何してるの?」

言いながら、ベランダのサッシを閉ざす。

「おもちゃの歌だよ?」
「わぁぁ‼ダメダメ‼ものすごく大きな音がするから‼かわりにオルゴールかけてあげるから遊んで、ね?」

と言うことで取り上げられたのだった。

代わりに、ママの大好きな『雪の女王』とか、エーデルワイスのオルゴールを聞きながら遊んだのだった。

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