男の娘ですがばれないように復讐心を養っております。

稜さん@なろう)

旅立ち

 皆の墓を作り終えた俺とライトは燃え尽きた俺の家の前にいた。 
 
「これから、どうする?」
 俺はこれからのことを決めるためにライトに聞いた。

「旅に出る。そして、俺らの村を襲った帝国の情報を集める。ヤイバお前はどうする?」
 親友も同じ考えか……嬉しいやら悲しいやら。
 
「それ、乗った。 準備……とかはいらないよな。よし行くか?」

そして俺たちは村を後にした。

ライトshift

俺とヤイバで作った墓はお世辞にも綺麗とは言えないものだった。
燃え尽きたヤイバの家の残骸に腰を下ろして休んでいると親友が口を開いた。

「これから、どうする?」
俺は帝国に対する【怒り】という感情と【殺意】を圧し殺して
「旅にでる。俺らの村を襲った帝国の情報を集める。ヤイバ、お前はどうする?」
と言った。
ヤイバは「それ、乗った。準備……とかはいらないよな」
と俺の心情を見透かしたような目、いや俺と同じような目で笑うと腰を上げて歩き出した。
俺はヤイバの横に並び村を後にした。

あのときのヤイバの笑った顔に見惚れたのは俺だけの秘密にしておこう。

~ヤイバ達が出ていった後~

先程まで二人がいた場所に闇が立ち込めていた。
闇の中心で二つの影が会話をしている。

「あの二人はいい感じに憎しみがあるね」
一つの影は幼い少女の形をしていた。

「あぁ、あの、ライトとか言った男は中々のものだ」
もう一つは、男の姿をしている。男の姿をした影はハットを被りなおすと影でできたコップで中のものを飲み干した。

「あのヤイバっていう女の……は?」
「あの……も怪物並だもしかすると前魔王と同じかそれ以上の憎悪だがライトにほ遠く及ばないだろうな」
 ハッと鼻で笑うと再びコップの中のものを飲みた。

「なら、私がヤイバチャンをもらうからね」
  そして、闇は消え。そこには初めから何もなかったかのように静寂が訪れた。

 二つの影はとんでも勘違いをしていたがそんなことは知る由もない。

つづく

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