3人の勇者と俺の物語
88章 大ダンジョン突入
ウェスティア帝国の大ダンジョンは帝国によって管理されている。
冒険者ギルドと帝国に許可を得て探索をすることになる。
女神の盾パーティは皇帝直々の許可を受けているので警備に当たる兵士たちから最敬礼で見送られる。
ここに入って最初に思うのが全体的に明るい。
地面も壁も少し白っぽい岩で光を良く映しダンジョン全体の明るさが強い。
足元もゴツゴツと言うよりはなだらかで、草木や水場が少ない。
戦う場合には隠れる場所がないとも言えるが不意打ちのリスクが下がるとも言える。
そしてしばらく進んでこのダンジョンとしての特徴的なものに気がついた。
敵の数が多めだ。
基本6~8体ぐらいが一緒に行動していることが多い。
このダンジョンがC級PTは6人PT以上じゃないと許可されない理由はここら辺なんだろう。
6人が1対1で敵を圧倒できる女神の盾パーティは特に苦労はせずにどんどんダンジョンへ潜っていく。
予想通り【黒】化した魔物も出てきてはいるが、危なげない戦闘をすることができている。
今では全員【黒】の装甲を抜くことが出来る。
カレンも魔力で作り上げた矢に龍気を乗せて装甲を貫く。
魔法による攻撃も龍気と魔力を融合させ高い魔法防御を誇る【黒】にも効率よくダメージを与えることが出来るようになった。
ダンジョン内の【黒】の割合は時間経過とともに多くなっているかと思っていたのだが、
実際にはあまり多くはなっていなかった。ダンジョン自体が【黒】の侵入に一定の抵抗をしているようだった。ダンジョンコアがまだ影響力の少ない【黒】の欠片をダンジョン内に侵入させないようにする免疫のようなシステムができていた。
完璧ではないにしろダンジョン入ったら一面【黒】でした。テヘペロ。なんて事にならないことはこの世界の冒険者にとってもありがたいことだ。
「敵が多いから疲れるね」
「そうだね、そんなに強くはないけど周りとかにも気を使うからね」
「たしかここら辺で中間くらいのはずよ~一度休憩してもいいんじゃないワタルきゅん」
「そうだね、よし、いい場所があったら休憩しよう」
少し進んだところにいい感じの小部屋があったのでそこにキャンピングカーを出し結界を展開する。
だいたい6時間くらいで中層中ほどまで進んできているようだ。
かなりハイペースらしい。ワタル達は大分規格外な強さになってきている。
せっせとみんなのご飯を作っている姿はどこにでもいる青年って感じだが、
実際には各種武技、魔法、その全てが超一流だ。夜の技もねうっしっし。
食事の準備をしている間に女性陣はシャワーを浴びて汗を流す。
ふつうの冒険者では決してありえないことだ。でも女神の盾では普通だ。
ダンジョン内で安全な結界に守られてベッドで休む。そんなこともこのパーティでは当たり前なのだ。
食事が終わり見張りは精霊に任せて眠りにつく。
そして、快適な朝を迎えてゆったりと朝食をとって軽く休んでから今日の冒険の始まりだ、そう女神の盾ならね!
何の問題もなく再びダンジョン探索を始める。
ダンジョンの内部とは思えない快適な休息を得て一行のコンディションは上々だ。
下層への入り口も順調に発見される。
「ここからが下層域です。敵の数が多いことが特に大きく影響してきます。
ワタル様、皆さん一層気を引き締めて行きましょう」
先輩冒険者であるカレンが皆の気持ちを引き締める。
一同は深く頷く。油断している余裕はない、複数体の【黒】に襲われれば場合によっては一気に戦線が崩壊することもあり得る。それぐらいの経験はある。
なによりこのパーティのおかしいところは基本的に結成以来休むことなくず~ーーーっと戦い続けてきている。その回復能力の高さからこれだけ長期間戦い続けていられる、そしてそれを対して異常なことだと気がついていなかった。
カレンやバッツは当然このハイペースさにすでに耐えられるベースができているからいいが、
若いメンバーがいつの間にかそれを受け入れられるようになっているのは脅威であった。
急激なレベルアップの肉体への負担もワタルが手に入れた能力や自身のスキルによってとんでもない早さで乗り越えてきている。
栄養面でもワタルの存在は大きい。彼が作る料理は心を豊かにするだけではなく栄養素やバランスなどが最適化されている。冒険者として生きていくうえで必要な肉体を作っていくのに効率がいい生活を過ごすことができていた。
その結果の急成長。もちろん聖剣の力も大変大きい。
いろいろな要素が彼らのパーティをここまで導いてきているのだ。
下層での一番最初の戦いはリザードマン達だった。
リザードマンはトカゲのような顔、ウロコを持つ体躯、しっぽ付き。
鱗は固くそれ自体にも高い防御力を秘めている。
知性も低くなくパーティでの戦闘できちんと役割分担をしてくる強敵だ。
腕力も強く集団だとかなりの脅威となる。
敵はリザードマン7体、ライトアーマーを着込んだ片手剣盾持ち、かなり重厚な鎧を着ている両手斧、両手槍の前衛。レザーアーマーの弓兵2、ローブを着た魔法を使いそうなのが2体だ。
