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幻想郷改造計画〜少年は河童の少女に恋をする〜

怠惰のあるま

妖怪の山の住人達


目覚めの悪い朝。
眠気がとれないまま俺、起床。
途中何度かウトウトして眠れそうだったのに河城に邪魔をされた。
抱き着かれたり、意外にある胸は腕に当たったり、耳元に息がかかったり、エトセトラ...エトセトラ...寝れるわけねえだろ!!
俺はちょうど思春期の男の子だぞ!年頃の女の子と一緒に寝て理性を保つなんて出来るわけないだろうが、俺は賢者じゃねぇよ。
真横で河城はまだ小さく寝息を立てて眠ってる。
口が悪くて、少し機械に対して変態みたいになるがマジマジ見ると普通に河城って可愛いよな。
ツインテールに結んでいた髪を下ろしたから大人っぽく見えるし、優しいといえば優しい。
って、何言ってるんだ俺。
これじゃあまるで俺が河城を好きみたいじゃねえか!!
いや...河城だったら別に......だああもう!!朝食作って気を紛らわそう......

新月がブツブツと部屋から出て行く姿を河城は頬を染めて呆然と見つめていた。
実は彼よりも少し早く起きており、彼の独り言は口に出ていて丸聞こえだった。

(え?え!?さっき新月いろいろ言ってたけど...僕のこと...言ってたんだよね?か、かわいい...とか、優しいとか...す、す、好き...とかも......)

新月の言葉を頭の中で反芻する程、河城にとりの中で新月という人間を意識することとなった。



△▼△



そんなことはいず知らず新月は台所で黙々と、いや気を紛らわしていた。
変に集中しているからか、異常に手際良く料理を作っている。しかも、その量は二人で食べれるものでは無い。
そんなことに本人は気づいてる様子は一切無い。
どうしても河城にとりのことを何処かで考えてしまい、必死に気を紛らわしていた。
それから数十分、自分の過ちにやっと気づいた新月はさらに頭を抱えていた。

「おいおいおい......なんでこんな作っちまったんだ...!!」

いやまあ気を紛らわそうと必死こいて手を動かしてたせいだが、ここまでの量を一時間そこらで作ってしまうとはさすが俺!
じゃねえよ。
どうっすかなぁ〜......
ガチャ!
扉の音が聞こえ、顔を上げると開いた扉の前にそこに立っていたのは幻想郷の三人目の住人だった。

「おっはようございます!文々。新聞で〜す!!」

元気な声を張り上げた黒髪の少女は二つほど人間とは違うところがあった。
一つ目はゲームによくいるエルフのような耳。二つ目はカラスと類似する黒い翼だった。
そして、反応が無いことに首を傾げ目線を泳がせているとこちらと目があった。

「あやや?あなたは....どちら様で?」
「お、俺は新月黄泉。最近幻想郷に来た外来人って奴らしい」
「おお!外から来たんですか!でもなぜにとりの家に?」

この人は河城の友達なのか?
じゃあ、本人を起こした方がいいかな。でも、さっき文々。新聞って言ったしもしかしたら新聞を届けに来ただけかも。
聞いた方が早いか。

「え、えーっと...話せば長いんでその話は後で。それよりも...あーっと......」
「あや!申し遅れました!私は幻想郷で新聞記者をやらせてもらってる鴉天狗の《射命丸 文》です!」

河童の次は天狗か。
本当にいろんな妖怪がいるんだな。しかも結構日本の妖怪。もしかして吸血鬼とかもいるのか?
うりぃぃ...とか言ってくれないかなぁ。

「それで射命丸さん」
「文でいいですよ!」
「じゃ、じゃあ文さん。もしかして河城に用があってきたんですか?」
「あ、いえいえ!私は新聞を届けに来ただけですよ」
「自分で届けてるんですか?」
「はいそうですよ?」

偉いなぁ。
自分で調査して内容を作り届けるなんて、仕事熱心な人なんだ。ん?仕事熱心な天狗かな?

