らくがきちょう。

ノベルバユーザー91028

あなたの街の物語のプロットを作ったけど書けそうにないのでこっちにぶん投げることにしました。誰か書いてくれませんか。

あなたの街の物語
プロット


老作家が慣れ親しんだ故郷へと帰るところから物語は始まる。
新幹線の車窓から見える景色はうっすらと雪の降り積もった山ばかり、そのうちトンネルに差し掛かってそれも見えなくなる。でも老作家にとってはそれも愛おしい。
やがて時間はあっという間に過ぎ、最寄り駅に彼は降り立つ。出迎えるのは遥か聳える山麓と黄金色した田畑、それからのんびりと草を食む牛馬たち。
しばらく歩いてようやく主人公は目的の場所に到着。そこは荒れ果てた古寺だった。檀家も住職も去り、建物ばかりが荒れるにまかせて残ったそこが主人公の育ったところ。
そこで彼はゆっくりと身体を休めながら過去を思い出していた。
やんちゃばかりの少年時代、戦後の貧乏をどうにか乗り越えやがて初恋の人と出会うがそれは実ることなく、彼は都会へ旅立つ。がむしゃらに働き上辺の幸福を得るが満足できず、作家を志しひたすらに机と向かい続ける日々。そして念願叶い文壇デビュー、華々しい成功を果たす。
書いて、書いて、書き続けた中で自分はこの街で何をしてきたのか、何ができたのか。そして一体、何のために書き続けてきたのだろうか。
彼は己に問い、その答えを自分が持っていないことに気がつく。
自分はまだ「空っぽ」なのだと感じた主人公は、最後にこの街のための物語を書こうと思い立つ。
それから幾年月の時が経ち、主人公は未だに書き続けていたがその身体は病に冒されていた。病室の中でも具合の悪い身体に鞭を打ちキーを叩く彼は、最後の一文を書き終えると同時に全ての力を使い果たし倒れる。
彼が最後に書き上げた作品は、やんちゃ坊主だった主人公が大人になり、寂れた故郷のために音楽イベントを企画、運営するというものだった。その過程で多くの人々との出会いと別れを経験し成長していく姿に多くの読者が胸を打たれ、また有名作家の遺作ということで出版不況を物ともせずに売れていった。そこから流行り始めた「聖地巡礼」という娯楽。
かつて、自然と牛馬たちしかいなかった彼の故郷は多くの若者達で賑わいを見せる。潤った予算のお陰で再建され綺麗になった古寺。満開の桜が咲き誇る中、「彼」は満足げに微笑んでいた。

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