3人の勇者と俺の物語
137章 出発
昨夜はお楽しみでしたね。
女神の盾の皆さんは日の出前から戦いの準備を行う。
朝からひとっ風呂浴びて昨夜の汗を流す。
充実した食生活の影響で体調は最高だった。
「あー、昨日の食事が忘れられない……ワタルまた作ってよ」
「いやー昨日ほどのは難しいよ、あんな食材とかあと調理する場所もすごかったし手伝ってくれた人皆すごかったからねぇ」
「王様達食べ終わって少し涙ぐんでたからまた呼ばれますよきっとワタルさん」
「あー、きっとそれはあるわねぇ。貴族とかにも広まるだろうし」
「ワタ兄はうちの専属。しょっちゅうは貸し出さない」
「一家に一台みたいに言わないでくれよ……」
「食事の影響か夜のワタル君みんな相手にすごかったよね……」
「はははははは……」
「ユウキもだんだん恥ずかしがらなくなってきたよね-」
「皆には負けていられません!」
「ワタ兄はユウキの時反応凄い、悔しい」
「さて、みんな準備出来たら向かいましょうすでに迎えの馬車がついてるようですから」
「はーい」
まるで遠足にでも行くようにリラックスしていた。
これから大陸を奪還する作戦に向かうとは思えなかった。
けれど皆もう一度あの食事にありつくためにもどんな手を使っても戦いに勝つ。
そう心に静かに誓っていたのだった。
「女神の盾の皆様、お待ちしておりました。北門までお送りいたします」
帝国兵の中でも皇子直属の部隊、インペリアルガードの部隊長自らが迎えに来てくれていた。
訓練の時に幾度も女神の盾のメンバーと互角以上に渡り合った強者だ。
女神の盾は武具の能力も大変高いため、訓練ではなく実践だと残念ながら圧倒してしまうが生身の肉体であれば世界でも指折りの実力者達はワタル達よりも強い人間はいる。
それは誰よりもワタル達自身が自覚していた。
謙虚に驕る事のないように、カレンとバッツが口を酸っぱくして言い続けていることだった。
慢心は必ず死につながる。冒険者としての経験からの言葉だった。
その言葉をワタル達全員が深く胸に刻みつけている。
移動中でもワタル達は積極的に人生の先輩である隊長の話に耳をかたむけた。
隊長からすればこの間の4魔将の戦いでの圧倒的な戦闘能力にただただ平伏してしまうところだが、
素直な若人たちに人生の先輩として温かい話をしてあげるのは悪い気分はしなかった。
そんな話をしているとあっという間に北門についていしまう。
「貴重なお話ありがとうございました。この戦いが終わったらまたゆっくりとお話を聞かせてください」(あ、なんかこれフラグみたいだな)
(ワタル君がダメなフラグ立ててる)
「こんな話でよければいつでも、どうか無事に帰ってきて下さい」
ヤバイフラグを立てかけたワタルであったが待つ人との約束のために、
熱い握手を交わすという強力な帰宅フラグを立てることに成功した。
こういう風に送り出されるのは二回目だなぁ、
ワタルはずらりと並んだ兵達を眺めながらのんきにそんなことを考えていた。
門の前にはジークフリード皇子、シャイア王女、ゲハルト王、ヴェルス教皇が待っていた。
「ワタル、全てを任せるようで悪いが。頼んだぞ」
「本来は我らで取り返すべきなのだが、必ず追いつく、先行は頼んだ」
「俺達も部隊をまとめて追いつくからよ、気張れよ!」
「皆様に女神様の加護のあらんことを……」
【もう私の加護なんて必要ないでしょうに、私よりも強いのだから】
「そんなことありませんよ……え?」
「ヴェ、ヴェルダンディ様!?」
「女神様!?」
突然の女神の来訪に周囲にいる人間は騒然となる、しかしすぐに平伏して崇め始める。
そりゃそうだ、自分たちの神がいきなり目の前に現れたのだ。
【女神の盾の皆さん、実はお話することがあります。ノーザンラクト城までは私が送ります。
その道すがらお話しましょう】
「えっと、その、大丈夫なのですか?」
【ええ、それくらいは何の問題もありません。
詳しくは移動中に話しますが、アルス神も交えて話したいのです。よろしいですね】
「は、分かりました。それではみなさん行ってきます!」
突然の女神の乱入に一時は騒然としたものの、ワタル達はたくさんの人々に送られウェスティアの地を後にする。女神の創りだした光のトンネルのようなものにワタル達が踏み入れていく、
全員が入ると静かに入り口が閉じていく。
その場にいた全員がその光景を見守っていた。目の前で行われる女神の奇跡を目に焼き付けていた。
【少しゆるりと話したいからなんだっけ? あの車とか言うの出してよ、すぐ飛べるんだけどそれじゃ困るから、ね、アルス?】
いつの間にかアルス神がその姿を見せていた。
ラフな姿ではあったが神としての威厳を十二分に放っていた。
ワタルはキャンピングカーを取り出す。運転は自動運転モード。
精霊を使役してとりあえずまっすぐ進ませる。
女神の盾のメンバーと女神、そしてアルス神は車の車内に用意された円卓に座り用意された紅茶で喉を潤わせていた。
【うむ、これは旨い】
【ええ、なんかこういうゆったりした時間は久しぶり】
「女神様、早速なのですが、一体お話というのは?」
【まずは私から話さねばならないな、私が調べた我が世界で起きたことの黒幕の話を】
アルス神は球形の水晶球をテーブルの中心に置いて話し始める、
