龍と友達になった少年
少年の過去11
「俺の大事な家族になにしてるんだ?」 
怒気を感じる声色で、ドラゴンに話しかける大地の姿に、言い知れぬ恐怖を感じたのかドラゴンは後ずさる。
《なんだ? 貴様は人間なのか?》
「大地さん、ドラゴンに怯えられてないか?」
「なんかそんな気はするけど、兄ちゃんぐらいじゃないか? ドラゴンに怯えられるの」
「お兄ちゃんすごい!」
子供三人は大地の姿を見て、恐怖ではなく安心感しかないからか、大地の顔をみても安心したような笑みを浮かべている。一体のドラゴンを除いて。
《フ、私が人間に怯えてるだと? 人間ごときにドラゴンであるこの私が怯えるわけがないだろう!》
ドラゴンはソラ達の言葉を聞いて、我慢ができなかったのか吼えながら大地を攻撃しようと大きな手をあげると、大地がなにかを呟く。
「ロック」 
《む? この魔法は私がさっき使った拘束魔法か……。だが、下位の魔法で私を拘束できると思うな!》
自分がソラたちに対して無詠唱で使った魔法を使われ、バカにするなと拘束を破るように、あげた手を降り下ろそうとするが下ろすことができない。
《バカな! 下位の魔法で私を拘束できるだと!? む、いや、違うな。動かないのは右手だけか。ならば私の尻尾で……》
動かすことが出来ないのが、降り下ろそうとした手だけであることに気が付いたドラゴンは、中途半端な魔法だとバカにしながら尻尾を横に振り全てを薙ぎ払おうとする。
「ロック」
《バカな……、中途半端な魔法で動きが止まるとでも……》
「もう一回ロックだ」
《む!?》
尻尾で全てを薙ぎ払おうとしたが、最初に尻尾の根本が動かなくなり、そのあとに尻尾の先が動かなくなる。
「もう片方の手もロック」
《何故だ、そもそもこの魔法は対象を拘束するだけで、ひとつひとつの部位を拘束するような魔法ではなかったはず》
一ヶ所ずつ拘束されていくドラゴンは、大地の魔法に困惑しながら動けなくされていく。その頃三人の子供達と一緒にいたマーサも同じようなことを考えていた。
「なぜ、あの人はあの魔法でドラゴンを拘束できるの……。対象が大きくなればなるほど使う魔力の量は増えていくから、ドラゴンほど大きな物体を拘束するのには膨大な魔力が必要になるはず」
その言葉に反応したのはソラだった。
「そうなんですか? マーサさん?」
「ええ、あの魔法は下位魔法っていって、最初に覚えれるような簡単な魔法で、その代わり効率がすごく悪いことで有名なの。相手が大きくなると魔力が足りなくなるし、小さくても相手の魔力が多かったり、力が強かったりするとすぐに拘束が解けたりするし」
「そんな魔法で大地さんはドラゴンを拘束してるんですか?」
「でも、おかしいの」
「えっと、何がですか?」
「そもそも、ロックは対象を拘束するだけの魔法で。相手の手だったり、尻尾だったりを個別に拘束するような魔法ではなかったはずなのよ」
「そうなんですか?」
でも、実際は目の前でそれは行われている。もうそろそろ拘束できる箇所も無くなってきている。
「もしかして、魔法の改編……? でも、そんなことできる人が……」
マーサはドラゴンの様子を見て、大丈夫だと安心しているからか考えごとに没頭していると、大地が終わりにするかのように虚空から大剣を取り出す。
「さてと、これで最後だ。ドラゴン」
《ふ、その程度の剣でドラゴンの鱗を斬ることが出来ると?》
ドラゴンは大地に拘束されながらも、取り出した大剣を見て嘲笑する。一般的にドラゴンは固い鱗で覆われており、生半可な武器では傷をつけることすらできない。そのことがわかってるからこその嘲笑である。そんなことは大地も知っている。
「とはいっても、この剣では傷付けることができない……、とか考えてたら大間違いだ」
大地は持っているただの鉄の剣をドラゴンの首に向かって振り下ろす。振り下ろして首に当たり弾かれる瞬間に叫ぶ。
「アンロック!」
《なんだ、その魔法は……!?》
大地が叫んだ瞬間にドラゴンの拘束が解けたかと思うと、大地の魔力量が増大し持っている鉄の剣に魔力が帯びる。そのままドラゴンの首をスッとバターでも切るように簡単に切り裂いた。
「魔力を帯びればどんな剣でも、ドラゴンの首ぐらいなら斬ることができる。魔力の消費は半端ないけどな」
大地はドラゴンの首を切り裂いたあと、驚愕したまま死んだドラゴンに教えるような口調で呟く。そのあと、大剣を虚空に直しソラ達のもとに駆けつける。
