幻想郷改造計画〜少年は河童の少女に恋をする〜

怠惰のあるま

機械人間《新月黄泉》

やぁ...みんな。
俺の名前は《新月 黄泉》運動バカの中学生さ。
そんな俺の前に非現実的なことが起こった。
それは...目の前に自称美少女が現れたんだ!
そして、異世界転移ときたもんだ。
もうびっくりし過ぎて現実逃避するレベル。
と、まあ勢いで説明をしましたが、意味わからないだろ?
順序良く説明するために記憶を朝までフラッシュバックしよう。


△▼△


朝早く異様な気配を感じた俺はベッドから飛び起きた。
起きた俺の目に映ったのは大きなスキマ。
スキマの両端にリボンがあって何か可愛く見せようとしてる?
中を覗くとギョロッとこちらを見つめる瞳が有象無象としていた。
正直気持ちが悪い。
スキマから離れようと一歩下がると頭に柔らかいモノがあたる。
なんと言うか男なら誰しも触りたくなるような...そんな柔らかいモノが頭のすぐ後ろにある気が......

「おっぱいかな?」
「どストレートに言うわね...」
「うわっ!?」

知らない女性の声が後ろから聞こえ反射的に振り向くと後頭部に触れていた柔らかいモノに顔が埋まった。
結果的にわかったことはやっぱりおっぱいが頭に触れていて、ただいま絶賛顔をうずめているってことだ。

「あら大胆!」
「ん〜!んん〜!!」

聞きたいことがあるのに顔が豊満な胸に埋まって声を出せない。
あ、やばい。息が苦しい。

「何言ってるかわからないわ。それになんだか苦しそうね」

なんとか顔を離すことに成功。

「ぷはっ!あ、あなたは誰ですか?!」
「私?私は八雲紫。ピッチピチの17歳の美少女!」
「...がんばってもさんじゅーーー」
「それ以上言ったら口縫うわよ?」

ただならぬ殺気を感じた俺は口を閉じる。
この八雲紫と名乗る自称美少女が今回の不思議現象の原因です。
明るい金色の長い髪の先を何個かに纏め、白いキャップをかぶっている。
胸元が多いに露出される紫を基調としたワンピースに白いロンググローブ。
なんと言うかちょっとおばさん臭い服装?

「ちょうどいい刀を持っているのよ?」
「本当に申し訳ありません」
「全く...予想通り面白い子だって言うのはわかったけど。思ったことを口に出し過ぎね」
「今のは思っただけなんですが.......」

最近の女性ってそうゆうワードに敏感なのかな?
次から言葉に気をつけよう。

「さて...本題よ。あなたを招待したいの」
「どこへ?」
「《幻想郷》よ」
「幻想...?」
「歴史上の人や忘れ去られた生き物、迷い込んだもの。そして、あなたみたいに私に連れて行かれたりしたものが集まる場所」

なにその場所。危険な匂いがプンプンする。
いやまずこの人が連れ去る時もあるの!?
うわぁ...誘拐犯だぁ...
もしかして...そろそろ寂しい年頃だからいい相手を探すため?

「そうそう!好みはいるんだけど誰も私を見てくれなくて...」

ノリツッコミかと思ったらマジなやつだ。

「き、きっといい人見つかりますよ!紫さん美人だから!」
「...みんなそう言うのよ!!」

あ、地雷踏んだ。

「どうせあなたも若いギャルみたいな子が好きなんでしょ!!」
「なにその限定的なやつ!?俺は別に紫さんでも大丈夫ですけど」
「でも、結婚してって言ったら?」
「そんな年じゃ無いです」
「なんで皆そう言ってはぐらかすの!私に魅力が無いならそう言ってよ!!」

うわぁ...めんどくさいパターン。
紫さんは紫さんで大人の魅力があると思う。なので魅力が無いってわけでは...
まあ、俺は紫さんは彼女とかお嫁さんよりお母さんだったらいいなぁっていう感じ?

「なので、紫さんはお母さんとしてがんばって」
「待って!意味がわからない!!なんで急にお母さん!?」
「なんかお母さんだったら嬉しいなぁ〜と思って」
「......まぁいいわ。それで幻想郷に行きたい?」
「う〜ん......」

別にこっちの世界に未練がないわけじゃない。
だからと言って幻想郷に行きたくないわけでもない。正直行きたい。
けど、なぜ俺なんだ?
紫さんが気まぐれで幻想郷に人を連れ去っているんだったら納得する。
しかし、それ以外の理由があるのなら聞きたい。

「なぜ俺なんですか?」
「なぜって...気まぐれ。って言いたいところだけど、あなたの力に興味を持っただけ」
「俺の力って...運動能力?」
「いいえ。あなたがずっと隠してきた力の方」
「え!?あっちの方!?マジかぁ...」

