リアルの幼馴染みがこんなに萌えないものだなんて

石原レノ

愛華@料理

「これをこうして、、、ふふっうまく出来たなぁ、、」
愛華が上機嫌で作り上げているものは今晩のおかずの肉じゃが。どうやら作っているうちに美味しくなるアイデアが浮かんできたようで作っているうちに段々と愛華のテンションは上がってきていた。
「なんか機嫌いいな。そんなに上手くいったのか?」
分かりきってはいるが、こうも上機嫌だとつい聞いてしまう。
「んー?そーだねー。今日は色々と上手くいったんだぁ〜♪」
鼻歌を歌いながら料理を作る光景を見ていると、どうも新婚夫婦を連想させる。愛華の場合奥さんになると絶対にいい奥さんになるからなぁなんて考えていると愛華の夫役が少し憎たらしい気がした。
「はい。どうぞ♪特製肉じゃがだよ♪」
うわずんだ声と共に自信満々の肉じゃがが渡される。これまた白ご飯との相性が抜群である。
「、、、、、これは、、、」
どうも俺はおふくろの味というものが好きで母の作った肉じゃがは大好物だったのだが、愛華が作ったこの肉じゃがはその発送をゆうに超えてしまう。それほどまでにこの肉じゃがは美味しかった。
「これは美味いぞ!こんな肉じゃが今までに食ったことがないな!」
俺の言葉を聞くと愛華は表情をパァっと明るくする。
「そうかな!やっぱり試してみた甲斐があったよ♪」
料理上手な妹を持って俺は幸せ者であると今1度理解し直された瞬間だなぁと思った。そういえば俺達って出会った時からこんなに仲が良かったのだろうか、、、。
「どうかしたの?兄さん」
俺が顔をしかめて考えていると心配した愛華が気にして声をかける。すかさず俺は「あぁ」と答えるも記憶の詮索は止めなかった。
ー俺と愛華はどうやって出会い、仲良くなったのだろうー
この疑問はすぐには解消されることは無かった、、、。

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