リアルの幼馴染みがこんなに萌えないものだなんて

石原レノ

お正月

あけましておめでございます。佐々波瀧です。
本日新年を迎え、僕の家は静かになっていました。
白凪姉妹は祖父母の家に遊びに行き、蒼愛も同じく。
リンは隣の豪勢な家で豪勢なパーティをしている。
華恋の家は家族旅行らしい。
そして、僕のいる佐々波家ではお正月らしい事が行われていた。
「あけましておめでございます。兄さん」
「あけましておめでとう。はいこれお年玉」
そう言って俺は愛華にお金の入った小袋を渡す。
「え、兄さんこれわざわざ用意してくれたの?」
「おう。こうした方が正月らしいだろ?」
「それはそうだけど私何も用意してないよ?」
申し訳なさそうな顔をする愛華のあたまに、俺はポンと手を乗せる。
「良いんだよ。俺は愛華に頼りっぱなしだからな。こういう時くらい兄貴らしくさせてくれよ」
ニコッと笑いながら放った言葉は愛華を笑顔にさせた。
「うん。ありがとう兄さん。あ、今おせち持ってくるね」
上機嫌でキッチンに向かう愛華。俺は愛華と共にキッチンへ向かい、食事の用意をする。
「ところで愛華は友達と遊びに行かないのか?俺の事なら気にしなくてもいいぞ?」
「んー。遊ぼうにも周りの皆は忙しいみたい。私はお正月は家にいたいから別に遊びたいとも思わないかな?」
「そっか……」
「兄さんは遊びに行かないの?」
「まぁ俺は愛華がいればいいしな……」
「なっ……」
ボッと顔を赤くする愛華。俺は何気に言った言葉でそんな愛華には気付かずに食器や箸を運ぶ。
「よし。運んで良いぞ愛華、、ってどうした?」
「、、、あ、うん今運ぶね」
そう言って運んでこられたおせちは、、、。
「なっ、、、愛華、これ1人で作ったのか!?」
三段になっているおせちは、高級料理店で見るような豪勢なもの。
どこで買ってきたのか伊勢海老やらが大胆に乗せられていた。
「うん、、、少し張り切っちゃった」
そう言って照れながら頬をかく愛華。
「いやこれどこで買ってきたんだ?うちにそんなにお金なかったはずだけど、、、」
「あぁ、、それはリンさんが材料をくれたんだよ。えっと、、、クリスマスプレゼントとかで」
クリスマスプレゼントで伊勢海老て、、、リッチは考える事がでかい。
「そ、そうか、、、ならいただいてもバチは当たらないな」
「そうだね、、、じゃあ」
「「いただきます」」
こうして俺と愛華は正月早々いい思いを堪能した。

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