最弱の英雄

皐月 遊

一章 3話 「転生」

ライトが目覚めた時に見た者は、全てが真っ白の世界だった

「なんだここ?  なんで俺こんな所に居るんだ?」

そう言った瞬間、先程自分が何をされていたのかを思い出して顔を手で覆うと

「…そうか…死んじまったのか俺は……って事はここはあの世か…?」

自分が死んでしまった事に気づき、ここが何処なのか再確認するが、周りには何も見当たらない

「んー、死んだっていっても実感湧かねぇな…」
 
だが自分が死んだという事が分かると、涙が出てきた

「くそっ…まだ死にたくは無かったな…」

「あー…非常に言いづらいんじゃが…君生き返れるよ」

何処からか聞いた事のない声が聞こえ、辺りを見回すも、それらしい人影は見つからない

「あーすまんすまん、透明のままじゃったな、ほい解除」

という声と共に目の前にいきなり人が現れる

「うわぁ!」

ライトは当然のようにビックリする

「あーすまんのぅ、脅かすつもりはなかったんじゃが…」

目の前の人物は白髪で髭を伸ばしている老人だった、その老人が申し訳なさそうに言ってくる

「え…いや…別に大丈夫です… 」

そう答えライトは先程聞いた気になった事を質問した

「そ、それでえっと…先程生き返れる…と聞こえたんですが…」

「あぁ、君生き返れるよ」

「ほ、本当ですか⁉︎」

聞き間違いじゃなくてホッとしたライトは老人にどんどん質問をしていく

「あの…どうすれば生き返れるんでしょうか…?」

「ワシが「生き返れ」と言えば大丈夫じゃ」

「簡単だな!」


あまりにサラッとした答えに思わずツッコんでしまった

「まぁワシ神様だし」

「神様⁉︎」

「そうじゃよ、だから死人を生き返らせるなんて簡単なんじゃよ」

「じゃ、じゃあ早速お願いします!」

「まぁまて少年よ、話さなければいけない事がある」

「な、なんですか?」

突然の真面目な雰囲気にライトは緊張するが、そんな事は気にせず老人は言葉を続ける

「まず、君を生き返らせることは出来るが、それは日本ではない、別の世界じゃ」

「別の世界…? 外国とかですか?」

「いや…簡単に言うと、異世界じゃな」

「異世界⁉︎」

ライトは思わず大声をだしてしまう、だってそうだろう、ラノベで何度も読んだあの異世界に行けるのだ

「そして君には異世界に行く際に超能力も使えるようにしよう」

「能力も⁉︎」

「あぁ、突然の事で頭がついていけないとおもうが…」

「いえ、ところで俺の能力って何なんですか?」

ライトは気になっていた事を質問すると、老人は慌てて

「そうだったな! まだ話してなかったな!」

と老人はご機嫌に笑いながら言った

「超能力はその人間の殺され方によって変わる、焼死なら炎系、溺死なら水系、君の場合は…」

そこでハッと気づく

「スタンガン……電気系ですか」

「正解じゃよ少年、その能力を使い、異世界に行ってくれ」

その言葉にライトは

「はい!」

と答えた

「さて、もう言い残す事は無いな?」

「はい、お願いします」

「よし、じゃあゆくぞ! 「この者に能力を与え、生き返らせよ!」 」

(本当に簡単なんだな…)

「では、頼んだぞ、井綱 雷斗よ」

「なんで…」

なんで俺の名前を…と言おうとしたが急激な眠気によりライトは眠ってしまった。

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