あっちの方かぁ...気づかれちゃうかぁ...さすが大人の女性だ。

「先に言っておくけどあっちと言っても性的なことではないわよ?」
「このボケ殺し!!」

せっかくボケようかと思っていたのに!
わかってるよ。俺の力でしょ?あれってあんまり使い道がないから持ってても意味無いんだよね。

「力を少し見せてもらっても?」
「いいけど...」

服のボタンに触れると何故か止められる。

「なんですか?」
「いや...あっちの方はいいから見てみたいけどいいから」
「勘違いしてませんか?」
「へ...?」

手を振り払い服のボタンを引きちぎる。
服を破いて見せるのは右胸から右腕の肘あたりまで金属と化した体。
さらに手のひらの皮膚を剥いだ。紫さんは目を軽く背けるがその下にあったものを凝視する。
俺の体は右胸から右手にかけて金属とかしている。

「これが俺の力です」
「何これ...?」
「俺ってどうゆうわけか知識が無いはずなのに改造できるんですよ」
「カイゾウ...?」
「幻想郷にいないですか?機械人間サイボーグ
「キカイっていうモノに詳しい子はいるけど...私はわからないわ」

もしかして、幻想郷って文化が少し遅れてる?
だとしたら...改造しがいがありそう!

「紫さん!俺をその機械に詳しい子のところに連れてってください!」
「え...?いいけど。急に行く気になったわね」
「目的できたので」
「ふぅん...ま!いっか!それではスキマを繋げるからちょっと待ってね」

うにょん!
変な音を立ててスキマの中に消えて行った。
スキマの中からキュィィィィン、とかガシャン!、ズガァン!なんて俺が改造している時の音が聞こえる。
本当に機械を知らないんですか?
数分後。
スキマから手だけがヌルッ!と現れ、親指を立てた。
入っていいよ!ってことかな?
恐る恐る近づき、スキマに手が触れると遅い!と言わんばかりに飛び出した紫さんの手が腕を掴み俺を一気にスキマへ引っ張り込んだ。
神隠しって...紫さんのせいだったりして?
スキマを抜けると目に入った景色は声を失うほどに綺麗だった。
青々と生い茂った木々が風に当たってユラユラと枝を揺らし、陽射しが当たってキラキラと光っているように見える。
数歩先には、川のそこまで綺麗に見える透き通った水が流れていた。

「ようこそ《幻想郷》へ!」
「すごい...凄く綺麗な場所だ!!」
「喜んでいただけて嬉しいわ」
「それで機械に詳しい子ってどこにいるの?」
「あそこにいるじゃない」

あそこって、川を指差している気がする。
いやいや...仮にいたとしても何故川の中にいるんだ。
ゆっくり川に近づき、そーっと川底を覗くと俺の顔ではなく青色の髪の少女が映った。

「うわぁ!?」
「もう!そんなに驚くことないじゃないか!」
「川底に人がいたらびっくりするだろ!!」
「この子が機械に詳しい子。河童の河城にとりよ」
「か、かっぱぁ!?」

河童って...某寿司屋の名前に使われているあの河童?
川沿いに来た人間を川底に沈めるとか、頭に皿があるとか、きゅうり最高ぉぉ!て叫んでたとか、アホみたいな噂をされている河童さん?

「てか、河童っていたの!?」
「騒がしい盟友だね。頭足りないんじゃない?」

く、口わっる...!!

「説明が足りてなかったわね。幻想郷には神や妖怪、悪魔、魔王と言った存在もいるわ」

一言で言うとファンタジー!

「それで僕に何のようだい?僕だって暇じゃないんだ」
「この子があなたに会いたいって言うから。それにあなたと相性いいと思うわよ?」
「このアホみたいな男が?僕と釣り合うわけがないよ」
「黄泉。見せてあげて」
「は、はぁい...」

気が進まないまま俺は上着を脱いだ。
すると、先ほどまで俺を見下していた目はおもちゃを見つけた子供のように輝いた。

「そ、そ、そ...その体!どうやって手に入れたんだい!?」
「え?お、俺が自分で改造した」
「僕は勘違いしてたようだ!君はとても素晴らしい盟友だ!!あえて光栄だよぉ!」

先ほどの態度は嘘のように俺の手を握ってブンブンと激しく握手をする。
あの...肩痛いんでやめていただけます?

「それじゃあ黄泉。私は行くわ」
「...ん?待って俺はこれからどうしろと?」
「行く当てが無いなら僕の家に来なよ!君なら歓迎だよぉ!」
「え?いいの?俺男だよ?」
「?わかってるよ。正真正銘男でしょ?」
「いや...うん。わかった......」
「その子。男性経験ないからね」

俺も女性経験ないから。ましてや俺まだ15歳だから。
そうして、紫さんは帰って行った。なんかやっぱり若い子が好きなんだ!とかって負け惜しみを言うようにスキマに消えた。
どんだけ必死なんだ。

「さあて、僕の家に行こうか!...えぇっと......」
「新月...新月黄泉だ」
「改めて僕は河城にとり!よろしくね新月!」
「こちらこそよろしく河城」




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