ユエとリィアンの冒険

ノベルバユーザー173744

おうちのお掃除をして喜んだのは

一番喜んだのは、リィアンである。

ママがまだ出していなかった本のケースから出てきた専門書の数々に、もうそろそろ読む本がないなぁと思っていたリィアンは喜んだ。

ちなみに、出てきた本は、ママの好きな中国の伝説説話集と、ママが、

「奈良時代とも呼ばれている白鳳時代とか飛鳥時代とか勉強しておきたいと、時代物を書くために集めていた地域研究書がぁぁ」

と何度も家捜し兼リィアン達には家荒らしにしか見えない、いるものも要らないものも一旦移動積み上げ、上には服で隠すと言う方法で狭い部屋をますます狭くしていた為に見つからなかった本が多数発掘。

しかも、文化財を修復する方法と言う写真入りの薄いけれど専門書も見つけ、ママは大喜び。

「やったぁ~‼武器事典、楽器事典、テディベア修復専門事典に続く専門書~‼」

踊り出すママに、

「ママ……本棚買うか、本を売ろうよ」
「えっ?」

読書は好きだが、狭い部屋に、高さの低い棚ではあるものの壁にある棚や引き出しがあると言うのに、引き出しや棚に本などが出し入れできないほど積み上がっているプラスティックのブックケース4箱。
しかも、それ以外にリィアンが見つけたのだ。30冊ほど……。

「ものが多すぎるよ、ママ。自分のお洋服とかより、僕たちテディベアの数の方がどう見ても多いでしょ?それに、本棚大きいのと小さいのギリギリで、その上、上の隙間に押し込んでるのに、これだよー?それに、専門書の本を並べている棚の前に荷物があると、僕、本読めないよ……」
「あ、あう……」
「大好きな本ばっかりだってわかるよ?でもね?棚の前に箱って絶対お家の汚れる元だよ。だから、読まなくなった本を減らすか、大きな本だな買ってきて。そうすれば入るから」
「……売りに行きます」
「良かった‼ママ、でも、リィアンの好きな専門書とか、僕たちの兄弟の事典は売らないでね?」

リィアンは微笑むと、

「本を売ったら、そのお金で、多肉植物の図鑑とか買えるかもね?」
「そっかぁぁ‼リィアンちゃん偉いね~‼ママそうするよ。それに山野草図鑑も欲しいなぁ」

ワクワクとするママが本を選び出したのを見て、他の兄弟は、リィアンには反抗しないようにしようと決めたのだった。

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