「お、おはよう新月!って文じゃないか」
「おはようございます!それにしてもにとりも隅に置けないですね〜あんなに男に興味なさそうでしたのに」
「な、何言ってるんだ!!そんなんじゃないよ!新月はその.........そ、そう!盟友だよ!」

必死に誤魔化す河城だが文さんはニヤニヤと面白そうにしていた。

「し、新月からも言ってくれよぉ...!」
「え?ん〜まあ住むところを提供してくれた命の恩人ってとこですか?」
「ほうほう...命の恩人...そして、そこからの関係が......」

そこから何個か質問され俺と河城が答えていく。
それをどこからか取り出したメモ帳にサラサラと羽ペンのような物で書き記していった。
話が終わりペンの動きが止まるとメモ帳を勢いよく両手で挟むように閉める。

「いいスクープいただきました!!」
「ちょ!文!変なこと新聞に書かないでくれよ!!」
「スクープを載せない記者がどこにいるんですか?」
「ぐ、ぐぬぬぬ......」

急に頭を抱え、うなり始めた河城。
そして、苦しそうに文さんにある提案をした。

「カ、カメラのメンテナンス...無料でしてあげるから...!」
「ほっほ〜う!それは美味しい提案ですね。わっかりました!変なことは載せませんよ!」
「嘘はつかないね?」
「この清く正しい射命丸!嘘は絶対につきません!!それでは〜私はこれで〜」

帰ろうとする文さんにある事を思い出した俺は彼女を呼び止めた。

「あ!文さんちょっと待ってください!」
「あや?どうしました?」
「朝食食べていきませんか?」
「ふえ?」



△▼△



二人に大量に並んだ朝食が乗ったテーブルを見てもらった。
その量に驚いたのか、二人は声も出せずにいた。
この量の朝食を見て驚かない方がおかしいよね。自分でも驚いてるわけだし。
呆然と見つめていた文さんは、ハッと放心状態から戻った。

「ひ、一人で作ったんですか?」
「ええ...まあ...」
「あ、あややや...この量じゃあ私も食べたところで消化できる気が......ちょ、ちょっと待っててください!」

そう言い残し、一瞬で音速を超えるスピードを出し目の前から消えた。
そして、数秒もせずに文さんは少女を一人抱え戻ってきた。
その少女。なんか死にかけてる気がする。気のせい?

「助っ人呼んできました!」
「う、うぅ...あ、文さぁん...いきなりなんなんですか...?」

文さんと同じような服装をしている白髪の少女は苦しそうに喋る。

「椛はまだ朝食を食べてませんよね?」
「は、はい...」
「そんなあなたに朝食を用意しました!」

ジャーン!と言わんばかりに手をテーブルの上に並ぶ朝食に向ける。
さっきまで死にそうになっていた少女の目が一瞬でキラキラと輝いた。なんだろう...昔小さい頃に家で飼っていた犬を思い出す。
この子も何故か犬耳生えてるけど、それが相まってるのかな?ん?犬耳?よく考えたらこの子も妖怪なのか。
なんの妖怪だろう?

「こ、これ全部文さんが...?」
「いや、こちらの黄泉さんが作ったんです。黄泉さん。こちらは」
「初めまして。白狼天狗の《犬走 椛》です」
「新月黄泉だ。よろしく」

白狼天狗ってことはこの子も天狗なのか。
でも、翼はない。天狗と言ってもいろんな種類がいるのか?
白狼と言うことは狼のイメージがあるな。犬耳もあるし、よく見ると尻尾まで生えてる。
その尻尾をぱたぱたと振っているがそんなに朝食が欲しいのかな?

