3人の勇者と俺の物語
86章 足場作り
「こ、これは・・・・・・」
ワタルは目の前の光景に息を呑んでしまった。
帝都で招待されたホテルは今まで最高だと思っていた全てのものを塗り替えた。
湖面に突き出したバルコニーから270度位に広がる水面に映る夜景。
澄み渡る空に輝く満天の星、ワタルは生涯こんなに美しい物を見たことがなかった。
特に湖に浮かぶ城の美しさは筆舌に尽くし難い、
あまりの美しさに全員が言葉を失いしばしその場に立ち尽くしてしまうほどだった。
大地の輝きと空に散りばめられた億万の星々、この景色を見られたことは人生の喜びとそう感じさせるに足る壮観な眺めを一同は生涯忘れることはなかった。
素晴らしい景色を堪能した一行はジークフリード皇子より提案された騎士叙勲について話あることにする。
「断る理由はないと思います。名誉職に近いですが各国への入国審査などで優遇されますし、
私もサウソレス国の騎士ですが、騎士だからといって何か要求されることもありません」
「そっか、それならせっかくの好意には甘えることにしますか」
「大ダンジョン2つも攻略して社会貢献度的にも問題はないですから」
「ワタルきゅんのやっている奴隷と孤児の保護も話題になっているそうよ~」
「よく考えたらワタルって聖人みたいだよね」
「さすがワタルさんです」
「ただ男性陣からは僻まれてるってよワタ兄」
「はははははは・・・・・・」
とりあえず皇子には騎士叙勲をお受けするということを伝えた。
式典は5日後にお城にてとり行われることになった。
それまでは帝都でのんびり過ごす、わけにも行かない。
女神の盾商店の支店づくりなど足場を作る。
翌日にゲーツとその部下達を呼び出しいろいろな手続をしていく。
よく教育されているようで素晴らしい手際でどんどんやるべきことをこなしていく。
ワタルはいつもの建築だ、建築の腕はどんどん上がっていく。
帝都の建築は法律に則って行わなければいけないためゲーツが手配した専門家に助言をもらいながらサクサクと土地開発を進めていく。
都市内部には農地を作ることは出来ないのでこの地は純粋な商売の拠点となる。
生活部分は基本的にいつもどおり。
商店部分は帝都らしく少し高級感を出してみた。
乗客用の来賓室にラウンジなども用意する。
そこに使う調度品はゲーツに一任する。そういったセンスなんかもゲーツは一流だ。
いいとこのお嬢様だからねゲーツは。
最初の3日で大体の手続きは終わらせることが出来た。
あとは商会の人員配置など細かなこと、あとは人の移送なんかをお手伝いする。
同時にこの地でも奴隷と孤児の保護を開始していく。
すでに教育部門が出来ており、ワタル達は全てを任せていれば良かった。
ワタルの提案した6-12歳までの初等教育、13-16は冒険者コースと頭脳コースに別れる。一般的な農作業や接客で生きていくという人間にはこの段階から働いてもらう。
17~は試験を通るか成績優秀者の場合は幹部候補として教育を受けられる。
それらをクリアすると幹部として認められ各支部の支部長クラスの役職につくことが出来る。
今では女神の盾商会といえば大人気商会になっている。
待遇は素晴らしいし、衣食住が保証され高級魔道具を使用した寮は老若男女問わず大人気だ。
住宅販売業をやる計画もあるのだが、どうしても建築にワタルとカイの力が必要になるため、
現在のところ計画のみだ。セイを助けた後には立ち上げる可能性もある。
ワタル達はバッツに採寸を取られている。
叙勲式に参加する服を作ってくれるというバーツの提案に両手を上げて賛成した。
「あらークウちゃんまたおっきくなってるわねー・・・・・・」
「肩がこるからもういい・・・・・・」
ピクとカイの眉毛が動いたけどワタルは知らないふりをした。
「ボクも少し大きくなったんだよ、まーワタルは好きだからいいけどさぁ」
ピクピク。
辞めるんだリク、その会話は広げなくていいんだ。
「ちゃんと皆が素敵なレディーに見えるようにバッティ頑張るから!」
