3人の勇者と俺の物語
115章 発覚
今回のイベントでより一層絆が深まったパーティーメンバー。
バッツは相変わらずだけど頼れる兄であり母のような立場でパーティを見守ってくれている。
残すところはこの世界最後の大陸。
リク、カイ、クウの生まれ故郷でありセイが囚えられている敵の本拠地だ。
圧倒的に強力な敵との戦いを前に女神の盾のメンバーの団結は最高潮だ。
そんなメンバーのところにずっと音沙汰のなかった女神が現れた。
【・・・・・・ごめん】
いつもと様子の違う女神の様子にワタル達は不安になる。
「なにかわかったんですか?」
【うん・・・・・・この世界のコントロールの一部を乗っ取られていた・・・・・・】
「世界のコントロール?」
【ある奴が悪意を持ってこの世界に干渉がされていたことがわかりました。バルビタールの能力やステータスが意図的に改ざんされていて、しかも今後私はこの世界に起こせる奇跡がかなり限定的にされる罠まで仕掛けられていました。まさかあいつの被害に私があうなんて思っていなかったので完全に私の油断が招いた結果です。本当に申し訳がない】
「ちょっと待って下さい。話が見えてこないのですが・・・・・・」
 カレンの疑問も最もだ。ステータスの改ざんなんて言われてもピンとくるのはワタルとユウキ位だった。
「ハッキングを受けたのですか?」
ワタルは自分の考えられる可能性を提示する。
【そうね、あなた達なら理解できるわね。そう、ハッキングを受け、ウイルスを仕込まれたの。アルスの世界と同じように、この世界がね】
女神の答えから導き出される一つの仮定、それは自分自身の存在を暴く可能性がある、それでも聞かないわけにはいかなかった。
「この世界は・・・・・・ゲームなんですか?」
【ゲーム、ではないわ。いいえ、私はゲームだと思っていないわ。この世界は確かに存在しています。そしてそこにあなた達は確かに生きている。アレスもそう思っているわ。でも、中にはそう思わない奴もいる。そういう奴らが面白半分に世界を壊すの。アレスも全く気がついてなかったみたい。今彼もいろいろと調べているわ。ただ、勇者というワクチンで彼の世界は救われたみたいなんだけどね】
「アレス神の世界とつながったことでこの世界にも感染した、ということですか?」
【同じ大世界に所属する近い世界だった、そうね、運が悪かったとはいいたくないけどそういうことになるんだと思うわ】
「女神様はそれをやったやつに心当たりがあるんですか?」
【・・・・・・ええ。こんな悪趣味で無意味でどうしようもないことをした奴は、ガルゴ。
あなた達の言うところの神の一人、正確には元神。一人引きこもって悪意をばらまいている、そんな奴。もともとあいつはあいつによって作られた世界の住人を言葉では表せないほどの酷い目に遭わせるの、あまりの惨劇に神々は世界を創造する力を奪ったの。でも、アイツは様々な手段で他の世界に干渉してめちゃくちゃにしようとするの。性格はこれ以上ないほどのクズなのにその知識や力は本当に天才的だった。様々な対抗策をとって守っていたんだけどイタチごっこでね。私自身も久しぶりに他の世界の神に出会えて浮かれていた隙をつかれたってことよね・・・・・・】
「それはそいつが悪いだけで女神様は悪くないですよ」
【ありがとう・・・・・・たしかに悔やんでも仕方ないわ。とりあえず壊されたシステムは一部復旧させたんだけどこの世界への過剰な干渉はできない。できるようになるまで復旧するためにはバグであるバルビタールを除いてからさらにこちらの世界の時間で膨大な時間がかかる。そしてすでにいるバルビタールをどうにかすることも当然出来ないわ、この世界の中で言えばアイツのほうが私達神と呼ばれる存在よりも強い。この世界ごと消し去ることをすればアイツを葬れる。でもその選択肢はないわ。どんなことになっても私はこの世界を見捨てたりはしない】
「それほどまでにバルビタールは強大なのですね、そういえばアレス神の世界では勇者がワクチンになったと話していましたが、ワタル君の中にその力が眠っているんですよね?」
ユウキの説明に一同がハッと思い出す。
【ええ、それが唯一世界を護りバルビタールを排除する希望。ワタル、あなたの手でしかバルビタールを滅ぼすことは出来ないわ】
「俺の・・・・・・力・・・・・・」
すでに覚醒している勇者の力。正直ワタルはその力を実感したことはなかった。
龍脈だのなんだの色んな物がゴッチャゴチャになっていて何が何だか分からないようになってしまっても仕方がなかった。
改めて自分自身の力を見つめなおさないといけない。
ワタルはそう決心を固めたのであった。
【正直あなた達をバルビタールと戦わせることは心苦しい、でも、私にはそれ以外に頼るものは無くなってしまいました。どうかお願いします。この世界、私の愛している世界を救ってください】
ヴェルダンディ様が深々と頭を下げる。
その姿から彼女がどれだけこの世界を愛し、大切にしてくれているかが痛いほど伝わってくる。
「微力を尽くします」
短くそう答える。
彼の心はすでに決まっている。
愛するものがいるこの世界を、悪意から救ってみせる。
セイちゃんを救い出して、
真の勇者としてバルビタールを滅ぼす。