2車線道路ぐらいの通路での会敵だ。
斥候の精霊が知らせてくれた時は約200m先にいた。
まだ相手はこちらに気がついてはいない。
出来る限り早く遠距離と魔法使いを倒したい。
『魔法使いを弓で狙います。攻撃と同時に攻撃魔法を叩き込んで雪崩れ込みましょう』
意思疎通魔法で全員に奇襲の内容を指示するカレン。一同もそれに頷く。
ヒュ
カレンの魔力を込めた弓による狙撃が敵を襲う、なお不可視化や静音もかけてあり奇襲に関してはかなり凶悪な攻撃だ。
ローブを着た敵の1体の額に弓が突き刺さる、その瞬間に身をよじってもう1体は肩口に弓を回避する、
直ぐさま攻撃魔法が炸裂する、カイは風魔法と水魔法の合成した冷気の嵐を呼び起こす。
「ストームガスト!」
極寒の暴風が敵を襲う、ローブを着た敵が何か魔法を唱えようとするが奇襲からの連続攻撃に余裕が無い、さらにワタルが唱える魔法が襲いかかる。
「ウォータースプラッシュ!」
超高圧で打ち込まれる水弾がストームガストの冷気で強力な氷塊となって襲いかかる。
カレンも弓で掃射を仕掛けている、前衛の3人が防御の構えで後衛を庇うように前に出てくる。
カイやワタルの魔法は無慈悲にも後衛の敵を撃ちぬいていく、
その間にもリク、クウ、バッツは高速で接近していく。
魔法が止みボロボロになった敵にリク、クウ、バッツが襲いかかる。
なすすべもなく切り倒されていく、こうして相手に一切の攻撃を許すことなく一方的に敵を蹂躙する。
女神の盾の戦闘は基本的にこういったワンサイドになることが多い。
「ホントですねワタルさんが言うとおり冷気を浴びて動きが鈍くなりましたね」
「爬虫類は寒さに弱いからね」
「ハチュウルイ? リザードマンの別の呼び方?」
「スノーリザードマンとかもいますからハチュウルイはこのリザードマンの呼び方ですか?」
「スノーリザードマンなんてのもいるのか、ごめん忘れてください」
ワタルは地球での常識に当てはめるのは危険とひっそり心に誓ったのでありました。
冒険者ギルドと帝国に許可を得て探索をすることになる。
女神の盾パーティは皇帝直々の許可を受けているので警備に当たる兵士たちから最敬礼で見送られる。
ここに入って最初に思うのが全体的に明るい。
地面も壁も少し白っぽい岩で光を良く映しダンジョン全体の明るさが強い。
足元もゴツゴツと言うよりはなだらかで、草木や水場が少ない。
戦う場合には隠れる場所がないとも言えるが不意打ちのリスクが下がるとも言える。
そしてしばらく進んでこのダンジョンとしての特徴的なものに気がついた。
敵の数が多めだ。
基本6~8体ぐらいが一緒に行動していることが多い。
このダンジョンがC級PTは6人PT以上じゃないと許可されない理由はここら辺なんだろう。
6人が1対1で敵を圧倒できる女神の盾パーティは特に苦労はせずにどんどんダンジョンへ潜っていく。
予想通り【黒】化した魔物も出てきてはいるが、危なげない戦闘をすることができている。
今では全員【黒】の装甲を抜くことが出来る。
カレンも魔力で作り上げた矢に龍気を乗せて装甲を貫く。
魔法による攻撃も龍気と魔力を融合させ高い魔法防御を誇る【黒】にも効率よくダメージを与えることが出来るようになった。
ダンジョン内の【黒】の割合は時間経過とともに多くなっているかと思っていたのだが、
実際にはあまり多くはなっていなかった。ダンジョン自体が【黒】の侵入に一定の抵抗をしているようだった。ダンジョンコアがまだ影響力の少ない【黒】の欠片をダンジョン内に侵入させないようにする免疫のようなシステムができていた。
完璧ではないにしろダンジョン入ったら一面【黒】でした。テヘペロ。なんて事にならないことはこの世界の冒険者にとってもありがたいことだ。
「敵が多いから疲れるね」
「そうだね、そんなに強くはないけど周りとかにも気を使うからね」
「たしかここら辺で中間くらいのはずよ~一度休憩してもいいんじゃないワタルきゅん」
「そうだね、よし、いい場所があったら休憩しよう」
少し進んだところにいい感じの小部屋があったのでそこにキャンピングカーを出し結界を展開する。
だいたい6時間くらいで中層中ほどまで進んできているようだ。
かなりハイペースらしい。ワタル達は大分規格外な強さになってきている。
せっせとみんなのご飯を作っている姿はどこにでもいる青年って感じだが、
実際には各種武技、魔法、その全てが超一流だ。夜の技もねうっしっし。
食事の準備をしている間に女性陣はシャワーを浴びて汗を流す。
ふつうの冒険者では決してありえないことだ。でも女神の盾では普通だ。
ダンジョン内で安全な結界に守られてベッドで休む。そんなこともこのパーティでは当たり前なのだ。
食事が終わり見張りは精霊に任せて眠りにつく。
そして、快適な朝を迎えてゆったりと朝食をとって軽く休んでから今日の冒険の始まりだ、そう女神の盾ならね!
