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男の娘ですがばれないように復讐心を養っております。

稜さん@なろう)

誕生

 
 獣人族、魔族、人間族、エルフ族が仲良く平和に暮らしている世界『デスク』に一人の赤子が生を受けた。


この話は生まれてきた赤子の一生を綴った一冊の日記。









 ~とある村~

 あまり豊かとはいえない村のある家から赤子の産声が漏れ出している。その産声を祝福するかのように太陽は赤く燃え。風が吹き。鳥が歌う。
 そして、産声の漏れ出す家に近づく影が一つあった。その影、いや、その人物は燃えるように赤い髪を持った渋い顔の男だった。

「おぉ。産まれたか」
 そう呟くとその男は家の中に入っていった。
そして、家の中にはベッドの上で海のように青い髪を持った若々しい美女が赤子を抱いて微笑んでいた。

「無事に生まれましたわ。あなた
 『あなた』と呼ばれたこの男はこの赤子の父親で名をクラードと言う。
そして『あなた』と呼んだ女はこの赤子の母で名をノーアと言う。


「そうか! どれ、顔をよく見せておくれ」
「えぇ。かわいらしいですよ」
「おぉ!なんとも元気な子だな!」
 今さっき生まれたとは思えない程笑顔でグラートの指を掴む赤子にクラードは自然と顔がにやけていた。

「しかし、女の子か。剣の修行をさせるはちょいと危険だな。ハァ……残念だ」
 その言葉にノーアが笑いをこらえるかのように言った。
「クスッ……残念でした。この子は女の子じゃなくて男の子ですよ?」
 これを聞いてクラードは目を丸くさせていた。そして、ノーアはというといたずらを成功させた子供のような顔で下をぺロっとだして笑っていた。

「いや、どう見ても女の子じゃないか。ほら顔だって幼い頃の君にそっくりだし。肌も白いじゃないか」
「いえ、男の子ですよ。ほら」
「なわけが、な!?」
 そう言うとノーアは赤子を包んでいた布を取り払った。 
「なぁ!? 本当に男のだった!」
 素っ裸になった赤子を見てクラードは叫んだ。それはもう叫んだ。叫び声に驚いた赤子はクラードの叫び声に勝る声で泣いてしまった。

「す、すまない!」
 オロオロとしているクラードを見ながらノーアは
「慌てんぼのお父様ですね」
とクスクス笑いながら赤子に向けて言った。




つづく

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