バッツは相変わらずだけど頼れる兄であり母のような立場でパーティを見守ってくれている。
残すところはこの世界最後の大陸。
リク、カイ、クウの生まれ故郷でありセイが囚えられている敵の本拠地だ。
圧倒的に強力な敵との戦いを前に女神の盾のメンバーの団結は最高潮だ。
そんなメンバーのところにずっと音沙汰のなかった女神が現れた。
【・・・・・・ごめん】
いつもと様子の違う女神の様子にワタル達は不安になる。
「なにかわかったんですか?」
【うん・・・・・・この世界のコントロールの一部を乗っ取られていた・・・・・・】
「世界のコントロール?」
【ある奴が悪意を持ってこの世界に干渉がされていたことがわかりました。バルビタールの能力やステータスが意図的に改ざんされていて、しかも今後私はこの世界に起こせる奇跡がかなり限定的にされる罠まで仕掛けられていました。まさかあいつの被害に私があうなんて思っていなかったので完全に私の油断が招いた結果です。本当に申し訳がない】
「ちょっと待って下さい。話が見えてこないのですが・・・・・・」
 カレンの疑問も最もだ。ステータスの改ざんなんて言われてもピンとくるのはワタルとユウキ位だった。
「ハッキングを受けたのですか?」
ワタルは自分の考えられる可能性を提示する。
【そうね、あなた達なら理解できるわね。そう、ハッキングを受け、ウイルスを仕込まれたの。アルスの世界と同じように、この世界がね】
女神の答えから導き出される一つの仮定、それは自分自身の存在を暴く可能性がある、それでも聞かないわけにはいかなかった。
「この世界は・・・・・・ゲームなんですか?」
【ゲーム、ではないわ。いいえ、私はゲームだと思っていないわ。この世界は確かに存在しています。そしてそこにあなた達は確かに生きている。アレスもそう思っているわ。でも、中にはそう思わない奴もいる。そういう奴らが面白半分に世界を壊すの。アレスも全く気がついてなかったみたい。今彼もいろいろと調べているわ。ただ、勇者というワクチンで彼の世界は救われたみたいなんだけどね】
「アレス神の世界とつながったことでこの世界にも感染した、ということですか?」
【同じ大世界に所属する近い世界だった、そうね、運が悪かったとはいいたくないけどそういうことになるんだと思うわ】
「女神様はそれをやったやつに心当たりがあるんですか?」
【・・・・・・ええ。こんな悪趣味で無意味でどうしようもないことをした奴は、ガルゴ。
あなた達の言うところの神の一人、正確には元神。一人引きこもって悪意をばらまいている、そんな奴。もともとあいつはあいつによって作られた世界の住人を言葉では表せないほどの酷い目に遭わせるの、あまりの惨劇に神々は世界を創造する力を奪ったの。でも、アイツは様々な手段で他の世界に干渉してめちゃくちゃにしようとするの。性格はこれ以上ないほどのクズなのにその知識や力は本当に天才的だった。様々な対抗策をとって守っていたんだけどイタチごっこでね。私自身も久しぶりに他の世界の神に出会えて浮かれていた隙をつかれたってことよね・・・・・・】
「それはそいつが悪いだけで女神様は悪くないですよ」
【ありがとう・・・・・・たしかに悔やんでも仕方ないわ。とりあえず壊されたシステムは一部復旧させたんだけどこの世界への過剰な干渉はできない。できるようになるまで復旧するためにはバグであるバルビタールを除いてからさらにこちらの世界の時間で膨大な時間がかかる。そしてすでにいるバルビタールをどうにかすることも当然出来ないわ、この世界の中で言えばアイツのほうが私達神と呼ばれる存在よりも強い。この世界ごと消し去ることをすればアイツを葬れる。でもその選択肢はないわ。どんなことになっても私はこの世界を見捨てたりはしない】
「それほどまでにバルビタールは強大なのですね、そういえばアレス神の世界では勇者がワクチンになったと話していましたが、ワタル君の中にその力が眠っているんですよね?」
ユウキの説明に一同がハッと思い出す。
【ええ、それが唯一世界を護りバルビタールを排除する希望。ワタル、あなたの手でしかバルビタールを滅ぼすことは出来ないわ】
「俺の・・・・・・力・・・・・・」
すでに覚醒している勇者の力。正直ワタルはその力を実感したことはなかった。
龍脈だのなんだの色んな物がゴッチャゴチャになっていて何が何だか分からないようになってしまっても仕方がなかった。
改めて自分自身の力を見つめなおさないといけない。
ワタルはそう決心を固めたのであった。
【正直あなた達をバルビタールと戦わせることは心苦しい、でも、私にはそれ以外に頼るものは無くなってしまいました。どうかお願いします。この世界、私の愛している世界を救ってください】
ヴェルダンディ様が深々と頭を下げる。
その姿から彼女がどれだけこの世界を愛し、大切にしてくれているかが痛いほど伝わってくる。
「微力を尽くします」
短くそう答える。
彼の心はすでに決まっている。
愛するものがいるこの世界を、悪意から救ってみせる。
セイちゃんを救い出して、
真の勇者としてバルビタールを滅ぼす。
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