何の問題もなく再びダンジョン探索を始める。
ダンジョンの内部とは思えない快適な休息を得て一行のコンディションは上々だ。
下層への入り口も順調に発見される。
「ここからが下層域です。敵の数が多いことが特に大きく影響してきます。
ワタル様、皆さん一層気を引き締めて行きましょう」
先輩冒険者であるカレンが皆の気持ちを引き締める。
一同は深く頷く。油断している余裕はない、複数体の【黒】に襲われれば場合によっては一気に戦線が崩壊することもあり得る。それぐらいの経験はある。
なによりこのパーティのおかしいところは基本的に結成以来休むことなくず~ーーーっと戦い続けてきている。その回復能力の高さからこれだけ長期間戦い続けていられる、そしてそれを対して異常なことだと気がついていなかった。
カレンやバッツは当然このハイペースさにすでに耐えられるベースができているからいいが、
若いメンバーがいつの間にかそれを受け入れられるようになっているのは脅威であった。
急激なレベルアップの肉体への負担もワタルが手に入れた能力や自身のスキルによってとんでもない早さで乗り越えてきている。
栄養面でもワタルの存在は大きい。彼が作る料理は心を豊かにするだけではなく栄養素やバランスなどが最適化されている。冒険者として生きていくうえで必要な肉体を作っていくのに効率がいい生活を過ごすことができていた。
その結果の急成長。もちろん聖剣の力も大変大きい。
いろいろな要素が彼らのパーティをここまで導いてきているのだ。
下層での一番最初の戦いはリザードマン達だった。
リザードマンはトカゲのような顔、ウロコを持つ体躯、しっぽ付き。
鱗は固くそれ自体にも高い防御力を秘めている。
知性も低くなくパーティでの戦闘できちんと役割分担をしてくる強敵だ。
腕力も強く集団だとかなりの脅威となる。
敵はリザードマン7体、ライトアーマーを着込んだ片手剣盾持ち、かなり重厚な鎧を着ている両手斧、両手槍の前衛。レザーアーマーの弓兵2、ローブを着た魔法を使いそうなのが2体だ。
2車線道路ぐらいの通路での会敵だ。
斥候の精霊が知らせてくれた時は約200m先にいた。
まだ相手はこちらに気がついてはいない。
出来る限り早く遠距離と魔法使いを倒したい。
『魔法使いを弓で狙います。攻撃と同時に攻撃魔法を叩き込んで雪崩れ込みましょう』
意思疎通魔法で全員に奇襲の内容を指示するカレン。一同もそれに頷く。
ヒュ
カレンの魔力を込めた弓による狙撃が敵を襲う、なお不可視化や静音もかけてあり奇襲に関してはかなり凶悪な攻撃だ。
ローブを着た敵の1体の額に弓が突き刺さる、その瞬間に身をよじってもう1体は肩口に弓を回避する、
直ぐさま攻撃魔法が炸裂する、カイは風魔法と水魔法の合成した冷気の嵐を呼び起こす。
「ストームガスト!」
極寒の暴風が敵を襲う、ローブを着た敵が何か魔法を唱えようとするが奇襲からの連続攻撃に余裕が無い、さらにワタルが唱える魔法が襲いかかる。
「ウォータースプラッシュ!」
超高圧で打ち込まれる水弾がストームガストの冷気で強力な氷塊となって襲いかかる。
カレンも弓で掃射を仕掛けている、前衛の3人が防御の構えで後衛を庇うように前に出てくる。
カイやワタルの魔法は無慈悲にも後衛の敵を撃ちぬいていく、
その間にもリク、クウ、バッツは高速で接近していく。
魔法が止みボロボロになった敵にリク、クウ、バッツが襲いかかる。
なすすべもなく切り倒されていく、こうして相手に一切の攻撃を許すことなく一方的に敵を蹂躙する。
女神の盾の戦闘は基本的にこういったワンサイドになることが多い。
「ホントですねワタルさんが言うとおり冷気を浴びて動きが鈍くなりましたね」
「爬虫類は寒さに弱いからね」
「ハチュウルイ? リザードマンの別の呼び方?」
「スノーリザードマンとかもいますからハチュウルイはこのリザードマンの呼び方ですか?」
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