最弱の英雄
一章 19話 「”ピエロ”」
男に蹴られたライトは、そのまま地面を転がり、ソラとファリアによって止められた。
「大丈夫かい? ライト」
「ライト君、考えずに特攻したらダメだよ! 」
腰に手をやりライトを叱るファリアに、ライトは頭を掻きながら
「あぁ、悪かった、んで、あいつはなんなんだ?」
「あいつは…信じられないと思うけど、黒魔道士の幹部の1人、『ピエロ』よ」
聞いたことの無い言葉にライトは首を傾げる
「黒魔道士? ピエロ? なんだそれは?」
「えっ…? 知らないの?」
素直に頷くライトにファリアは驚いた顔をする、ファリアはピエロと言ったが、ライトの知るピエロとはサーカスなどで人を笑わせ、楽しませる存在だ、この男とは断じて違う。
「これはこれはぁ…女王候補の1人のファリア様がワタクシの事をご存知だったとはぁ…! ワタクシはもう感無量でございます!」
「知ってるに決まってるでしょう。黒魔道士達は犯罪者の集まりなのだから、それにあなたが8年前にやった事は忘れないわ!」
「ほぅ…8年前ですかぁ…懐かしいですねぇ、あれほどワタクシを震え上がらせた人物はあの者の他にいないでしょうねぇ…」
「あなただけは…絶対に許さない、この国の人々全員がそう思ってるわよ」
「ワタクシにとっては憎まれる事は大歓迎でございますよぉ……さて、そろそろファリア様も捕らえさせていただきましょうかねぇ」
そう言ってピエロは短剣を構え、戦闘態勢に入る、こちらも3人ともそれぞれ戦闘態勢に入る、ソラは拳を構え、ライトは折れた剣を構え、ファリアは宝剣のような美しい剣を構える。
「ではぁ…いきますよぉ!」
ピエロが凄まじい速度でこちらへ向かってくる、ライトは咄嗟の事で反応できなかったが、ソラとファリアはちゃんと反応して動けていた。
ファリアがピエロの短剣を弾き、ソラが電気を纏った拳で殴り、ピエロから距離をとる。
「あ…え?」
ライトは目の前で起こった事に対応できず、間抜けな声がでる。
「ライト! しっかりして! でないと殺されるよ!」
ソラがピエロから目を離さずに、声だけでライトに注意をする。
「あ、ああ、悪い」
先にピエロと戦っていた2人がピエロに吹き飛ばされる、そして2人に変わるようにライトがピエロの元に走る。
剣を当てるだけで自分の勝ちだ、とライトはピエロにがむしゃらに剣を振りまくる。だがライトの剣は全て避けられる。
「くそっ! なんでっ! 当たんねぇんだよ!」
まだまだがむしゃらに剣を振り続ける。
「…アナタ」
ピエロが剣を避けながら口を開く
「アナタ、ワタクシを殺す気、あるんですか?」
「あぁ⁉︎」
「アナタの攻撃からはワタクシを殺そうという思いが伝わってこない。 つまらないですねぇ…」
ピエロが短剣でライトの剣を弾く、弾かれた剣はピエロの後ろへ転がった、剣が無くなったライトはどうすればいいかパニックになる
「ほら、本当にワタクシを殺すつもりなら、剣が無くなったくらいではそんなに動揺しないですよ、剣が無くなれば拳で、拳が無くなれば脚で戦い相手を殺す。 そんな覚悟も無いのに、よくもワタクシに死ねなんて言えましたねぇ」
ピエロは呆れた声でライトを睨みつける
「アナタに少しでも期待したワタクシが間違っていたようですねぇ…アナタは少し、あの者に雰囲気が似ていたものですから、残念です」
「あ、あれ…?」
すぐにピエロから離れないといけないのに、ライトの足が震えて動けないのだ、ライトはさらにパニックになる。
「な、なんで…動けよ足!」
「敵の前でそんな醜態を晒すとは…どこまでもワタクシを失望させるのですねぇ、もう結構です、死になさい」
ピエロが短剣を振り下ろし、ライトが斬られる………と思っていたが、なかなか痛みが襲ってこない、おそるおそる目を開けると、ファリアがライトに振り下ろされるはずだった短剣をファリアの剣で防いでいた。
「ファリア!」
「早く後ろに下がって!」
ファリアに言われた通り後ろへと下がる、そしてソラもファリアに加勢し、またしてもライト以外の3人の戦闘が始まる。
「…何やってんだよ俺…全然役に立ってねぇじゃねぇか」
3人の高レベルな戦闘を見て、ライトは自信をなくして下を向いてしまう。
2人ともあんなに頑張って戦っているのに、ライトは足を引っ張るばかり、しまいには相手にも呆れられてしまった。
「……ト君! ライト君!」
「ライト! 早く逃げて!」
2人の声に気づき前を見ると、ファリアとソラの2人がこちらに走ってきていた、そこにはピエロの姿は無かった。
「2人共! ピエロはどこ行ったんだ⁉︎」
ライトはピエロを探すため周りを見回す
「…本当に、アナタには失望してばかりですねぇ…」
ライトは今になって分かる、ソラとファリアが必死にライトの方に走ってきていた理由に、ソラがライトに「逃げて」と言った理由に。
ライトはおそるおそる声の聞こえた後ろを見るため振り返る、そして、後ろにいたピエロと目があった瞬間、ライトはピエロの短剣に斬られた。