「期待してるよバッツ!」
バッツの神業の裁縫技術によって出来上がるドレスは素晴らしい物になるのは間違いない。
普段着もほとんどバッツが作ってくれている、バッツも着せ替え人形みたいに楽しんでくれている。
使われている素材も一流どころを使って、技術は神業、普段使いにしているが市場に出したら大変なことになる一品ばかりだ。
戦闘中は女神の鎧があるから防具なんかを買ったり揃えたりする楽しみがないのがRPG好きなワタルには少しさみしいところだったりする。
ワタルは今後のことを少し整理していた。
ウェスティア大陸の大ダンジョンは帝国の管理下に置かれておりすでに入城の許可は得ている。
まずは大ダンジョンの攻略と最下層での龍脈の確保。
そして新たな聖獣の力を手に入れることだ。
いまだに【黒】は強力でなんとか撃退してはいるが、端末の雑魚でそのレベルと言うのは恐ろしい事実だ。魔神バルビタールはどれだけの力を秘めているのか。
まだまだ強くならないといけない。
やはりレベルを上げるのが一番近道だろう、戦術や戦法もレベルを上げて技やスキルが増えれば選択肢も増えてくる。武器や防具はこれ以上ないレベルの物を使っているから大きくは変化しない。
今回もたぶん聖獣がいるなら、あの訓練があるだろうからなぁ・・・・・・
女神様に頼んで女神の塔の上級版とか作ってくれないかなぁ。
【うーん、それはちょっとむずかしいなぁ】
「ですよねー。っていきなり割り込んでこないでくださいよ」
【ごめんごめん、ただこれ以上力使うと万が一のための対策が難しくなっちゃうんだよ。ただでさえ今までためていた力を大盤振る舞いしてるからね】
「本当に感謝しています」
【そう言ってもらえると嬉しいよ、次のとこはニャーちゃんのとこだね。あの子もかわいいよーツンツンしてるのが余計に可愛いんだよねー、とりあえず頑張って】
ふっと神聖な気配が消える。
ほんとに女神様は神出鬼没だね。
ワタルは目の前の光景に息を呑んでしまった。
帝都で招待されたホテルは今まで最高だと思っていた全てのものを塗り替えた。
湖面に突き出したバルコニーから270度位に広がる水面に映る夜景。
澄み渡る空に輝く満天の星、ワタルは生涯こんなに美しい物を見たことがなかった。
特に湖に浮かぶ城の美しさは筆舌に尽くし難い、
あまりの美しさに全員が言葉を失いしばしその場に立ち尽くしてしまうほどだった。
大地の輝きと空に散りばめられた億万の星々、この景色を見られたことは人生の喜びとそう感じさせるに足る壮観な眺めを一同は生涯忘れることはなかった。
素晴らしい景色を堪能した一行はジークフリード皇子より提案された騎士叙勲について話あることにする。
「断る理由はないと思います。名誉職に近いですが各国への入国審査などで優遇されますし、
私もサウソレス国の騎士ですが、騎士だからといって何か要求されることもありません」
「そっか、それならせっかくの好意には甘えることにしますか」
「大ダンジョン2つも攻略して社会貢献度的にも問題はないですから」
「ワタルきゅんのやっている奴隷と孤児の保護も話題になっているそうよ~」
「よく考えたらワタルって聖人みたいだよね」
「さすがワタルさんです」
「ただ男性陣からは僻まれてるってよワタ兄」
「はははははは・・・・・・」
とりあえず皇子には騎士叙勲をお受けするということを伝えた。
式典は5日後にお城にてとり行われることになった。
それまでは帝都でのんびり過ごす、わけにも行かない。
女神の盾商店の支店づくりなど足場を作る。
翌日にゲーツとその部下達を呼び出しいろいろな手続をしていく。
よく教育されているようで素晴らしい手際でどんどんやるべきことをこなしていく。
ワタルはいつもの建築だ、建築の腕はどんどん上がっていく。
帝都の建築は法律に則って行わなければいけないためゲーツが手配した専門家に助言をもらいながらサクサクと土地開発を進めていく。