「犬走さんも食べていきます?」
「い、いいんですか?」
「この量ですし...」
「あ、それもそれですね。それでは遠慮なくいただきます!」

尻尾をさらに振り、口から少しヨダレが出てる。可愛いなぁ。

「河城もちゃんと食べろよ。お前は食生活乱れてるんだから」
「わ、わかってるよぉ!」

そう言って席に着いた。
俺も席に着き、みんなが席に着いたことを確認して手を合わせた。

「それではいただきます」
『いただきます!』

感謝をし終わると犬走さんは気がつけば、既に朝食に手をつけていた。早いなおい。
少し頬を染め幸せそうに咀嚼する姿は本当に犬のようだった。可愛い。
そして、黙々と朝食を平らげていく。もうこの人一人で全部食べれるのでは?
河城を見るとちゃんと食べていた。嬉しそうに食べていて、なんか嬉しかった。

「いやぁ〜!こんな美味しい料理が食べれるなんて黄泉さんすごいですね!」
「そうか?なんか恥ずかしいな...」
「誰から教わったんですか?」
「義父母からですね。二人とも料理が得意でしたから」

二人は小さい旅館を営んでいて従業員もあまりいない本当に小さな旅館。
けど、料理の腕が良いおかげで予約待ちがすごかった。そんな二人に恩返しがしたくて俺も料理を教わって旅館を継いであげたかった。
高校だってそうゆう関係の学校を選んでいた。まあ、もう関係ないか。
...一言くらい言ってくれば良かったな。

「...新月?」
「ああ、悪い。ボーッとしてた」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。というか...朝食ほとんどないし......」

現在進行形で朝食は犬走さんによって減っている。なんだろう...某ゲームのピンク玉を思い出すよ。
さて...無くなる前に俺も食べよう。
と言っても俺は朝は小食だから少ししか食えないけどさ。
しかし...幻想郷は自然が良いからか野菜がとっても美味しい。
これだけでもこっちに来て良かったと後悔せずに済むよ。




△▼△




それから数分後。
朝食を全て食べ終わった。まあ、七割がた犬走さんが消費したんですがね。
文さんは新聞配達が残ってるためお礼を言い残し猛スピードで配達に向かった。もう少しゆっくりすれば良いのに。
犬走さんは少し胃を休めていた。朝食にあれだけ食べたからね。
今は二人からここ妖怪の山について教えてもらっている。
そこで幾つかわかった。
一つ目はこの山は天狗が管理しており妖怪が人間に危害を加えないように見守ったり侵入者から里を守ったりしている。
犬走さんはその哨戒という役目を担ってるそうだ。
二つ目はこの山の頂上に守矢神社という博麗神社とは別の寺があるそうだ。
その寺には二人の神が祀られていて、そこの巫女をしている女の子は俺と同じく外来人だそうだ。
三つ目は花畑。とても強い妖怪が住んでいるらしい。
幻想郷の創設者の紫さんと同じく大妖怪と呼ばれてるそうだ。あと人間との友好関係は皆無らしい。近づかないでおこう....
他にもいろいろと教わった。弾幕勝負という遊びも理解した。
まだ上手く立ち回れるかわからないので犬走さんと特訓をすることになった。
正直、ありがたいです。

「さってと...私もそろそろ戻ります。朝食ごちそうさまでした」
「えー!椛行っちゃうの?もうちょっとお話ししたかったのに」
「仕事が終わったらまた来ますよ。それでは」
「おう。仕事頑張れよ」
「はい!」

元気に走って行く姿を見送り、食器を片付けることにした。
結構量あるから大変だな。
ま、食べ残しがないから比較的楽だ。
鼻歌交じりに食器を洗っていると河城が手伝ってくれた。
朝食を作ってくれるお礼だってさ。
...本当に良い子だよな。
って!また変なこと考える!
首をブンブンと横に振ると河城に変な顔をされた。

「ど、どうかしたかい?」
「いや...なんでもない...」

その後も何度か首をブンブンと振りながら食器を洗って河城に変な顔をされながら洗い物をしました。
河城が手伝ってくれたおかげで案外早く片付いた。感謝感謝。
さぁてと...

「ちょっくら行ってみるか」
「え?どこに?」
「ん?人里。そんなに遠くないんだろ?」
「まあね。あ!そうだ。僕も寄りたいところがあるんだ!一緒に行って良い?」
「良いけど。どこに行くんだ?」
「香霖堂さ!」


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