彼の世界に起きた魔神バルビタールによる騒乱の真実を……
女神の盾の皆さんは日の出前から戦いの準備を行う。
朝からひとっ風呂浴びて昨夜の汗を流す。
充実した食生活の影響で体調は最高だった。
「あー、昨日の食事が忘れられない……ワタルまた作ってよ」
「いやー昨日ほどのは難しいよ、あんな食材とかあと調理する場所もすごかったし手伝ってくれた人皆すごかったからねぇ」
「王様達食べ終わって少し涙ぐんでたからまた呼ばれますよきっとワタルさん」
「あー、きっとそれはあるわねぇ。貴族とかにも広まるだろうし」
「ワタ兄はうちの専属。しょっちゅうは貸し出さない」
「一家に一台みたいに言わないでくれよ……」
「食事の影響か夜のワタル君みんな相手にすごかったよね……」
「はははははは……」
「ユウキもだんだん恥ずかしがらなくなってきたよね-」
「皆には負けていられません!」
「ワタ兄はユウキの時反応凄い、悔しい」
「さて、みんな準備出来たら向かいましょうすでに迎えの馬車がついてるようですから」
「はーい」
まるで遠足にでも行くようにリラックスしていた。
これから大陸を奪還する作戦に向かうとは思えなかった。
けれど皆もう一度あの食事にありつくためにもどんな手を使っても戦いに勝つ。
そう心に静かに誓っていたのだった。
「女神の盾の皆様、お待ちしておりました。北門までお送りいたします」
帝国兵の中でも皇子直属の部隊、インペリアルガードの部隊長自らが迎えに来てくれていた。
訓練の時に幾度も女神の盾のメンバーと互角以上に渡り合った強者だ。
女神の盾は武具の能力も大変高いため、訓練ではなく実践だと残念ながら圧倒してしまうが生身の肉体であれば世界でも指折りの実力者達はワタル達よりも強い人間はいる。
それは誰よりもワタル達自身が自覚していた。
謙虚に驕る事のないように、カレンとバッツが口を酸っぱくして言い続けていることだった。
慢心は必ず死につながる。冒険者としての経験からの言葉だった。
その言葉をワタル達全員が深く胸に刻みつけている。
移動中でもワタル達は積極的に人生の先輩である隊長の話に耳をかたむけた。
隊長からすればこの間の4魔将の戦いでの圧倒的な戦闘能力にただただ平伏してしまうところだが、
素直な若人たちに人生の先輩として温かい話をしてあげるのは悪い気分はしなかった。
そんな話をしているとあっという間に北門についていしまう。
「貴重なお話ありがとうございました。この戦いが終わったらまたゆっくりとお話を聞かせてください」(あ、なんかこれフラグみたいだな)
(ワタル君がダメなフラグ立ててる)
「こんな話でよければいつでも、どうか無事に帰ってきて下さい」
ヤバイフラグを立てかけたワタルであったが待つ人との約束のために、
熱い握手を交わすという強力な帰宅フラグを立てることに成功した。
こういう風に送り出されるのは二回目だなぁ、
ワタルはずらりと並んだ兵達を眺めながらのんきにそんなことを考えていた。
門の前にはジークフリード皇子、シャイア王女、ゲハルト王、ヴェルス教皇が待っていた。
「ワタル、全てを任せるようで悪いが。頼んだぞ」
「本来は我らで取り返すべきなのだが、必ず追いつく、先行は頼んだ」
「俺達も部隊をまとめて追いつくからよ、気張れよ!」
「皆様に女神様の加護のあらんことを……」
【もう私の加護なんて必要ないでしょうに、私よりも強いのだから】
「そんなことありませんよ……え?」
「ヴェ、ヴェルダンディ様!?」
「女神様!?」
突然の女神の来訪に周囲にいる人間は騒然となる、しかしすぐに平伏して崇め始める。
そりゃそうだ、自分たちの神がいきなり目の前に現れたのだ。
【女神の盾の皆さん、実はお話することがあります。ノーザンラクト城までは私が送ります。
その道すがらお話しましょう】
「えっと、その、大丈夫なのですか?」
【ええ、それくらいは何の問題もありません。
詳しくは移動中に話しますが、アルス神も交えて話したいのです。よろしいですね】
「は、分かりました。それではみなさん行ってきます!」
突然の女神の乱入に一時は騒然としたものの、ワタル達はたくさんの人々に送られウェスティアの地を後にする。女神の創りだした光のトンネルのようなものにワタル達が踏み入れていく、
全員が入ると静かに入り口が閉じていく。
その場にいた全員がその光景を見守っていた。目の前で行われる女神の奇跡を目に焼き付けていた。
【少しゆるりと話したいからなんだっけ? あの車とか言うの出してよ、すぐ飛べるんだけどそれじゃ困るから、ね、アルス?】
いつの間にかアルス神がその姿を見せていた。
ラフな姿ではあったが神としての威厳を十二分に放っていた。
ワタルはキャンピングカーを取り出す。運転は自動運転モード。
精霊を使役してとりあえずまっすぐ進ませる。
女神の盾のメンバーと女神、そしてアルス神は車の車内に用意された円卓に座り用意された紅茶で喉を潤わせていた。
【うむ、これは旨い】
【ええ、なんかこういうゆったりした時間は久しぶり】
「女神様、早速なのですが、一体お話というのは?」
【まずは私から話さねばならないな、私が調べた我が世界で起きたことの黒幕の話を】
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