都市内部には農地を作ることは出来ないのでこの地は純粋な商売の拠点となる。
生活部分は基本的にいつもどおり。
商店部分は帝都らしく少し高級感を出してみた。
乗客用の来賓室にラウンジなども用意する。
そこに使う調度品はゲーツに一任する。そういったセンスなんかもゲーツは一流だ。
いいとこのお嬢様だからねゲーツは。
最初の3日で大体の手続きは終わらせることが出来た。
あとは商会の人員配置など細かなこと、あとは人の移送なんかをお手伝いする。
同時にこの地でも奴隷と孤児の保護を開始していく。
すでに教育部門が出来ており、ワタル達は全てを任せていれば良かった。
ワタルの提案した6-12歳までの初等教育、13-16は冒険者コースと頭脳コースに別れる。一般的な農作業や接客で生きていくという人間にはこの段階から働いてもらう。
17~は試験を通るか成績優秀者の場合は幹部候補として教育を受けられる。
それらをクリアすると幹部として認められ各支部の支部長クラスの役職につくことが出来る。
今では女神の盾商会といえば大人気商会になっている。
待遇は素晴らしいし、衣食住が保証され高級魔道具を使用した寮は老若男女問わず大人気だ。
住宅販売業をやる計画もあるのだが、どうしても建築にワタルとカイの力が必要になるため、
現在のところ計画のみだ。セイを助けた後には立ち上げる可能性もある。
ワタル達はバッツに採寸を取られている。
叙勲式に参加する服を作ってくれるというバーツの提案に両手を上げて賛成した。
「あらークウちゃんまたおっきくなってるわねー・・・・・・」
「肩がこるからもういい・・・・・・」
ピクとカイの眉毛が動いたけどワタルは知らないふりをした。
「ボクも少し大きくなったんだよ、まーワタルは好きだからいいけどさぁ」
ピクピク。
辞めるんだリク、その会話は広げなくていいんだ。
「ちゃんと皆が素敵なレディーに見えるようにバッティ頑張るから!」
「期待してるよバッツ!」
バッツの神業の裁縫技術によって出来上がるドレスは素晴らしい物になるのは間違いない。
普段着もほとんどバッツが作ってくれている、バッツも着せ替え人形みたいに楽しんでくれている。
使われている素材も一流どころを使って、技術は神業、普段使いにしているが市場に出したら大変なことになる一品ばかりだ。
戦闘中は女神の鎧があるから防具なんかを買ったり揃えたりする楽しみがないのがRPG好きなワタルには少しさみしいところだったりする。
ワタルは今後のことを少し整理していた。
ウェスティア大陸の大ダンジョンは帝国の管理下に置かれておりすでに入城の許可は得ている。
まずは大ダンジョンの攻略と最下層での龍脈の確保。
そして新たな聖獣の力を手に入れることだ。
いまだに【黒】は強力でなんとか撃退してはいるが、端末の雑魚でそのレベルと言うのは恐ろしい事実だ。魔神バルビタールはどれだけの力を秘めているのか。
まだまだ強くならないといけない。
やはりレベルを上げるのが一番近道だろう、戦術や戦法もレベルを上げて技やスキルが増えれば選択肢も増えてくる。武器や防具はこれ以上ないレベルの物を使っているから大きくは変化しない。
今回もたぶん聖獣がいるなら、あの訓練があるだろうからなぁ・・・・・・
女神様に頼んで女神の塔の上級版とか作ってくれないかなぁ。
【うーん、それはちょっとむずかしいなぁ】
「ですよねー。っていきなり割り込んでこないでくださいよ」
【ごめんごめん、ただこれ以上力使うと万が一のための対策が難しくなっちゃうんだよ。ただでさえ今までためていた力を大盤振る舞いしてるからね】
「本当に感謝しています」
【そう言ってもらえると嬉しいよ、次のとこはニャーちゃんのとこだね。あの子もかわいいよーツンツンしてるのが余計に可愛いんだよねー、とりあえず頑張って】
ふっと神聖な気配が消える。
ほんとに女神様は神出鬼没だね。
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