「大丈夫かい? ライト」
「ライト君、考えずに特攻したらダメだよ! 」
腰に手をやりライトを叱るファリアに、ライトは頭を掻きながら
「あぁ、悪かった、んで、あいつはなんなんだ?」
「あいつは…信じられないと思うけど、黒魔道士の幹部の1人、『ピエロ』よ」
聞いたことの無い言葉にライトは首を傾げる
「黒魔道士? ピエロ? なんだそれは?」
「えっ…? 知らないの?」
素直に頷くライトにファリアは驚いた顔をする、ファリアはピエロと言ったが、ライトの知るピエロとはサーカスなどで人を笑わせ、楽しませる存在だ、この男とは断じて違う。
「これはこれはぁ…女王候補の1人のファリア様がワタクシの事をご存知だったとはぁ…! ワタクシはもう感無量でございます!」
「知ってるに決まってるでしょう。黒魔道士達は犯罪者の集まりなのだから、それにあなたが8年前にやった事は忘れないわ!」
「ほぅ…8年前ですかぁ…懐かしいですねぇ、あれほどワタクシを震え上がらせた人物はあの者の他にいないでしょうねぇ…」
「あなただけは…絶対に許さない、この国の人々全員がそう思ってるわよ」
「ワタクシにとっては憎まれる事は大歓迎でございますよぉ……さて、そろそろファリア様も捕らえさせていただきましょうかねぇ」
そう言ってピエロは短剣を構え、戦闘態勢に入る、こちらも3人ともそれぞれ戦闘態勢に入る、ソラは拳を構え、ライトは折れた剣を構え、ファリアは宝剣のような美しい剣を構える。
「ではぁ…いきますよぉ!」
ピエロが凄まじい速度でこちらへ向かってくる、ライトは咄嗟の事で反応できなかったが、ソラとファリアはちゃんと反応して動けていた。
ファリアがピエロの短剣を弾き、ソラが電気を纏った拳で殴り、ピエロから距離をとる。
「あ…え?」
ライトは目の前で起こった事に対応できず、間抜けな声がでる。
「ライト! しっかりして! でないと殺されるよ!」
ソラがピエロから目を離さずに、声だけでライトに注意をする。
「あ、ああ、悪い」
先にピエロと戦っていた2人がピエロに吹き飛ばされる、そして2人に変わるようにライトがピエロの元に走る。
剣を当てるだけで自分の勝ちだ、とライトはピエロにがむしゃらに剣を振りまくる。だがライトの剣は全て避けられる。
「くそっ! なんでっ! 当たんねぇんだよ!」
まだまだがむしゃらに剣を振り続ける。
「…アナタ」
ピエロが剣を避けながら口を開く
「アナタ、ワタクシを殺す気、あるんですか?」
「あぁ⁉︎」
「アナタの攻撃からはワタクシを殺そうという思いが伝わってこない。 つまらないですねぇ…」
ピエロが短剣でライトの剣を弾く、弾かれた剣はピエロの後ろへ転がった、剣が無くなったライトはどうすればいいかパニックになる
「ほら、本当にワタクシを殺すつもりなら、剣が無くなったくらいではそんなに動揺しないですよ、剣が無くなれば拳で、拳が無くなれば脚で戦い相手を殺す。 そんな覚悟も無いのに、よくもワタクシに死ねなんて言えましたねぇ」
ピエロは呆れた声でライトを睨みつける
「アナタに少しでも期待したワタクシが間違っていたようですねぇ…アナタは少し、あの者に雰囲気が似ていたものですから、残念です」
「あ、あれ…?」
すぐにピエロから離れないといけないのに、ライトの足が震えて動けないのだ、ライトはさらにパニックになる。
「な、なんで…動けよ足!」
「敵の前でそんな醜態を晒すとは…どこまでもワタクシを失望させるのですねぇ、もう結構です、死になさい」
ピエロが短剣を振り下ろし、ライトが斬られる………と思っていたが、なかなか痛みが襲ってこない、おそるおそる目を開けると、ファリアがライトに振り下ろされるはずだった短剣をファリアの剣で防いでいた。
「ファリア!」
「早く後ろに下がって!」
ファリアに言われた通り後ろへと下がる、そしてソラもファリアに加勢し、またしてもライト以外の3人の戦闘が始まる。
「…何やってんだよ俺…全然役に立ってねぇじゃねぇか」
3人の高レベルな戦闘を見て、ライトは自信をなくして下を向いてしまう。
2人ともあんなに頑張って戦っているのに、ライトは足を引っ張るばかり、しまいには相手にも呆れられてしまった。
「……ト君! ライト君!」
「ライト! 早く逃げて!」
2人の声に気づき前を見ると、ファリアとソラの2人がこちらに走ってきていた、そこにはピエロの姿は無かった。
「2人共! ピエロはどこ行ったんだ⁉︎」
ライトはピエロを探すため周りを見回す
「…本当に、アナタには失望してばかりですねぇ…」
ライトは今になって分かる、ソラとファリアが必死にライトの方に走ってきていた理由に、ソラがライトに「逃げて」と言った理由に。
ライトはおそるおそる声の聞こえた後ろを見るため振り返る、そして、後ろにいたピエロと目があった瞬間、ライトはピエロの短剣に斬られた。
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