龍と友達になった少年

榊空

少年の過去から現在へ

「じゃあ、今日も特訓はじめようか」
「よろしくお願いします。大地さん」
「よろしく、兄ちゃん」
「えへへ、私はご飯の準備して待ってるね!」
 
竜が現れて数年が経ち、ソラと海も大きくなって今年十四になる。美樹は一つ年下なので十三だ。ソラ達の顔つきも変わり、ソラは優しげな顔だが、凛々しさを感じる顔立ちに、海はいつも悪戯げな笑みを浮かべているが目の奥には心の強さを感じる顔つきになった。美樹は髪を伸ばした影響か子供らしさが抜けて大人っぽく見える。 大地の姿は髪が変わっただけで見た目はほとんど変わらない。

「よろしく、美樹」
「えっと、よろしくね美樹。それで、今日はどんな特訓を?」
「あはは、今日はいつものように素振りから始めて、そのあとは僕との試合かな?」
「今日こそは勝つからな! 兄ちゃん!」
「お手柔らかにお願いします。大地さん」

大地の言葉を聞いて、海はやる気をみなぎらせて、ソラは笑みを浮かべながら大地の方を向く。美樹は家のなかに入っていく。

「フフフ、二人ともやる気だね。まずその前に準備運動からね?」
「「はーい」」 
「お昼には一旦帰るからね」

大地は二人の素振りを見ながら、たまに剣の握りかたを矯正しつつ準備運動を終わらせた。

「じゃあ、はじめようか」
「最初は俺からだ!」
「じゃあ、僕は審判をするね。いつもと同じでいいよね?」
「よろしくね、ソラ」
「よろしく! ソラ!」

こうして、大地と海の練習試合がはじまった。

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