3人の勇者と俺の物語
182章 デバックと一般サービス開始
その日ユウキはワクワクしていた。
レベル5の武器、相転移砲。
その使用を許可されたからだ。
場所はこないだの戦いを踏まえてさらに強化された闘技場エリア。
理論上はどんな物理攻撃も周囲の環境を変化させないはずだ、
酸素消失などの急激な環境変化に適切に対応できるのか、
高負荷の攻撃で試してみたいという3人の要望だ。
「ああ、魔法理論と科学理論の究極の融合である相転移砲……
未だ試射の一つもさせてもらえなかった可哀想な子……」
うっとりと巨大な砲身を撫でるユウキの顔にはある種の狂気が宿っている。
すでに、濡れている。
『それじゃぁ、いざとなったら強制転移させるからまず大丈夫だと思うけど。
アイツらを入れまーす』
デルスからの通信がはいる。
「相転移砲発射スタンバイ」
「相転移砲発射スタンバイ!」
今日もユウキ隊兵士たちは真面目に働いている。
「相転移システムエネルギー上昇……20……30……50! 第一次安全装置解除します」
「第一次安全装置解除を確認、相転移システム全て異常なし、第二段階へ移行します!」
「よろしい、第二段階への移行を許可する!」
相転移砲の右側に立つユウキは胸元からカードキーを取り出す。
反対側にはユウキ隊部隊長が同じくカードキーを構える。
「キー差し準備よし、カウントー3,2,1!」
相転移法にカードキーが吸い込まれ、その横にあるシャッターが開く。
最終安全装置を解除するキープラグが現れる。
「エネルギー上昇70……80……100%! 臨界点突破しました!
相転移砲発射準備完了! 最終安全装置解除を許可されたし!」
「よろしい! 最終安全装置解除を許可する。
タイミング合わせ行くぞ! カウントー5,4,3,2,1,0!!」
プラグを同時に押し込み180度回転させる、
同時に方針から4方向に巨大な排熱バルブが伸びる。
長い砲身にバチバチとプラズマ現象が起きる、
同時に砲身が4本に分かれ、その中央にまるで光が収束するように集まっていく。
「最終安全装置解除を確認! 相転移砲発射準備完全に完了いたしました!!」
「諸君、よくやった、これが新しい戦いの形だ!!
相転移砲発射ーーーーーーーーーーーーー!!!!」
ユウキの絶叫と同時に砲手が引き金をひく。
宇宙戦艦ヤ○トの波動砲のような発射音を響かせ相転移砲が火を噴く。
目標は前方アイツら中央、砲手のモニターには一面広がるアイツらの姿一つ一つにターゲッティングがされている。
一筋の白刃のような光線がまるで最初からそこにあったかのようにまっすぐと打ち出される。
射線上にいたアイツらはなんの抵抗もなく消滅する。
だがそれでは終わらない、魔法によって制御された近代兵器の恐ろしさはここからだ。
白光りした光の束は一度空中へと直角にカーブする、
レーザー兵器が曲がる、そんな非科学的な事も魔法なら可能だ。
そして敵頭上で無数の光線と変化してターゲッティングした全ての敵へと降り注ぐ、
その一本一本が数億度のプラズマ化したエネルギーの束だ。
どんな強固な外郭を持つものだろうが、魔法障壁を展開しようが、
全て力技で打ち砕いてしまう。
さすがのワタルも全力でこの攻撃に対応しようとしても蒸発するだろう。
唯一の方法は次元転送ホールでも作ってそこに放り込むか、だが、そんなことしたら周囲のあらゆるものが次元の彼方へと飛ばされてしまう。
まさに絶対無敵最強無慈悲な最終兵器なのだ。
敵を貫き着弾してもバチバチとエネルギーが放出されるが爆発が起きるわけではない、
あまりのエネルギーの巨大さに周囲の空気もプラズマ化する。
ユウキを含むこちら側へは魔法障壁により二次的な熱波などの影響は届かない。
また特殊加工された床材、周囲建物も原型を留めている。
「状況報告!」
ユウキの声が凛と響く。