怒気を感じる声色で、ドラゴンに話しかける大地の姿に、言い知れぬ恐怖を感じたのかドラゴンは後ずさる。
《なんだ? 貴様は人間なのか?》
「大地さん、ドラゴンに怯えられてないか?」
「なんかそんな気はするけど、兄ちゃんぐらいじゃないか? ドラゴンに怯えられるの」
「お兄ちゃんすごい!」
子供三人は大地の姿を見て、恐怖ではなく安心感しかないからか、大地の顔をみても安心したような笑みを浮かべている。一体のドラゴンを除いて。
《フ、私が人間に怯えてるだと? 人間ごときにドラゴンであるこの私が怯えるわけがないだろう!》
ドラゴンはソラ達の言葉を聞いて、我慢ができなかったのか吼えながら大地を攻撃しようと大きな手をあげると、大地がなにかを呟く。
「ロック」 
《む? この魔法は私がさっき使った拘束魔法か……。だが、下位の魔法で私を拘束できると思うな!》
自分がソラたちに対して無詠唱で使った魔法を使われ、バカにするなと拘束を破るように、あげた手を降り下ろそうとするが下ろすことができない。
《バカな! 下位の魔法で私を拘束できるだと!? む、いや、違うな。動かないのは右手だけか。ならば私の尻尾で……》
動かすことが出来ないのが、降り下ろそうとした手だけであることに気が付いたドラゴンは、中途半端な魔法だとバカにしながら尻尾を横に振り全てを薙ぎ払おうとする。
「ロック」
《バカな……、中途半端な魔法で動きが止まるとでも……》
「もう一回ロックだ」
《む!?》
尻尾で全てを薙ぎ払おうとしたが、最初に尻尾の根本が動かなくなり、そのあとに尻尾の先が動かなくなる。
「もう片方の手もロック」
《何故だ、そもそもこの魔法は対象を拘束するだけで、ひとつひとつの部位を拘束するような魔法ではなかったはず》
一ヶ所ずつ拘束されていくドラゴンは、大地の魔法に困惑しながら動けなくされていく。その頃三人の子供達と一緒にいたマーサも同じようなことを考えていた。
「なぜ、あの人はあの魔法でドラゴンを拘束できるの……。対象が大きくなればなるほど使う魔力の量は増えていくから、ドラゴンほど大きな物体を拘束するのには膨大な魔力が必要になるはず」
その言葉に反応したのはソラだった。
「そうなんですか? マーサさん?」
「ええ、あの魔法は下位魔法っていって、最初に覚えれるような簡単な魔法で、その代わり効率がすごく悪いことで有名なの。相手が大きくなると魔力が足りなくなるし、小さくても相手の魔力が多かったり、力が強かったりするとすぐに拘束が解けたりするし」
「そんな魔法で大地さんはドラゴンを拘束してるんですか?」
「でも、おかしいの」
「えっと、何がですか?」
「そもそも、ロックは対象を拘束するだけの魔法で。相手の手だったり、尻尾だったりを個別に拘束するような魔法ではなかったはずなのよ」
「そうなんですか?」
でも、実際は目の前でそれは行われている。もうそろそろ拘束できる箇所も無くなってきている。
「もしかして、魔法の改編……? でも、そんなことできる人が……」
マーサはドラゴンの様子を見て、大丈夫だと安心しているからか考えごとに没頭していると、大地が終わりにするかのように虚空から大剣を取り出す。
「さてと、これで最後だ。ドラゴン」
《ふ、その程度の剣でドラゴンの鱗を斬ることが出来ると?》
ドラゴンは大地に拘束されながらも、取り出した大剣を見て嘲笑する。一般的にドラゴンは固い鱗で覆われており、生半可な武器では傷をつけることすらできない。そのことがわかってるからこその嘲笑である。そんなことは大地も知っている。
「とはいっても、この剣では傷付けることができない……、とか考えてたら大間違いだ」
大地は持っているただの鉄の剣をドラゴンの首に向かって振り下ろす。振り下ろして首に当たり弾かれる瞬間に叫ぶ。
「アンロック!」
《なんだ、その魔法は……!?》
大地が叫んだ瞬間にドラゴンの拘束が解けたかと思うと、大地の魔力量が増大し持っている鉄の剣に魔力が帯びる。そのままドラゴンの首をスッとバターでも切るように簡単に切り裂いた。
「魔力を帯びればどんな剣でも、ドラゴンの首ぐらいなら斬ることができる。魔力の消費は半端ないけどな」
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