幻想郷改造計画〜少年は河童の少女に恋をする〜

怠惰のあるま

改造と分解

身体が機械。
今日ほど自分を改造して後悔したことはない。

「新月!!少しだけ...少しだけでいいからぁ!改造させてぇ!」

そして...今日ほど身の危険を感じたこともーーーー


△▼△


河城に連れられて彼女の研究所にいる。
家に行くのかと思っていたからびっくりだ。まあ、河城曰く研究所兼家らしいが

「ようこそ!僕の研究所へ!」
「あ、家じゃないんだ」

研究所要素の方が強いようだ。

「さて、さっそく君の体を診せてくれ!」

目を光らせて手をワシワシと動かす。
今から襲われそうな雰囲気になってますが...逃げた方いい?

「あ、逃げたらお仕置きが待ってます」
「なんでだよ!」
「別に変なことしないし、君の改造された部分をちゃんと見たいんだ」
「それならいいが...」

俺は着ていた上着を脱ぐと、目にも留まらぬ速さで拘束された。

「おい!?」
「あはは、さっきのは嘘だよぉ。ごめんね新月。どうしても君への好奇心は抑えられないんだ」
「やめろ!俺は改造するのが好きだがされるのは嫌いなんだ!!」
「ふっふっふ!そんな状態で何を言っても無駄だよぉ?」

クソッ!あまり気は進まないが改造してやる!
拘束している機械に触れると指の部分に二つの青い文字が浮かぶ。
改造エクステンド分解ディッセンブルの文字が青く光る。
俺は即座に分解を押した。
押された文字は赤く発光し、機械全体に赤い線が浮かんだ。

「な、なんだいこれは!」

河城の反応を無視して、分解の文字があった場所に現れた決行の文字を押した。
ポォォンとピアノの音が鳴ると俺を拘束していた機械が音もなくバラバラに分解された。

「ぼ、僕の拘束マシーンが!」
「悪いが分解させてもらった」
「こ、この一瞬でどうやって!」
「これが俺の能力だよ。俺が改造する時に任意で触れたモノを自在に改造できるんだ。もちろん今のように分解だってできる」

さぁ...どうやって逃げる?
方法を模索していると河城は嬉しそうに笑い始める。

「ああ...君は本当に素晴らしいよ新月!君の全てを知りたくなったよ!」

彼女が背負っているリュックからマジックハンドが飛び出す。
だが、そんななまっちょろいものだけではない。
ドリルがついた物やハンマー、チェーンソーなど、まさに改造する気満々な物まで飛び出した。
やばい。本気で逃げないと人間の部位を残さず改造されちまう!

「しんげつぅ!改造させてぇ!!」
「絶っっったいにいやだ!!」

改造した右腕をさらに改造。
手を銃を撃つように構える。河城に人差し指を向けた。

「バン!!」

俺の声に反応し人差し指から銃弾が飛び出した。

「もう!危ないなぁ!」

その銃弾をマジックハンドが楽々とキャッチし、銃弾を砕く。
中から奇妙な色の液体がこぼれる。

「もしかして眠り薬かな?はっ!まさか僕を眠らせてあんなことやこんなことを......」
「んなわけねぇだろ!!」

右腕に触れて改造を押す。
指から鉤爪が飛び出す。その姿は何と無くウルヴァ○ンに似てる。
改造をすればするほど河城の顔は高揚し嬉しそうに笑う。

「ねぇねぇ!片手だけ改造されてる状態もかっこいいけど、やっぱり両手改造しよ!いや、僕が改造していい!?」
「興奮すんな!!第一、片手だけで十分だっつーの!!」
「もぉ!照れ屋さんなんだからぁ!」

こいつはもうダメだ!交渉の余地すらねぇ!!
撃退しようにも河城は女の子。男として手を上げるなんてかっこ悪い真似は出来ない。
だが、逃げる隙はどこにも無い。
仕方が無い。

「男は度胸!誇りなんか糞食らえ!悪いが攻撃させてもらうぜ!!」
「そうこなくっちゃあ!僕も本気でいくよ!!」

なぜだろう。手にカードのような物を持っているけど...なんじゃあれ?

「水符《ウォーターカーペット》!!」

呪文のようなモノを唱えるとカードが消える。
少し警戒すると目の前から青い光の球?のようなものが襲いかかった。

「な、なんだこりゃ!?」
「あれ、弾幕を知らないの?てっきりスキマが教えているかと」

この世界ではこんなことが普通にできるのか?
なんつう非科学的な世界だよ。
でも...あれを撃てたら面白そう......