「相転移砲発射は成功いたしました! 繰り返す! 相転移砲発射成功です!!」
ユウキ隊に歓喜の雄叫びが木霊する。
「よくやった!」
ユウキは部隊長をねぎらう。部隊長は溢れ出る熱い液体を留めることはできなかった。
「損傷状況は?」
「敵勢力の完全消滅は確認されました、相転移法は損壊率20%を超えます。
残念ながら次射は不可能と判断します」
「そうか……まだ改良の余地はあるな、総員大変結構である。今日は私のおごりだ好きなだけ勝利の美酒に酔いしれるがいい!!」
「「「「「イエス!! マム!!」」」」」
モニター越しにケイズが複雑な表情をしている。
彼の中のユウキ像がどんどん変わっていってしまっている。
「おつかれユウキ、実験成功おめでとう」
「ワタル君……」
ワタルがユウキの戦果をねぎらうと完全にメスの顔をしたユウキがとろけるような視線をワタルに熱く注いでくる。ワタルは本日の夜戦の激しさを覚悟した。
「最近、ユウキずるい……」
「ワタ兄の独占は協定に反する」
「本日22(フタフタ):00(マルマル)寝室への突入を進言します」
カレンが珍しく強く発言する。
「進言を是とする。直ちに全奥様同盟の同士へと伝達を!」
カイもキャラが変わっている。
「あらあら、今日はワタルきゅん大忙しね~また兄弟が増えちゃうわねー」
バッツの予言通り、この日の夜は激しい夜戦が繰り広げられ、ワタルは新たに7人のパパとなる。
部隊は変わってデルス達の研究所では今回の実験データをもとに完全な冒険者たちの安全と、
施設の耐久性を確かめることが出来た。これをもってGダンジョンは正式に各世界へと配置される。
無限とも思われる数まで増えていたアイツらはこのサービス開始によりその数の減少が始まる。
それでもまだまだ時間はかかることになる。
レベル5の武器、相転移砲。
その使用を許可されたからだ。
場所はこないだの戦いを踏まえてさらに強化された闘技場エリア。
理論上はどんな物理攻撃も周囲の環境を変化させないはずだ、
酸素消失などの急激な環境変化に適切に対応できるのか、
高負荷の攻撃で試してみたいという3人の要望だ。
「ああ、魔法理論と科学理論の究極の融合である相転移砲……
未だ試射の一つもさせてもらえなかった可哀想な子……」
うっとりと巨大な砲身を撫でるユウキの顔にはある種の狂気が宿っている。
すでに、濡れている。
『それじゃぁ、いざとなったら強制転移させるからまず大丈夫だと思うけど。
アイツらを入れまーす』
デルスからの通信がはいる。
「相転移砲発射スタンバイ」
「相転移砲発射スタンバイ!」
今日もユウキ隊兵士たちは真面目に働いている。
「相転移システムエネルギー上昇……20……30……50! 第一次安全装置解除します」
「第一次安全装置解除を確認、相転移システム全て異常なし、第二段階へ移行します!」
「よろしい、第二段階への移行を許可する!」
相転移砲の右側に立つユウキは胸元からカードキーを取り出す。
反対側にはユウキ隊部隊長が同じくカードキーを構える。
「キー差し準備よし、カウントー3,2,1!」
相転移法にカードキーが吸い込まれ、その横にあるシャッターが開く。
最終安全装置を解除するキープラグが現れる。
「エネルギー上昇70……80……100%! 臨界点突破しました!
相転移砲発射準備完了! 最終安全装置解除を許可されたし!」
「よろしい! 最終安全装置解除を許可する。
タイミング合わせ行くぞ! カウントー5,4,3,2,1,0!!」
プラグを同時に押し込み180度回転させる、
同時に方針から4方向に巨大な排熱バルブが伸びる。
長い砲身にバチバチとプラズマ現象が起きる、
同時に砲身が4本に分かれ、その中央にまるで光が収束するように集まっていく。
「最終安全装置解除を確認! 相転移砲発射準備完全に完了いたしました!!」
「諸君、よくやった、これが新しい戦いの形だ!!
