最弱の英雄

皐月 遊

一章 9話 「アイリスの正体」

「……へ? 女王候補?」

沈黙が続いていた中でライトは意味が分からず聞き返した

「なんだ、兄ちゃんもそれ目当てでこの国に来たんだろ?」

「それってなんだよ? 言っとくが俺は”女王候補”なんて言葉聞いたの初めてだぞ」

ライトの住んでいた日本には女王も居なければ王様も居なかったのだ、女王候補なんて単語は普通では絶対に聞くことがないだろう。

「まじかよ、この国で女王決めを知らない奴は多分兄ちゃんだけだぜ」

女王決め、また新たな単語が出てきた、ライトの言葉に最初は驚いていたおっちゃんだったが、すぐに正気に戻り話しかけてくる、そしてライトはずっと下を向いているアイリスの方を向き

「おーい、アイリス?なんで下向いてんだ?」

そう聞くとアイリスは顔を上げ不安そうな顔で

「だ、だって…皆私が女王候補だって知ったら急に態度変えてペコペコするんだもの…」

「…なるほど…漫画とか読んでるとよくそんな展開があるけどまさか本当にあるとはな」

「ま、まんがっていうのが何か分からないけど、とにかく私が女王候補だってバレるとそうなるのよ」

「だからフードを被って顔を隠してたのか」

コクリとアイリスは首を縦に振り肯定する、なんだか女王決めについて興味がでてきたライトは思っていた事を質問しようとしたら、いつの間にかライトとアイリスの周りに人だかりが出来ていた

「おいあれアイリス様じゃないか⁉︎」「アイリス様!」「本物だ!」

などと様々な事を言ってくる、それに慌てたおっちゃんは

「おい2人とも!話すのはいいが違うところで話した方がいいぞ!」

おっちゃんの提案にライトは確かに、と思い逃げる事を決意する

「アイリス!なんか人があまりいない場所はないか⁉︎」

「えっ⁉︎えーと……あ!あるわ!ついてきて!」

どこに行くか決まったのかアイリスはライトの手を握り走り出した、後ろでは多くの人が追いかけてきていたが、おっちゃんがワザと店の剣やら盾を道にバラまける事によって足止めしてくれていた

「グッジョブだおっちゃん!アイリス!その場所まではどのくらいで到着するんだ?」

「ここからだとこのペースで1時間くらいかも…」

「は、はぁ⁉︎こんな全速力であと1時間⁉︎さすがにキツイぞ」

「分かってるわよ!だから、ちょっと強引に近道するわよ」

「へ? 近道ってどういう……うわぁ⁉︎」

次の瞬間、ライトとアイリスの身体は宙に浮いていた、否、空へと飛び上がっていた






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