「ま、いっか。これぐらいじゃやられないでしょ?」
「過大評価すぎるだろ」

研究所の床に触れて改造を押す。
青い光が走ると俺の立っている場所に柱が伸びて上にせり上がる。
上から見ると名前の通り、カーペットのように弾幕と言うものが流れていく。
少し綺麗だ。

「本当になんでも改造できるんだね」
「制限はほとんどないからな」

右腕に触れ今度は某ゲームのナントカバスターのように改造。
砲身に力を込める。

「今度は何してくるのかな!」
「嬉しそうにしやがって......!喰らえ!アストロ・バスター!!!」

淡く光る光線が腕から放出。一直線に河城へ向かう。
だが、またあのスペルカードとやらを取り出していた。

「光学《ハイドロカモフラージュ》!」

放たられたのはまた青い弾幕と俺のアストロ・バスターと同じような青い光線が放たれた。
ぶつかり合う二つの光線。しかし、俺のアストロ・バスターが押され始めている。
やゔぁい。負けたら完膚なきまでに改造される.......それだけは.........

「絶対にイヤだ!!」

俺の気持ちに呼応するようにカードが現れる。
それは河城が使っているスペルカードだった。だが、彼女のカードではなさそうだ。
何故ならそこに書かれている呪文のような技名は俺の技だからだ。
なんとなく...俺はこのカードを使って見ることにする。

「改造《アストロ☆キャノン》」

なぜ間に星があるかは置いといてスペルを唱えるとカードが消えた。
そして、俺の右腕が元の形に戻る。
そのことにも驚きだが、手のひらに現れた弾幕とやらによってそれは消えた。
赤黒く輝き、とてもじゃないが綺麗とは言えない。なのだが何処か心を惹かれる。
俺はその弾幕を放ってみた。
ガオン!
聞こえた音はそれだけだ。
だが、目の前で起きたことは異常とも言える光景。
俺の赤黒い弾幕が放たれ直線上のものを数百メートル先まで消し飛ばした。
河城には当たっていない。少し衝撃があり的が外れたことと弾幕が多少小さかったおかげで真横を通り過ぎる形となった。
そんなギリギリの場所に立っていた本人は怯えているかと思えば目をキラキラさせている。

「す、すごい弾幕だったよ!」
「おまえ...よく平然としてるな」
「え?正直立ってるのがやっとだよ。足が震えて歩くこともできないし」

あ、一応恐怖はしてたんだ。

「あ、やばいかも」

ぺたん、と床に座り込んだ彼女はヘラヘラと気の抜けた顔で笑っている。
まあ...あんな威力を真横すれすれで体験すれば無理もない。
俺でもああなる。

「た、立てない...!」
「はぁ...ほら背負ってやるよ」

河城の前で背中を向けてしゃがむ。
正直何かされるかも、という疑念は晴れていないがほっとくわけにもいかないだろ?
だが、一向に背中に乗ろうとしない河城。
振り向けば顔を少し赤く染めている。

「どうした?」
「だ、だって君の背中に乗るんだろ?み、み、密着するってことでしょ?」
「俺の体を改造したいとか、見せてとか言ってきたくせにそうゆうのはウブなのか?」
「ぼ、僕だって女の子だ!」

今までそんな素振りを見せなかったくせに何を今更...

「いいから乗れ!!」
「うぅ...わかったよぉ......」

俺の首まわりに手をかけ背おられた。
絶対に顔を真っ赤にしてる体温があっついからさ。

「重くない...?」
「ん?全然。すっごく軽い」
「そう...それじゃあ僕の部屋に.........」

ん?急に黙ったけど、どうかしたのか?
後ろを振り向くと河城は絶句していた。何かしたのかな。
目線的には俺の弾幕の跡があるが...まさかな。

「ぼ、僕の部屋がぁぁぁぁ!!」

大声を出した河城の様子を見る限り部屋は崩壊したようだ。俺の弾幕で。

「まあ...ごめん」
「うぅぅ......どうしよぉ...僕の研究資料がぁぁぁ.........」

うわぁ...めっちゃ落ち込んでるし
どうしようか。偶然とはいえ俺がやってしまったことだ。
疲れるけど...やるか。

「ちょっとおろすぞ」
「え...?」

河城をおろし、破壊された後に手を触れる。
破壊された場所を囲むように赤いサークルが現れた。
俺の手元には赤いパネルがあり、そこには改造、分解、復元レトレーションの文字が浮かんでいる。
少し間を置き、復元の文字に触れた。
キィィ...ン
耳鳴りのような音が響く。

「な、なにしたの?」
「すこぉし静かにしててくれ。集中したい」

手を前に出す、すると赤み罹った透明の手袋が装着される。
手を閉じたり開いたりと軽く動かす。そして、ゆっくりと持っていたパネルを横にスライドする。
パネルには決行の文字が浮かんだ。

「さぁて...復元するか」


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