相転移砲発射ーーーーーーーーーーーーー!!!!」
ユウキの絶叫と同時に砲手が引き金をひく。
宇宙戦艦ヤ○トの波動砲のような発射音を響かせ相転移砲が火を噴く。
目標は前方アイツら中央、砲手のモニターには一面広がるアイツらの姿一つ一つにターゲッティングがされている。
一筋の白刃のような光線がまるで最初からそこにあったかのようにまっすぐと打ち出される。
射線上にいたアイツらはなんの抵抗もなく消滅する。
だがそれでは終わらない、魔法によって制御された近代兵器の恐ろしさはここからだ。
白光りした光の束は一度空中へと直角にカーブする、
レーザー兵器が曲がる、そんな非科学的な事も魔法なら可能だ。
そして敵頭上で無数の光線と変化してターゲッティングした全ての敵へと降り注ぐ、
その一本一本が数億度のプラズマ化したエネルギーの束だ。
どんな強固な外郭を持つものだろうが、魔法障壁を展開しようが、
全て力技で打ち砕いてしまう。
さすがのワタルも全力でこの攻撃に対応しようとしても蒸発するだろう。
唯一の方法は次元転送ホールでも作ってそこに放り込むか、だが、そんなことしたら周囲のあらゆるものが次元の彼方へと飛ばされてしまう。
まさに絶対無敵最強無慈悲な最終兵器なのだ。
敵を貫き着弾してもバチバチとエネルギーが放出されるが爆発が起きるわけではない、
あまりのエネルギーの巨大さに周囲の空気もプラズマ化する。
ユウキを含むこちら側へは魔法障壁により二次的な熱波などの影響は届かない。
また特殊加工された床材、周囲建物も原型を留めている。
「状況報告!」
ユウキの声が凛と響く。
「相転移砲発射は成功いたしました! 繰り返す! 相転移砲発射成功です!!」
ユウキ隊に歓喜の雄叫びが木霊する。
「よくやった!」
ユウキは部隊長をねぎらう。部隊長は溢れ出る熱い液体を留めることはできなかった。
「損傷状況は?」
「敵勢力の完全消滅は確認されました、相転移法は損壊率20%を超えます。
残念ながら次射は不可能と判断します」
「そうか……まだ改良の余地はあるな、総員大変結構である。今日は私のおごりだ好きなだけ勝利の美酒に酔いしれるがいい!!」
「「「「「イエス!! マム!!」」」」」
モニター越しにケイズが複雑な表情をしている。
彼の中のユウキ像がどんどん変わっていってしまっている。
「おつかれユウキ、実験成功おめでとう」
「ワタル君……」
ワタルがユウキの戦果をねぎらうと完全にメスの顔をしたユウキがとろけるような視線をワタルに熱く注いでくる。ワタルは本日の夜戦の激しさを覚悟した。
「最近、ユウキずるい……」
「ワタ兄の独占は協定に反する」
「本日22(フタフタ):00(マルマル)寝室への突入を進言します」
カレンが珍しく強く発言する。
「進言を是とする。直ちに全奥様同盟の同士へと伝達を!」
カイもキャラが変わっている。
「あらあら、今日はワタルきゅん大忙しね~また兄弟が増えちゃうわねー」
バッツの予言通り、この日の夜は激しい夜戦が繰り広げられ、ワタルは新たに7人のパパとなる。
部隊は変わってデルス達の研究所では今回の実験データをもとに完全な冒険者たちの安全と、
施設の耐久性を確かめることが出来た。これをもってGダンジョンは正式に各世界へと配置される。
無限とも思われる数まで増えていたアイツらはこのサービス開始によりその数の減少が始まる。
それでもまだまだ時間はかかることになる。
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